あ
アーティファクト artifact
文化遺物。考古学のゲームなどで登場する古代人が作った芸術品。
アイコン icon
特殊能力(→)などをテキストなしで表現するための記号。コンポーネント(→)の言語依存をなくすために使われることも多いが、かえってわかりにくいことも多い。例えば『トロワ』のアイコンはそのわかりにくさから「トロワ語」などと呼ばれる。
アクションポイント action point
限られた行動力を使っていくつかの選択肢を自由に選べるというルールにおける行動力。略して「AP」とも。『ティカル』など。ダウンタイム(→)が長くなりがち。
アクティビティ activity
「遊び」という意味で、勝敗があまり重要でなくゲームの体をなしていないゲームをポジティブに評する言葉。
アクティベート activate
ゲーム中の手続きで、休んでいるコマなどを活動状態にすること。『カタン:都市と騎士』など。
アナログゲーム analog game
電源の要らないゲーム全般の総称。非電源ゲームと同義。伝統ゲーム、モダンボードゲーム(→)、TRPG、TCGなどが含まれる。そのため、アナログゲーム⊃ボードゲームになる。
アブストラクトゲーム abstract game
①テーマのない抽象的なゲーム。②二人零和有限確定完全情報ゲーム(→)。どちらにも当てはまるものと、どちらかにしか当てはまらないものがありややこしい。
アメゲー ameritrash
マスやカードの効果が派手だったり、大事な決定がダイスで行われたりしてよくいえばダイナミック/ドラマチック、悪くいえば大味(→)なゲームのこと。ユーロゲーム(→)との対比で用いられる。
インスト instruction
ルール説明。正確・簡潔・分かりやすくというのは意外に難しい。慣れが必要。よりよいインストとは何かという議論は、愛好者間でよく挙がる話題のひとつ。
インスト勝ち instruction winning
ルールを説明した人がゲームの勝者となること。そのゲームに明るい人が、初めて遊んだ人より勝ちやすいのは当然のことだが、あからさますぎると興醒めとなり、ゲームの楽しさを損なうこともある。
インタラクション interaction
(プレイヤー間の)相互作用。ひとりの行動がほかの人の状況に影響を及ぼすこと。近年、エリアマジョリティや直接攻撃系(→)などで強すぎるものは好まれないが、弱すぎればソロプレイ(→)感につながるため、さじ加減が難しい。
インテリアに最適 fit for interior
コンポーネント(→)は美しいが、ゲームとしてはあまり面白くないことを表す婉曲表現。
ウヴェ様 Uwe the Great
ドイツのボードゲームデザイナー・ウヴェ・ローゼンベルクの作品をこよなく愛する人たちによる作者の敬称。
運ゲー game of chance
運の要素が大きくて考えるところが少ないゲームに対する蔑称。「所詮~じゃないか」
エーイージー AEG
アメリカ・オンタリオの出版社アルデラック・エンターテインメント・グループ(Alderac Entertainment Group)の略号。1993年創業。
エクスパンション expansion
拡張。人気ゲームなどに追加して遊べるルールやコンポーネントのこと。
エスディージェイ SDJ
ボードゲーム界で最も権威のあるドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)の頭文字をとって略したもの。ドイツ語だからといって「エスデーヨット」とは読まれない。
エヌエスブイ NSV
ドイツ・ニュルンベルクの出版社ニュルンベルガー・シュピールカルテン出版(Nürnberger Spielkarten Verlag)の略。1948年創業。
エラッタ errata
正誤表。日本語ルールの誤訳などが発見されたときに代理店が主にウェブで発表する。中には重大な誤りもあるため、エラッタを確認しておくのはもはや必須といえる。一次的には誤訳・誤植のことで、erratumの複数形。
エリアマジョリティ area majority
陣取りゲームのシステム。エリアにコマなどを置いていき、最も多く置いた人がそのエリアを取る。お互いに相手の出方を見て投入数を決めるため、インタラクション(→)が強い。
エンジョイプレイヤー casual player
勝敗にあまりこだわらず気軽に遊ぶプレイヤー。しばしば「エンジョイ勢」と称してガチプレイヤー(→)と対比され、その衝突は愛好者間でよく挙がる話題のひとつとなっている。
