ギリギリのチキンレース『スリルボム』8月7日発売
ハナヤマは8月7日、リアルタイムチキンレースゲーム『スリムボム』を発売する。ゲームデザイン・F.D.ベンチュラ、2~4人用、6歳以上、10分、2750円(税込)。
オリジナルは1975年、アイデアル社(アメリカ)から発売された”Beat the 8 Ball”という作品。日本ではタカトクが『秀才コースゲームけいさん』というタイトルで発売し、幻の名作として中古市場で人気を集めていた。このがび、ボードゲームカフェ「JELLY JELLY CAFE」を運営するピチカートデザインが監修し、実に46年ぶりの復活となる。
中央から大玉(爆弾)を転がす。これが落ちきる前に自分のボールを発射して、大玉より先に落ちれば得点だが、ほかの人より後に落ちればより得点が高い。ところが大玉より遅れてしまうと減点になってしまう。大人から子供まで、ほかの人の動きを見ながらどれくらいギリギリまで粘れるかというチキンレースが楽しめる。
内容物:ファンネル、アタッチメント、レール、センターレール、スコアレールボムボール、プレイヤーボール4個(4色)、シール、取扱説明書
書籍『ユーロゲーム』9月30日発売、データDL可
ニューゲームズオーダーは9月30日、書籍『ユーロゲーム ― 現代欧州ボードゲームのデザイン・文化・プレイ』を発売する。著・S.ウッド、訳・沢田大樹&山本拓、A5判ソフトカバー350頁、3300円(税込)。事前予約すると全文PDFデータを即時入手できる。Kindle版は7月31日発売。
2012年にアメリカで出版されたボードゲームの研究書の翻訳。著者はオーストラリアの研究者で、博士論文を一般向けに書籍化したもの。タイトルにあるユーロゲームを中心に、ボードゲームを趣味として遊ぶホビーゲーミングの歴史と文化を扱う。
ユーロゲームといっても多様であるため漏れなく包括する定義ではなく、多くのものに見られる9つの特徴を挙げ、詳細に分析している。
①高品質な内容物、②具象的なゲームボード、③短くて比較的単純なルール、④お金や勝利点の相対的蓄積量を競う、⑤非対決的なメカニクス、⑥不完全情報、⑦個々人の達成を強調する歴史などのテーマ、⑧コントロール可能で軽減されたランダム要素、⑨1~2時間のプレイ時間
本書はゲーム研究に留まらない。Boardgamegeekユーザー調査からボードゲーム愛好者(ホビーゲーマー)の多くが「特定の知的レクリエーションに対して過大な関心を持つ、教育水準の高い男性」であると分析。必然的にコレクターになりやすいことを示す。そして最後に、プレイヤーはボードゲームのどこに「悦び」「快」を見出しているか、他人のそれと両立しないときにどう折り合いをつけているかを考察し、合理的プレイヤー・快楽主義的プレイヤー・社交的プレイヤー/プレイスタイルの分類を行っている。
訳者のひとりである沢田氏は今年、「ユーロゲームの誕生と消失」(『現代風俗学研究』第20号)という論文を発表しており、先日のゲームマーケットライブでは「ユーロゲームとは何か」という2時間の講義を行っているが、どちらもこの書籍を参照した内容で、ボードゲームという趣味に新しい視点を与えてくれる。