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ネイティブ(Natives)

人員を増やしてアクション強化

さまざまな職業に人員を振り分けて、ネイティブ・アメリカンの一族の繁栄を競うロシアのカードゲーム。2019年のアラカルト・カードゲーム賞5位。他プレイヤーの種族に働いてもらうこともできるが、最後に失点になってしまうので、適度なタイミングで「始末」する。

各プレイヤーの前には7つの職業エリアがあり、手番にはその中から1つを選んで実行する。人員を配置すればするほどアクションが強化される仕組みだ。

  1. 長老:場からネイティブを獲得して好きな職業エリアに配置する
  2. シャーマン:場から儀式・トーテムを獲得して特殊効果(自分より優位なプレイヤーにカードを捨てさせるなど)を発動する
  3. 戦士:場からネイティブを獲得して殺す(得点になる)
  4. ハンター:場からバイソンを獲得する
  5. 漁師:場から魚を獲得する
  6. 農夫:場から麦を獲得する
  7. スカウト:アクションの前に場にカードを追加できる

山札から冬カードが出たら最終ラウンドを行って得点計算。各職業に従事していた自分の種族は得点、他プレイヤーの種族は失点。他のプレイヤーのところで働いていた自分の種族も得点。バイソン、魚、麦、戦士が殺したネイティブも得点。儀式やトーテムによる追加ボーナスを加えて得点を競う。

前のプレイヤーと同じ職業を強化しても場のカードがなくなっているので、棲み分けは大切である。そこから生まれる上家下家のインタラクションが面白い。特に終盤はシャーマンを使って職業の配置換えをしたり、特定の食料だけに特化して集めるなど、なりふり構わぬ重点戦略が起こるので、それをお互いにどれくらいカットできるかがカギ。人員を増やしても場に対応するカードがなければ十分な活動ができないので、機を見てどの職業を増やすかで、センスが問われる。

Natives
ゲームデザイン・A.コンノフ&A.パルツェブ&A.シクリャロフ&トレーグラニク
イラスト・V.ザブルダエフ&フォオーレ社
コスモドロームゲームズ(2017年)―コスモス(2019年)
2~4人用/8歳以上/20~40分

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アレグラ(Allegra)

隣の1列も自分のカード

裏になっている自分のカードをめくって交換したり揃えたりしつつ、できるだけ数値を小さくすることを目指すカードゲーム。トランプゲーム『ゴルフ』をベースにしているが、隣のプレイヤーと共有のカードがあることで微妙な協力関係が生まれる。

4×3枚にカードを裏向きに並べ、そのうち2枚をめくってスタート。手番には山札か捨て札のカードを自分の場のカードと交換する。山札から引いて気に入れなければ捨てて自分の場のカードを1枚めくる。裏になっているものと交換してもよい。数字は-1から11まであり、数字の高いカードを低いカードに置き換えていくのが基本だ。

他の人がカードを捨てたとき、そのカードがほしければノックして、相手が同意すればもらうことができる。同じ数字が縦か横に3枚並ぶと、まとめて消すことができるというルールがあるので、大きい数字のカードを集めて消すのも手だ。

ただし、誰かがカードを全て公開するとゲームが終わってしまうので、それまでに揃う見込みがあるか吟味しなければならない。ゲームが終わったら自分の場のカードの数字を合計して、少ない人が勝つ(3ゲームの合計を競う)。

自分の一番右側の列のカードは、右隣のプレイヤーと共有される。同様に、左隣のプレイヤーの一番右側の列は自分のものでもあり、それぞれどちらのプレイヤーもカード交換に使っていいし、どちらのプレイヤーの得点計算にも含まれる。このため局所的に協力関係が生まれるが、自分の列を優先して切り捨てることもある。他のプレイヤーの捨て札を拾うときも、お互い相談することになるだろう。

中盤から終盤にかけてめくったカードが大きい数字だったときの焦り、それを終了までに隣と協力して何とか捌けたときの嬉しさがこのゲームの醍醐味だ。

Allegra
ゲームデザイン・B.ルッカ/アートワーク・J.リュッティンガー
ドライハーゼン・インデア・アーベントゾンネ(2020年)
2~6人用/8歳以上/30~40分
ゲームストア・バネスト:アレグラ