エンジンビルド engine build
各プレイヤーがそれぞれ自分の手元にリソース(→)を変換するカードを増やし、シナジー(→)で変換効率を上げていくメカニクス。『ウイングスパン』『レースフォーザギャラクシー』など。プレイヤーボードがある場合は「タブロービルド」とも。
オークション auction
競り。手番順にビッド(→)するもの、順番なしにビッドするもの、非公開でビッドして一斉にオープンするものなどさまざまな種類がある。90年代に多用されたが、経験による有利不利が大きく、リソースを分配する方法としてはワーカープレイスメント(→)やドラフト(→)に替わられつつある。
大味 flat taste
運次第で簡単に逆転できるなど大まかな展開で面白みに欠けること。
大喜利系 –
提示されたお題に対して、面白い回答をするゲームの総称。面白いかどうかは、親の主観や投票で決めることが多い。
重い heavy
①ルール・時間が長くたっぷり遊べること。「重量級」とも。②爽快感に欠けること。③大きい箱にコンポーネントがぎっしり詰まっていること。
重ゲー heavy game
重い(→)ゲームまたは重量級ゲームの略称。前者は「おもげー」、後者は「じゅうげー」と読む。
か
ガードレール guardrail
序盤でほぼ勝敗が決まるなど、ゲームがつまらなくならないように極端なプレイを制限するデザイン上の仕掛け。整いすぎるとかえってつまらないことも。
カウンティング counting
数え上げ。すでに出た札を覚えて、まだ出ていない札の予測に役立てること。
拡大再生産 extended reproduction
建設や農業などをテーマにしたボードゲームで、生産物を使って施設を増強し、生産の規模を拡大していくシステム。リソースマネージメント(→)と親和性が高い。もとはマルクス経済学の用語。
ガチプレイヤー dedicated player
勝敗にこだわってしっかり考えるプレイヤー。しばしば「ガチ勢」と称してエンジョイプレイヤーと対比されるが、エンジョイすることに関してより貪欲であるともいえる。
カット cut
カードをシャッフル(→)した後、別の人がランダムに山札を分けて一番上のカードを決めること。インチキがないことを示すため行われる。
紙ペン x and write
①紙とペンだけで遊べるゲーム。②ダイスやカードをめくった結果を同梱のシートに記入して遊ぶゲーム。ロール&ライト、フリップ&ライトともいう。
完全日本語版 Perfect Japanese Version
①パッケージ・ルール・コンポーネントのすべてのテキストが残さず日本語化されている日本語版(→)。②誤訳が一切ない日本語版。③誰でもルールを誤解せずに遊べる日本語版。
勧誘系ボードゲーム Boardgames for Solicitation
ビジネス書・啓発書に基づいて製作され、マルチビジネスやセミナーへの勧誘に使われるボードゲーム群。ボードゲーム愛好者から忌避され、ボードゲームサークルでは持ち込み禁止になっていることが多い。ただしそのステルス的利用方法が趣味としてのボードゲームと相容れないだけであり、書籍と同様、ボードゲーム自体に問題があるわけではない。
期待値 expected value
①サイコロなど確率によって変動するもので、計算の結果普通に見込まれる値。六面サイコロ2個合計の期待値は7。②未プレイゲームに対する楽しさ・面白さの見込み。評判がよいものは上がる。
ギミック gimic
仕掛け。コンポーネントの一部が立体で変形するようなもの。「このゲームは~がいい」
キモ essence
肝。そのゲーム一番の面白さや勝敗を決するポイント。「ここで競りをするのがこのゲームの~だ」
協議終了 agreed interruption
ゲームが破綻している、つまらない、ルールを間違えた、時間切れなどの理由で全員の合意のもと、ゲームを中断すること。
キングメーカー king maker
ゲームの最終局面で、勝利に絡まない人の選択によってキング=勝者が変わってしまうこと。一般にゲームの欠陥とされる。BGA(→)では、自分の順位を上げることを目指さないキングメーカー行為はすべきではないこととされている。
クソゲー shit game
つまらないゲームに対する蔑称。負け惜しみで用いられることもある。「こんなの~だ!」
クニツィアめ~ I lost, Knizia!
