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ボードゲームのデラックス化と「退廃」

シュピールボックス2024年1号のコラム「退廃への傾向(Tendenz zu Dekadenz)」で、F.ツィーエ氏が昨今のコンポーネントデラックス化に苦言を呈している。環境負荷が小さいはずのボードゲームで、ダブルレイヤーボード、オーバーレイ、メタルコイン、レーザーカットのインレイなどに熱狂するのは…

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ボードゲーマー人口の世界ランキング

Xで「日本はボードゲーム後進国」という話題を目にした。これまでも、(人生ゲーム・UNO・オセロ以外の)国内認知度の低さ、日本発ボードゲームの海外での知名度の低さ、量販店などにおけるボードゲーム売り場の小ささ、キックスターターでの日本語非対応、中重量級のYoutubeチャンネルの少なさなど、さまざまな…

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ボードゲーム棚を吟味する

ボードゲームの楽しみのひとつとして、遊ぶだけでなく棚に並べて眺めるというものがある。同じメーカーや同じデザイナーを揃えたり、SDJ受賞作品だけまとめたりすれば、遊ぶゲームを選ぶのにも役立つだろう。 棚もボードゲームに合わせたサイズにすれば、コレクションはさらに引き立つ。ここでは実用的なものから夢のあ…

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ボードゲーム市場は飽和しているか

今月17日、ファンコゲームズ(アメリカ)が親会社の業績不振によりゴライアスゲームズ(オランダ)に売却されるというニュースが報じられた(BGG News)。ファンコゲームズは玩具メーカーのファンコ社が2019年にフォレスト・プルザン・クリエーティブ(アメリカ)を獲得して始めたレーベルで、『パンナム』や…

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日本語版ボードゲーム発売、年間200タイトル弱に減少

今年1年に発売された海外ボードゲームの日本語版は197タイトルであることが当サイトの調べで分かった。昨年まで4年連続で230タイトル前後を記録していたが、約30タイトル減少した。 コロナ禍においても高水準を維持してきた日本語版リリースが15%近く下がった背景には、流行り廃りが激しい中で出版社が在庫リ…

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「ゴーアウト系」が海外で通じない?

ゲームマーケット2023秋のトレンドに、トリックテイキングゲームと並んで「ゴーアウト系」が目立った。「ゴーアウト系」とは、最初に手札を出し切った人が勝つカードゲームで、『ウノ』のように色や数字が合っていれば出せるもの(「マッチング」)と、『大富豪(大貧民)』のようにより強い役があれば出せるもの(「ラ…

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シニアのボードゲーム

(月報司法書士2023年8月号掲載) シニアも楽しめる ボードゲームの知名度があがるにつれて、青少年や家族だけでなく、シニアの方に紹介する機会も出てきた。公民館などの身近な場所に集まる「ミニデイサービス」、社会福祉協議会のレクリエーションやイベント、文化交流施設でのお茶飲み会、お寺で行われる法話の会…

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ボードゲームのメカニクスと社会

(月報司法書士2023年7月号掲載) ゲームメカニクスで実社会を捉えてみる 筆者が翻訳した『ゲームメカニクス大全―ボードゲームに学ぶ「おもしろさ」の仕掛け』(著・G.エンゲルステーン&I.シャレブ/翔泳社)の第2版が発売された。ボードゲームのデザイン方法について203項目に分類・考察したもので、読み…

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夏休み小学生ボードゲーム教室の回し方

日本全国非常に暑い中で夏休みに入り、学童保育は熱中症にならないようエアコンの効いた室内で行われている。そこでボードゲームを遊ぼうということになり、例年よりも多くお声がけ頂いて参上している。 以前「小学生向けボードゲーム教室を頼まれたときの10のポイント」というエッセイを書いたが、子どもの人数やスタッ…

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ボードゲーム作家逝く

(月報司法書士2023年6月号掲載) 代表的なドイツのボードゲーム『カタン』の作者であるクラウス・トイバー氏が4月1日、70歳で逝去した。日本のボードゲーム愛好者は、「『カタン』がなければ今の人生はなかった」などと哀悼と感謝の言葉を次々と表明している。 ボードゲーム展示会でサインに応じるクラウス・ト…