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ボードゲーム十大ニュース2025

毎年恒例の今年の主なニュースをまとめ。当サイトの記事やXポストのアクセス数を参考にして、今年を特徴づけるものという観点で管理人の独断でランキングした。昨年の十大ニュースはこちら

  1. 日本人初のドイツ年間ゲーム大賞
    7月13日、ベルリン市内のホテルにて今年のドイツ年間ゲーム大賞が発表され、林尚志氏の『ボムバスターズ』が大賞に選ばれた。同賞で日本人作品が大賞に選ばれるのは初で、NHKニュースなどの大手メディアで取り上げられた。昨年『トリオ』でフランス年間ゲーム大賞を受賞した宮野氏に続く快挙となった。
    ドイツ年間ゲーム大賞2025に『ボムバスターズ』、日本人初受賞
    NHKニュースで「世界最高峰ゲーム賞 日本人が初の大賞」
  2. 『SETI』がゲーマーズゲーム賞総なめ
    日本語版が3月下旬に発売された『SETI:地球外知的生命体探査』がドイツゲーム賞、国際ゲーマーズ賞、ゴールデンギーク賞重量級部門、ポルトガル年間ゲーム大賞、オランダゲーム賞エキスパート部門、フランス金のダイヤモンド賞と各国のゲーマーズゲーム賞を総なめ。日本版The One Hundredでも4位に入り、愛好者から絶大な支持を集めている。
    最新技術で惑星探査『SETI:地球外知的生命体探査』日本語版、3月上旬発売
    ドイツゲーム賞に『SETI』、CGEがキッズ賞も独占
    国際ゲーマーズ賞2025に『SETI』ほか
  3. ゲームマーケット来場者過去最高
    11月22・23日に幕張メッセで行われたゲームマーケット2025秋は、過去最多となる30000人が来場した。これまでの最高記録は2019秋の29300人で、コロナ禍を経て6年ぶりに復活した。出展者も1368団体と過去最多で、2019秋(931団体)と比べると147%の増加。出展者の増加率に来場者の増加率が追いついておらず、予約数や「爆死」の報告が話題となるなど、少ない客の獲得競争が激化している。
    ゲームマーケット2025秋レポート(会場編)
  4. トランプ関税ショック
    2月4日からアメリカ政府がすべての中国製品に最大145%の関税を課した影響で、アメリカのボードゲーム出版社が窮地に陥った。グレーターザンゲームズとアンダードッグゲームズが閉鎖・解散。アメリカ以外でもCMON社が新規ゲーム開発の停止と人員削減を発表、CMON社からの支払いが滞ったため、ファイナルフロンティアゲームズ(マケドニア)が閉業した。アスモデ(フランス)はトランプ関税をM&Aのチャンスを見ており、今後も業界再編が進む可能性がある。
    トランプ関税でボードゲーム業界危機、アメリカ
    トランプ関税でボードゲーム業界危機(2)
  5. ボードゲーム価格高騰、小箱化探る動きも
    世界的な物価高と円安により、中箱でも5000円を超えることが普通になり、日本の出版社は対策に苦慮している。その中で小箱化によって製造・流通コストを下げる動きがあり、特に『ラー』は2200円という破格が話題となった。収納スペースが少ない愛好者からは歓迎の声もあり、今後も名作の小箱化を探る動きが続きそうだ。
    クニツィアの名作を復刻『タージマハル』日本語版、5月31日発売
    クニツィアの名作『ラー』日本語版リニューアル、2200円で9月24日発売
    独年間大賞受賞作のタイル配置ゲーム『アルハンブラ』日本語版、9月26日発売
  6. プレイスペース広島閉店
    広島市内のボードゲームショップ「プレイスペース広島」が7月6日、完全閉店を発表。28年の歴史に幕を下ろした。個性の強い伊藤店長が独自ルートで輸入したボードゲームを日本語訳付きで販売。ゲームマーケットには第1回から出店し、メビウスゲームズ、ゲームストア・バネストと並ぶ三大ボードゲームショップとして注目を集める。近年はTRPG、TCG、ダイスにも力を入れていたが、体調不良でお店を開けられなくなっていた。
    プレイスペース広島が閉店、独自ルートでボードゲーム輸入
  7. ジーピーの米川社長逝去
    ジーピーの米川和秀社長が11月22日に逝去。ツクダで『オセロ』を全国展開し、シュウクリエイションで『ラミィキューブ』日本語版や『スクラブル』、ポケッタブルシリーズを発売。ケナーパーカージャパンでは『モノポリー』日本語版を、ジーピーでは『カタン』『ウボンゴ』日本語版を発売した。制作だけでなくカタン日本選手権を主催するなど、普及に努めた。
    ジーピーの米川和秀氏逝去、ラミィキューブやカタンの普及に尽力
  8. カタンで同時プレイ人数のギネス記録
    10月24日、ドイツ・エッセンにて「『カタン』の同時プレイ人数」でギネスに挑戦するイベントが行われ、1170人の参加で世界新記録を達成した。『カタン』発売30周年を記念して開催されたもの。これまでの記録は2017年にオランダ・ロッテルダムでの1096人。『カタンコネクト』という多人数プレイ版により、プレイ時間はわずか15分ほどで決着が付いた。
    シュピール’25:カタンでギネス挑戦
  9. エッセン・シュピールに日本からの出展過去最多
    10月23~26日にかけてドイツ・エッセンで開催された世界最大のアナログゲームイベント「エッセン・シュピール」には、日本から過去最多となる23社が出展した。毎年おなじみとなっているオインクゲームズ、itten、Saashi&Saashiのほか、アークライトの『レイルウェイブーム』、Engamesの『ゴーストリフト』に大行列。特に『ゴーストリフト』は会場内評価「スカウトアクション」に初日からランクインし、売り切れた後も試遊に訪れる愛好者が後を絶たなかった。
    シュピール’25:日本からの出展
  10. ボードゲームカフェ栄枯盛衰
    JELLY JELLY CAFEが7月に歌舞伎町、9月に吉祥寺、11月に中野、12月に名古屋駅西口と4軒オープンし19店舗に。オーナーの白坂翔氏は50店舗を目指す考えを表明している。その一方で1~2年で閉業したボードゲームカフェも少なくなく、カフェミープル(京都)やディアシュピール(東中野)など10年以上営業してきて店を畳むケースや、経営の厳しさを嘆くカフェオーナーも。安定的な利益を生み出すための厳しい挑戦は続く。
    ボードゲームカフェバー:2025年の新規開店は39件
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ゲームマーケット2025秋:新作評価アンケート結果、1位は『バナナガバナンス』