ドイツのボードゲームデザイナー、ライナー・クニツィア作品で特有のジレンマが悩ましすぎるときに発せられる感嘆の言葉。
クラマートラック Kramer track
ボードの外側を囲むように配置された得点トラック。ドイツのボードゲームデザイナー、ヴォルフガング・クラマーが『アンダーカバー』(1984年)で用いたことから名付けられた。ドイツゲームでよく用いられる。
ケーディージェイ KdJ
ドイツ年間エキスパートゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)のイニシャル。ドイツ年間ゲーム大賞の3部門の1つで、ボードゲーム中級者におすすめするゲームを選んでいる。もう1つの部門であるドイツ年間キッズゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)とイニシャルが同じだが、ゲーマーはこちらにあまり言及しない。
ゲーマーじゃんけん gamers’ rock-paper-scissors
グーチョキパーを一斉に出して少数派が勝つじゃんけん。少数派が同数の場合は、その間で強いほうが勝つ。多人数でスタートプレイヤーを決めるときに便利。
ゲーマーズゲーム gamers’ game
ルールが比較的多く、プレイ時間が長いゲーム。
ゲーム性 game elements
ゲームらしさ。その内容は戦略性であったり、勝敗がつくことであったり、単に楽しいことであったりとさまざまで曖昧なことも多い。この言葉を出すとゲームを評論した気になれるマジックワードでもある。「ゲーム性が高い」
ケンナー Kenner(独)
「愛好家」「通」「目利き」の意味で、初心者とゲーマーの中間層を指す。ケーディージェイ(→)のターゲット。
蹴る kick
クラウドファンディング「キックスターター」でプロジェクトに出資すること。未知のボードゲームを先行入手できる。
ゴーアウト系 go out
『大富豪(大貧民)』のように、手札をなくしたら上がりとなるカードゲーム群。
酷評問題 bad games reviewing
つまらないゲームをつまらないとウェブで書くこと。情報は多いほどよいという意見がある一方、売上を阻害する恐れもある。その是非は、愛好者間でよく挙がる話題のひとつ。
ご祝儀 gift money
同人サークルのデビュー作が、期待感や好奇心から未知の作品にも関わらず多めに購入されること。再版や第2作は売上が急減することもあり、思い上がりを戒める意味合いも含まれている。
後手有利 –
前の人の行動を見てから動向を決められたり、最後の決定打を打てたりするために後の手番の人ほど勝ちやすい状況。
好みは分かれそう not to everyone’s taste
ノットフォーミー(→)とほぼ同義。あまり面白くないことを表す婉曲表現としても用いられる。
コンポーネント component
ゲームの道具。カード、コマ、サイコロ、ボードなどの総称。「美しい~はドイツゲームの魅力だ」
コンボ combo
相乗効果をもったカードやアクションの組み合わせ。TCG用語で、ボードゲームでは『プエルトリコ』で有名になる。シナジー(→)と似ているが、勝敗に対してより決定的なニュアンスをもつ。「~を決める」
さ
サークル論 discussion on gaming group
ボードゲームサークルのあり方や運営方法、参加者のマナーについての議論。初心者論(→)とリンクしていることが多い。愛好者間でよく挙がる話題のひとつ。
作業 work
選択の余地がない単調な行動が続くこと。
猿プレイ hard replay
同じゲームを1日の間に繰り返し繰り返し遊ぶこと。オープンサークルでは運営上の観点から推奨されない場合がある。
シーモン CMON
2001年創業のシンガポールの出版社。当初はミニチュアゲームの会社で、社名はクール・ミニ・オア・ノット(CoolMiniOrNot)の略。2022年に日本支社が立ち上げられた。
シージーイー CGE
チェコ・プラハのチェコゲームズ出版(Czech Games Edition)の略号。2007年創業。
ジーエム GM
①ゲームマスター(Game Master)の略。司会が必要なゲームで進行役を務める人。②ゲームマーケット(Game Market)の略。東京で年2回、大阪で年1回開かれているイベント。
ジーエムティー GMT Games
アメリカ・カリフォルニアのボードゲームメーカー。社名は1990年に創業したGene Billingsley、Mike Crane、Terry Shrumのファーストネームのイニシャルから取られたが、MとTの人はすぐに辞めている。
仕事 duty
ゲームを盛り上げるために自分の得にならない行動をあえて取ること。トッププレイヤーの妨害など。
シナジー synergy
相乗効果。カードやアクションが組み合わせられることにより、単独の場合よりも強い効果を発揮すること。TCG用語由来で、コンボ(→)とほぼ同義。
しゃがむ crouch
先を見据えてトップや権利をあえて取らないこと。序盤でトップを取るとみんなから叩かれやすいため。
シャッフル shuffle
