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フランス年間ゲーム大賞2010に『イダンティク』

3月4日、カンヌ国際ゲーム祭にて、フランス年間ゲーム大賞が発表され、『イダンティク(Identik)』が大賞に選ばれた。2月中旬に『シャドウハンターズ』などノミネート11タイトルが発表されていた。
『イデンティク』はアメリカのブレインコッグ社が発売した『描写(Portrayal)』のヨーロッパ版。親が描いた絵を見て、みんなが絵を描いた後、予め決められていた基準を公開し、それに合う絵に得点が入るというお絵かきパーティゲームである。
例えば「びっくり箱」というお題であれば、出てきた人形に指がある、バネが時計回りなどの基準がある。絵を描き終わったら、絵を交換しあって採点する。言語依存、文化依存度が高く、日本ではそのまま遊びにくい。
フランス年間ゲーム大賞は昨年『ディクシット』を選んでおり、2年連続のパーティゲームとなった。キッズゲーム部門では『オオカミと七匹の子ヤギ(Cache Moutons)』、特別賞に『スモールワールド(Small World)』が選ばれている。
TGW:フランス年間ゲーム大賞2010ノミネート

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11ニムト(11 nimmt!)

じっくり考えてバースト回避
順番に1枚ずつ、手札を場に出す。出し方は前に置かれているカードの数字より+1〜+10まで。+11以上しかなくて出せなかったら場札を引き取って手札に入れる。バーストするたびに場札は1つずつ増え、出せるカードも増える。そして最初に手札を出し切った人の勝ち―。
発売16年、日本語版も発売されている人気カードゲーム『ニムト(6ニムト)』の姉妹編として、今年発売された『11ニムト』はシンプルなバーストゲームである。『ニムト』のような盛り上がりはないが、その分じっくり考えさせる。
『ニムト』は一斉に出すが、『11ニムト』は順番に出すので、その後が読みやすい。バーストしないようにするには、次の手番に自分が出せるような布石を打っておくのがよい。例えば数字が近いカードが続いていれば、下から出す。そうすればほかの人が出さなかった場合、自分がその次を出せる。また、場に似たような数字が複数あるときは、そこに出せるカードを後回しにする。次の手番もそのままになっている確率が高いからだ。
もちろん、この戦略だけではないし、戦略がいつも成功するとは限らない。戦略をいろいろ考えたくなるのは『ニムト』のようだが、手番順があることで先が読みやすく、戦略が実りやすい(『ニムト』の戦略は、じゃんけんの攻略法みたいなものである)。手札の構成と場札の状況を見て、ベストな選択をしたい。
残り2枚になったところでバーストし、取った札を覚えられてしまった。でもその札を先に出し、もう1枚はどうにも防ぎようがなくなって勝利。上記のような戦略が奏功したのが嬉しい。箱の基調である水色のイメージ通り、クールなゲーム。『ニムト』と比べて盛り上がらないというのは、欠点ではない。
11 nimmt!
W.クラマー/アミーゴ(2010年)
2〜7人用/8歳以上/30分
メビウスゲームズ:11ニムト