ゲームマーケット2025秋(11月22・23日、幕張メッセ)で発表された新作について、当サイトで1ヶ月にわたって評価アンケートを行った。自由記述式で359名による評価の結果、『バナナガバナンス』が1位となった。2位以下は以下の通り。

このアンケートは、プレイヤーには国産ボードゲームを選ぶ際の参考にしてもらい、制作者にはプロモーションに役立ててもらうことで、新旧入れ替えの早いサイクルの中でもより広く、より長く遊び続けてもらうことを期待して2005年から行なっている。

今回の投票者の内訳は男性81%・女性19%、10代1%・20代14%・30代40%・40代30%・50代14%・60代1%、居住地は関東62%・中部11%・近畿11%・東北7%・九州沖縄3%・北海道2%・四国1%・海外1%で、ゲームマーケット参加者は84%だった。全体ではのべ3493タイトルが挙げられ、投票者1人あたりに換算すると9.7タイトルとなる。最多投票者は121タイトル。

ランキングにあたっては前回までと同様、評価数による1票の影響を小さくするため、架空の「3点✕20人」を加えて平均した。英語・漢字・カタカナなどの表記ゆれ、「・」「!」などの有無、軽微な誤字脱字は同定できる限り合わせて集計している。

評価1位の『バナナガバナンス』はバナナカードでサルを競り落とし、獲得したサルの点数と使わなかったバナナの点数の掛け算で競うミニマルなオークションゲーム。2位の『STORM IN A TEACUP』は3種類のカードだけで行なうゴーアウトで、3位の『ウロボロストリック』は獲得札が手札に戻り手札がなくなると負けるトリックテイキング。投票数1位は順番に公開するバッティングゲーム『ぬすっとキャット』で6位だった。

過去のゲームマーケットの結果はこちら。投票して下さった方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。

【ゲームマーケット2025秋:新作評価アンケート結果】
1位:BANANA GOVERNANCE(ラフゲームズ)4.13/44
2位:STORM IN A TEACUP(ごみ国際)3.90/30
3位:ウロボロストリック(篠原遊戯重工)3.87/49
4位:合体!!クロスゴーレムズ(RMBC)3.85/40
5位:VIDRO(バンブーゲームズ)3.814/23
6位:ぬすっとキャット(イブインク)3.808/79(評価数最多)
7位:スノープ(SzpiLAB)3.79/27
8位:13月32日(ロクジゾー)3.78/53
9位:ゆび感クレーンゲーム チャンピョンシップ(てんつくゲームズ)3.73/42
10位:イルイラン(グループSNE)3.690/22
11位:ハジの多い生涯を送って来ました(アゲピテック)3.685/34
12位:銀河トリックテイク・ガイド(四等星)3.683/21
12位:Spur Note / シュプールノート(14games)3.683/21
14位:たぬきとわがしとししおどし(アソビツクース)3.682/24
15位:DORON – Ninja Trick taking –(HEX EYE GAMES)3.66/24
16位:ピプラス(くじらだま)3.64/22
17位:すしオッター(OKAZU brand)3.60/40
18位:賢者の数字(イオピーゲームズ)3.57/27
19位:シェディー・レディー(Mob+)3.56/52
20位:デンジャラスイーツ(ぶれけけゲームズ)3.55/18
21位:Syzygy(With Token)3.54/32
22位:For The People(BREAD WORKS)3.53/20
(3点✕20人を加えた評価平均/投票者数。3.50/18票=全体の5%以上)

規定投票数未満で評価の高かったゲーム(3.50以上/9~18票、五十音順)
カンパニア(Asobition)、クイズ!ブブンブンカツスイッチ(Avignon Games)、米米ハンターズ!!(芸無工房)、三連球(サークル713)、スープスクープ(モノビーズ)、Splentia -輝きの国-(K*)、小さな宝もの(さとーふぁみりあ)、ティア・キング(ミラーハウス)、動物園ウォーズ カードゲーム(Studio GG)、Bluolino ブルオリノ(Sui Works)、ポーズマニア!(Avignon Games)、ポケットの中の平成(ボドぶい)、Parfait !! – パルフェ!! -(よのび〜)