中身を見ないでカードを混ぜること。「切る」ともいう。下の方から何枚か取って上に移すヒンズーシャッフルが一般的だが、テーブルの上に何枚かに分けて並べてからまとめるディールシャッフル、2つに分けてカードをしならせ噛み合わせるリフルシャッフルなどがある。リフルシャッフルはよほど上手でないとカードを傷めることがあるため推奨されないことが多い。
収束性 convergence
ゲームが適度なタイミングで終わること。後半から終盤にかけて同じような展開の繰り返しにならないこと。「~が悪い」。
シュリンク shrink
ゲームを包む薄いビニール。未開封であることを表す。
正体隠匿 hidden traitor
各プレイヤーに配られる秘密の正体を、ゲーム中の振る舞いをもとに暴き合うゲーム。『人狼』『お邪魔者』など。
勝利点 victory point
ゲームの勝利条件となる点数。最も多いプレイヤーや、規定点に達したプレイヤーがその他の手持ちの多寡に関わらず勝利する。
初回特典 initial benefits
ルールの誤訳・表記ミスの隠語。第2版以降で修正される。
初心者論 discussion on beginners
初心者とは何か、初心者に勧めるゲームは何がいいかなどを議論すること。愛好者の間で定期的に挙がる話題の一つ。議論に参加するときは上から目線にならないよう気をつけよう。
新感覚 new sensation
これまでにないプレイ感。セールストークで使われることが多いが、どの点でこれまでにないのか、本当にこれまでにないのかはあまり確かめられておらず曖昧である。
ジレンマ dilemma
板ばさみ。2つの選択肢があって、そのどちらを取っても問題があること。ユーロゲームの醍醐味だが、マゾヒスティックな楽しみ方でもある。
白ブラス Brass: Birmingham
BGG(→)で1位にもなったウォレスの人気ゲーマーズゲーム。正式名称は『ブラス:バーミンガム』で、黒いパッケージの『ブラス:ランカシャー』と区別するためにこう呼ばれる。
人生ゲーム Game of Life
日本人なら誰でも知っているポピュラーなボードゲーム。メジャーであるがゆえに、『モノポリー』や『ウノ』と並んでユーロゲーム(→)/ドイツゲーム(→)と比較されやすく、運ゲー(→)と貶められることがある。
シンプル Simple
ルールが簡単で遊びやすいこと。セールストークとして用いられることが多いが、普段ゲームを遊ばない人にとっては難しく、ゲーマーにとっては物足りないぐらいであることも少なくない。
人類の勝利 Triumph of Mankind
収束性(→)の悪いクソゲー(→)を協議終了(→)せずにゲーム終了できたときの達成感を表す言葉。終盤はゲームを終わらせるという共通目的をもった協力ゲームと化していることを表す。
人狼 Werewolf
正体隠匿(→正体隠匿)の多人数ゲーム。ゲーマーによって好き嫌いが大きく分かれる。初日に第一印象で吊られた、議論が熱くなってキレたなどの事件のトラウマで嫌いになる人もいる。
スタートプレイヤー start player
ゲームが始まって最初に手番を行う人。ルールには「一番若い人」「一番最近ハワイに行った人」などの指定があるが、日本人はジャンケンで決めることが多い。「スタP(ピー)」「スタプレ」とも。
スタンドアローン stand alone
本体や基本セットなどが必要なく、そのパッケージ単独で遊べるゲーム。拡張セットと呼ばれるものの中にときどき存在する。
ストック stock
コマ置き場のこと。「コマは相手からではなく~から取ります」
ストラテジー strategy
中長期的戦略。ゲームの終盤を見据えて、序盤や中盤から行動を計画すること。
ストラテジーゲーム strategy game
戦略性のあるゲーム。ある程度先を読んで手を打つことが勝敗につながる。運の要素はその分だけ低くなるが、ないわけではない。
接待プレイ entertainment play
わざと勝利を譲って機嫌を取るプレイ。ビジネスではなく、初心者に楽しんでもらうことを目的として行われることもあるが、さりげなくしないと逆効果になってしまう。
セットコレクション set collection
色(数)あわせ。同じ種類または指定された組み合わせを揃えること。
ゼロサムゲーム zero sum game
誰かが得をすればその分だけ誰かが損をして、全員の利得の合計がゼロになるゲーム。特に2人用アブストラクトゲーム(→)を指す。
先手有利 –
早い者勝ちなどのため先の手番の人ほど勝ちやすい状況。
先手必勝 –
主にアブストラクトゲーム(→)で分析の結果最善手を打てば先手が必ず勝つことをいう。類:後手必勝
戦犯問題 war criminal problem
協力ゲームで負けた後、敗因が誰かに特定されて盛り下がる問題。奉行問題(→)と並んで協力ゲームに起こりえる弱点となっている。システムで防止しにくいため、参加者の心配りで解決するしかない。
洗面器 –
水を入れた洗面器に顔をつけて最初に顔を上げた人が負けというゲームのような、先に動いたら負けのがまん比べ。
戦利品 Loot
ゲームマーケットやフリーマーケットなどのイベントで行列に並ぶなど苦労をして手に入れてきた品物。もちろん略奪してきたものではない。
ソフトパス soft pass
順番に競り上げていくゲームで、いったんパスしても復帰できるルール。駆け引きが濃厚になる。
ソリティア solitare
一人用ゲーム。相手なしに独りで遊べるゲームやルール。
ソロプレイ solo play
独り遊び。インタラクション(→)が少ないために一人で遊んでいるような状態。ネガティブな意味で用いられる。「~感」
損切り loss cut
購入時より価格が下落したり、勝利点が見込めなくなったものを見切って売却すること。「処分売り」とも。証券用語。
た
ターン turn
①手番。1人がプレイする時間。「ずっと俺の~!」②ラウンド(→)と同義。
ダイス dice
サイコロ。六面体(立方体)のものが多いが、4面、8面、12面、20面などもある。もともとdie(ダイ)の複数形だが、単数でも用いられる。
タイブレイク tie break
同点のとき、誰が優勢かを決めるルール。これがない場合は同点優勝ということになる。
ダウンタイム downtime
ほかプレイヤーの手番中、何もすることがない時間。ドイツ語では「待ち時間(Wartezeit)」という。長すぎると退屈になる。
タクティクス tactics
戦術。状況に応じて臨機応変で適切な行動を選ぶこと。ストラテジー(→)が長期的な計画であるのに対し、短期的・当座的なものを指す。
卓分け –
サークルで遊ぶゲームごとにメンバーを分けること。ランダムにメンバーを分けてからゲームを選ぶ場合と、ゲームを選んでから希望者を募ってメンバーを分ける場合がある。
ダブルレイヤー double layer
二層式のゲームボード。2枚の厚紙を貼り合わせて枠やスロットを作り、ボード上に置いたコマやタイルがずれないようにする。遊びやすく所有欲を満たす反面、価格高騰の一因にもなっている。
チキン chicken
臆病者。先に降りたら負けのがまん比べで最初に脱落してしまう人を馬鹿にして言う。チキン野郎とも。「私は~でーす」
チキンレース chicken race
崖っぷちに向かってバイクを走らせ、先に止まったら負けというような度胸を試すゲーム。
長考 long thinking
手番にほかの人を待たせてじっくり考えること。長すぎると不快に取られることもある。どれくらいまで許容できるか・すべきかは、愛好者間でよく挙がる話題のひとつ。
直接攻撃系 –
ほかの人を指名して損害を与えることで進行するゲーム群。インタラクション(→)の極北。アメリカ製に多く、えげつないため好き嫌いが分かれる。
積みゲー –
購入したのに、諸事情により遊ばれないでそのままになっているゲーム。シュリンク(→)がついたままであることも少なくない。
ティーエムジー TMG
アメリカ・ユタ州にある出版社名。2009年から始動。テイスティー・ミンストレル・ゲームズ(Tasty Minstrel Games)の略称。2021年に事実上倒産した。
ティージーエム TGM
BGG(→ビージージー)など海外サイトにおける、東京ゲームマーケット(Tokyo Game Market)の略称。
ディーエルピー dlp games
ドイツ・ヘルツォーゲンラートにある出版社名。2008年創業。developing(開発)、licensing(ライセンス)、publishing(出版)の頭文字を取って社名にした。
テキスト系 text
カードに効果などを示すテキストがたくさん書かれたゲーム群。訳が大変。
適正人数
あるボードゲームをプレイするのに最もふさわしい人数。プレイ可能人数よりも範囲が狭く、◯人限定といわれることもある。BGG(→ビージージー)では投票が行われており、適正人数以外ではプレイしないというように、こだわる愛好者もいる。
デクスタリティ dexterity
手先の器用さ。正確におはじきを飛ばす、崩さないようにコマを積む、狙ったところにコマを投げ入れるなど、メインメカニクスにしているゲームも多い。
デッキ deck
山札になった一組のカードのこと。「デック」とも。
デッキビルド deck building
ゲーム中にカードを取得し、デッキ(→)を組み立てるシステム。『ドミニオン』で一躍有名になった。
手なり感 feeling of less choices
ゲーム中に選択肢が少なく、あまり悩まず進められること。「手なり」は麻雀で役よりも牌効率で早あがりを目指すことだが、「感」が付くとそうせざるを得ない感触で、マイナスの評価となることが多い。
転売 resale
人気の高いボードゲームを大量購入してネットオークションやアマゾンなどに出品する行為。その是非は、愛好者間でよく挙がる話題のひとつ。
ドイツゲーム German games
ドイツで制作されているボードゲーム。アメリカゲームとの対照で語られることが多く、運の要素が控えめ、インタラクションが間接的などの特徴をもつ。周辺国への拡大に伴い、「ユーロゲーム」(→)と呼ばれることが多くなった。
トゥーマッチ too much
ゲーマーズゲーム(→)で要素や考えることが多すぎて楽しくないこと。
同時プレイ simultaneous play
順番なしに早い者勝ちでプレイするゲーム。『ワードバスケット』など。
特殊能力 special ability
自分だけ得するようなルールの例外。カードなどによって得られ、テキスト系(→)になることが多い。「この~強すぎない?」
トークン token
しるし。ボード上でプレイヤーの状況を表すコマ。
ドラフト card drafting
カードを1枚ずつ選んで取っていく分配メカニクス。テーブルにすべて並べて取っていくロチェスタードラフト、手札から1枚選んで残りを隣の人に渡すピックアンドパス、それを全員同時進行で行う並行ピックアンドパスなどがある。
トリックテイキング trick taking
順番に1枚ずつカードを出し、一番強いカードを出した人が全部を取るというカードゲームのルール。さまざまな変形があり、スート、リード、トランプ、マストフォロー(→)などの専門用語も多い。
〇〇ドリブン x-driven
あるものによってボードゲームが駆動すること。あるものとは、ボードゲームを動かすエンジンのイメージで、カード、ダイス、アプリ、シナリオなどがある。
ドロー draw
山札(→)からカードを引くこと。
な
2D6 2D6
六面体ダイスを2つ振った出目の合計値のこと。面数・個数を変えて4D6、2D8などの表現もある。
日本語版 Japanese version
海外ゲームのパッケージ・ルール・コンポーネントの全部または一部が製造時から日本語になっているもの。後から日本語ルールを付ける「日本語訳付き輸入版」とは区別される。完全日本語版(→)という表現もある。
日本語ロゴ Japanese logo
日本語版パッケージについている日本語タイトルロゴ。デザインに関して否定的な意見が多い。愛好者間でよく挙がる話題のひとつ。
ネタバレ spoiler
謎解きゲーム、脱出ゲーム、レガシーゲーム(→)などで一度遊んだ人がまだ遊んでいない人に答えをばらすこと。
ノットフォーミー Not for me
面白いゲームだというのは理解するが、自分には合わないという評価。作者を怒らせないでネガティブ評価したいときなどに用いる。略号NFM。ベテランの「初心者におすすめ」や、男性ゲーマーの「女性におすすめ」など、自分が属さない集団におすすめするのも同義であると解釈できる。
ノンリプレイ non-replay
同じゲームを繰り返し遊ばないこと。たいていは遊びたいゲームが多すぎることに起因するが(消極的ノンリプレイ)、初回が一番楽しいという理由や、サークル運営上の観点から意図的に行われること(積極的ノンリプレイ)もある。
ノンプレイ non-play
ゲームを遊ばないこと。たいていは遊ぶ時間・仲間がないこと起因するが、ルールを読むだけで満足という理由から意図的に行われることもある。「脳プレイ」とも。
は
バースト burst
破裂。数が一定数を超えるなどして手番が強制終了すること。英語圏では「バスト(bust)」と呼ばれる。「つい欲張って~してしまった」
パクリ問題 plagiarism
既存のボードゲームの類似品が発売されるときに起こる議論。類似の程度や制作の経緯によって見方が変わる。愛好者の間で定期的に挙がる話題の一つ。
はげたかもどき Hol’s der Geier style
各自がカードを出して一斉にオープンし、バッティング(→)していたらダメというタイプのカードゲーム。ゲームマーケットで跡を絶たない。
パス pass
①手番に何もしないで次の人に手番になること。②手持ちのものを誰かにわたすこと。
罰ゲーム punishment for loser
負けた人に与えられるペナルティ。純粋なゲームを楽しみたい愛好者からは賭けと同様に忌避される。
バッグビルド bag building
ゲーム中にバッグの中からチップなどを引き、アクションを行うシステム。『オルレアン』で有名になり、『クアックザルバー』でも用いられた。
バッティング butting
衝突。同じ数字が出たりして均衡すること。両者無効となるゲームが多い。「ここで~したら困るな」
バリアント variant
ゲームをやりこんだ人が、同じ用具で一風変わったゲームを遊ぶための変更ルール。
ハンドマネージメント hand management
手札管理。手札のカードをやりくりすること。
ビージーエー BGA
オンラインボードゲームサイトBoardgame Arenaの略。数多くのボードゲームが無料でオンラインプレイでき、日本人参加者も多い。
ビージージー BGG
世界中からゲーマーが集まるボードゲーム情報サイトBoardgame Geekの略。アメリカのゲーマー寄りではあるが、ここでのランキングは面白さの一定の指標となる。
ピック・アンド・デリバリー pick and delivery
集荷と配達。商品などを運んで目的地に届けるというゲームのタイプ。
ビッド bid
入札。競りゲームで値段を宣言して応札すること。
ピュアユーロ pure euro
特殊能力やカードテキストを用いず、インタラクション(→)を使ってシンプルにジレンマを生み出すゲームデザインのこと。90年代のドイツゲームを典型とする。
ブースト boost
加速。設備を増強するなどして能力を高めること。「今回は~が遅かった」
ファミリーストラテジー family strategy
戦略性があるが、時間はそれほどかからず、普段あまり遊ばない人でも楽しめるゲーム。90年代のドイツゲームを典型とする。
フィラー filler
空き時間を埋める(fill)ぐらいの極めて短時間で遊べるゲーム。次のゲームが始まるまでの待ち時間や、長時間ゲームを始める時間がもうないときなどに出されることが多いが、難しいゲームよりもこちらを好む人も多い。
フェイズ phase
段階。ゲーム、ターン(→)、ラウンド(→)の区切り。
奉行問題 alpha player problem
協力ゲームで、経験やスキルの高い1人のプレイヤーが仕切りすぎて、ほかの人が楽しめなくなる問題。システムで防止するゲームも増えている。
不思議な mysterious
革新的すぎてゲームのキモがつかめないこと。あまり面白くないことを表す婉曲表現としても用いられる。
二人零和有限確定完全情報ゲーム
2人用で、どちらかの利得がそのまま相手の損害となり、有限手番で終了し、ランダムな要素がなく、全ての情報が公開されているゲーム。チェス、囲碁、将棋、ツィクスト、ギプフなど。アブストラクトゲーム(→)。
ブラフ bluff
はったり。適当なことを言って相手をだますこと。
プレイアビリティ playability
遊びやすさ。ルールやコンポーネント(→)に不備がなく、ストレスを感じないで遊べること。
プレイスペース play space
ボードゲームとテーブル・椅子があり、時間貸しで遊べるお店。ボードゲームショップのコーナーになっているところから、ボードゲーム販売のないところまであり、飲食店の営業許可は取得していないが、ペットボトル・駄菓子などを販売していることもある。飲食店ではないため、風営法の接待規制は受けない。
プロット plot
筋書き。将来の行動を予め順番に決めておくこと。プログラミングともいう。『ロボラリー』など。
分析麻痺 Analysis Paralysis
ゲーマーズゲーム(→)で先が見えすぎていたり、選択肢が多すぎたりして決断できない状態。ダウンタイム(→)が延びる原因となる。
ヘイトドラフト hate drafting
ドラフト(→)のあるゲームで、自分は不要だが次に取る人がほしいもの・有利になりそうなものを取ること。TCG用語。
ベット bet
賭け。ギャンブルゲームで何らかの選択にお金を出すこと。「ビッド(→)」と混同して「ビット」などと言ってしまいがち。
ボイド void
空所。トリックテイキングゲーム(→)であるスートを1枚も持っていないこと。「スート枯れ」とも。切り札を出せるようになって強い。
ポイントサラダ point salad
得点の獲得方法が多岐にわたり、しかもそれらが混在・併存しているゲームシステム。最適な組み合わせを見つけ出すのが難しい分やりこみ甲斐があり、近年のトレンドとなっている。『アグリコラ』『ブルゴーニュ』『テラミスティカ』など。
ボードゲームアイドル boardgame idle
①ボードゲームをテーマにした楽曲をメインに歌うアイドル。②ボードゲームに詳しくボードゲーム会などを開いているアイドル。③ボードゲームのイメージだけでプロデュースされたアイドル。
ボードゲームカフェ boardgame cafe
①メインコンテンツとしてボードゲームがあり、かつ飲食店の営業許可を取得している飲食店。社交飲食店の許可を取らない限り、店員はルール説明のみで、一緒に遊ぶことができない。②その他のコンテンツが併存するか、飲食店の営業許可を取得していないけれども、「ボードゲームカフェ」を名乗っているお店。プレイスペース(→)との境界は曖昧である。③レンタルスペースや公民館などの場所を借りて定期的・単発で行われるボードゲーム会・ボードゲームイベントの中も「ボードゲームカフェ」を名乗っていることがある。
ポチる –
ネット通販で購入のボタンを押す。気軽に買えるため、ついつい買い過ぎてしまうのがゲーマーの性。買い過ぎに注意しよう。
没入感 immersion
ゲームが描く世界観にすっかり入り込み、登場人物になりきっている感覚。ゲームの評価基準のひとつ。
ま
マストバイ you must buy
「あなたはこれを買うべき」。高評価のときに用いられるが、そう言っている人のプレイ経験や使用頻度も加味するべき(何でも面白いのかもしれない)。
マストフォロー must follow
トリックテイキングゲーム(→)で最初に出されたカードと同じ色があれば必ず出さなければいけないルール。対義語はメイフォロー。
マルチ multi
マルチプレイ(ヤー)ズゲームの略称。複数、特に3人以上で遊ぶゲーム一般を指すが、この呼称が流通した時代背景から、直接攻撃系(→)のゲームを指すことが多い。マルチ商法とは無関係だが、イメージが悪いためあまり用いられなくなった。
ミープル meeple
『カルカソンヌ』などで用いられる各色の人型木製コマのこと。アメリカ人のA.ハンセル氏が2000年、「マイ・ピープル(my people)」を合成して造語したのが最初とされる。
ミゼール miser(羅)
不幸。通常とは反対に獲得するほど負けになってしまう系統のルール。
メカニクス mechanics
技法。ゲーム構造、ターンオーダー、アクション管理など、ゲームを構成する原理。「メカニズム」「システム」と呼ばれることもある。『ゲームメカニクス大全』では184のメカニクスが挙げられているが、網羅するものではない。
モジュール module
区分。拡張セットに複数入っており、1つだけでも、好きなものを選んで組み合わせても加えることができる。
モダンボードゲーム modern board games
ドイツゲーム(→)/ユーロゲーム(→)を地域不問にした総称。「モダン」は制作年代ではなく、初期の脱落がない、プレイ時間が適切、ダイスを振って進むだけではない、テーマがある、システマチックであるなどの特徴をもつものを意味する。『リスク』『モノポリー』『人生ゲーム』『クルー』などは除外される。
や
ユーロゲーム eurogame
ドイツを中心とするヨーロッパで制作されているボードゲーム。ドイツゲーム(→)のエリアを拡大したものだが、次第に生産地ではなくスタイルを表すようになり、「ユーロスタイルゲーム」などとも呼ばれる。一般的にテーマ性が高い、誰でも遊べる、運の要素が控えめ、途中で誰も脱落しない、コンポーネントにテキストが少ない、メカニクスが新しいなどの特徴をもち、デザイナー名が大きく記載されていることが多い。
妖怪いちたりない
リソースマネージメント(→)ゲームで、リソースが1つだけ足りないために目標が達成できない状況を、妖怪の仕業にするもの。TRPGではダイス目が1足りない現象をいう。
ら
ランダム at random
無作為。意図的に選ばないこと。じゃんけん、くじ引き、ダイスなどで決める。
ラウンド round
回。通常、全員が1回(または決められた回数)の手番を行って1回と数える。
ラミー系 rummy
セットコレクションが主な目的のゲーム群。『麻雀』など。
リソース resource
資源。建設ゲームなどで成長していくために必要な部材。これらを揃えながら貯めて建設や発展を行う。『カタン』の羊・土・麦・鉄など。名声や魔力など、物資に限らない。
リソースマネージメント resource management
資源管理。何種類かある資材を、必要なだけ揃えて、建物や得点などにするゲームのシステム。『カタン』『プエルトリコ』など、多くのドイツゲームで用いられている。
リファレンス reference
参照。ルールなどを箇条書きにまとめたもの。複雑なゲームではこれを作っておくとプレイアビリティ(→)が上がる。「サマリー」とも。
リプレイ replay
①実際の進行を再現したレポート風のゲーム紹介。②同じゲームを繰り返し遊ぶこと。
リプレイアビリティ replay value
繰り返し遊べること。ゲームの展開が多様であったり、時間が短かったりして何度も遊べること。
リメイク remake
作り直し。デザイナーまたは出版社が、過去に発表した作品をアートワーク・テーマを変えたり、バランスを調整したりして再発売すること。ボードゲームギークでは、新版でなくて別作品になった場合、「リインプルメント(reimplement)」と呼ぶ。デザイナーも出版社も異なる場合は「インスパイア」「リビルド」「オマージュ」、あるいは「盗用」ということも。
リプレイアビリティ replay value
繰り返し遊べること。ゲームの展開が多様であったり、時間が短かったりして何度も遊べること。
レガシー legacy
プレイヤーの選択やゲームの結果によってカードを破ったりシールを貼ったりするなど、コンポーネントを不可逆的に加工し、次の内容が変化するゲーム。新品を買い直さない限り、基本的に一度しか遊ぶことができない。『リスク・レガシー』(2011年)に端を発し、『パンデミック・レガシー』(2015年)で一躍有名になった。
ロンデル rondel(仏)
円環。環状になったマスを一方向に移動して行動を決めるメカニクス。長い移動はコストがかかるようになっていて、用意されたアクションを満遍なく行わなければならない。『古代』などM.ゲルツが得意としている。
わ
ワーカープレイスメント worker placement
定数が限られたマスにコマ(ワーカー)を置いてアクションを選択するシステム。コマが置かれたアクションはもう選べないため先に取った者勝ちになる。『ケイラス』以来、00年後半のゲームで流行した。「ワカプレ」「ワープレ」と略されることもある。
和訳警察 mistranslation police
日本語ルールに誤訳がないかをパトロールしており、見つけ次第大きく報じる親切な方々。デザイナーのカタカナ表記に敏感な「表記警察」もいる。
和訳公開論争 discussion on public translation
輸入ゲームのルール日本語訳をネットに公開することの是非に関する議論。転売(→)論争と関連する。愛好者間でよく挙がる話題のひとつ。
ワンチャン one chance
「ワンチャンス」の略。可能性は高くないが、うまくいけば逆転できるので賭けてみる価値はあるということ。麻雀からの転用。「こりゃ~あるで」
ワンパン one punch
「ワンパンチ」の略。1回の攻撃、または1回の攻撃だけで決着がついてしまうこと。少年漫画からの転用。