『ドミニオン』ニュース2010
リオグランデ社はホームページのニュースで、2010年に『ドミニオン』の拡張を2タイトル発売予定であることを明らかにしている。
そのうちの1つ目の詳細がニュルンベルク国際玩具見本市で発表になった。タイトルは『ドミニオン:錬金術』(Dominion: Alchemy)。12種類の王国カードと、新しい財宝カードであるポーションで150枚のカードが入っており、箱のサイズも半分になる。
デザイナーのD.ヴァッカリーノによれば、外国のゲーム市場では小さい拡張が望まれているという声を受けて、これまでの半分のサイズで発売することになったという。
内容については明らかにされていないが、発売は4月ごろになりそうだ。Boardgame Geekのメーカーリストにホビージャパンが載っていることから、日本語版も発売されると見込まれる。
2つ目はタイトルが『ドミニオン:繁栄』(Dominion: Prosperity)であると発表されているが、詳細は明らかにされていない。発売は10月のエッセン国際ゲーム祭以降と予想される。
このほかに、プロモーションカードとして「へそくり(Stash)」というカードが制作されている。ドイツ年間ゲーム大賞の受賞を記念するアクションカードで、2金分の財宝になり、シャッフルのとき山札の好きなところに入れられるという効果を持っている。裏面にはドイツ年間ゲーム大賞のロゴがついており、どこに入っているか一目で分かるという仕組みだ。
イラストのコインにはドイツ年間ゲーム大賞の審査員の顔が入っている。ドイツ語版はすでに7000セット印刷されており、ドイツに5000、スイスに2000が送られるという。英語版その他の配布方法は未定。
追記:このプロモーションカードは、3月12日にホビージャパンから発売予定の書籍『ドミニオンへの招待』の特別付録となっている。
・Boardgame Geek:Dominion: Alchemy
・Boardgame Geek:Dominion: Prosperity
・Boardgame News:Dale Yu: Busy Week at Work – Dominion Releases – Sherlock Holmes Style Puzzle
・Rio Grande Games:Dominion Stash Card
原始の生活(Jäger und Sammler)
先の先を読んでマンモス狩り
どんどんなくなっていく足場に気をつけて、食料や装飾品を集めるボードゲーム。R.クニツィアがアミーゴから発売する大箱ボードゲームは、『ツタンカーメン』(1993年)、『メディチ』(1995年)以来15年ぶりのこと。しかもアミーゴ初の正方形大箱(コスモスやツォッホのサイズ)で期待を寄せていた。その期待に違わず、シンプルながら奥の深いゲームであった。ただしゲームは完全な新作ではなく、昨年にアメリカから発売された『ゾンビゲドン』のリメイクである。
ゲームは春と冬に分かれる。春のタイルをボード上に並べ、4ヶ所の春のスタート地点にコマを置いてスタート。手番には2回移動できて、1つのコマを2マス進めてもよいし、2つのコマを1マスずつ進めてもよい。そして移動前のタイルを取る。
タイルには、得点がついている食料(1〜3点)と、得点が付いていない装飾品(同じ種類を集めれば集めるほど得点アップ!)、武器、そしてマンモス(4〜8点)がある。マンモスタイルには武器を持っていないと入ることができず、武器を捨てて代わりに取る。
移動の途中で、4ヶ所ある冬のスタート地点に立ち寄らなければならない。立ち寄れないと、その分だけ後半のコマが減る。すでにタイルが取られたマスには入れないので、後れを取ると足場がなくなって立ち寄れなくなってしまう。石畳(通過してもなくならない)や洞窟(ワープ!)の位置をよく見てルートを確保しておきたい。
みんな移動できなくなると春が終わり、冬になる。空いているマスに冬のタイルを並べ、春に寄っておいた冬のスタート地点からスタート。冬は武器が減って、マンモスが増えるので、春のうちに武器を蓄えておかないと苦しい。
同じことを繰り返して、冬が終わったらゲーム終了。冬の間も、再び春のスタート地点に立ち寄ると得点になる。それまで獲得したタイルを公開して合計の多い人が勝ち。
足場はどんどんなくなっていくので、どこを優先的に取るかをじっくり考えないとすぐ行き詰まる。ほかの人のコマの動きをよく見て、スタート地点までのルートやマンモスを先に取られないように注意しよう。
洞窟を上手く使って効率的に集めたcarlさんの勝利。tomokさんと私は1箇所スタート地点に行きそびれて、3位と4位。目先の得点に惑わされない大局観をもっともつとよかったが、それに気づいたのは冬になってからだった。
ほかの人の動きによって手番の選択肢は変わるものの、獲得したタイル以外は全て公開情報で運の要素はないので、先の先の状況を読む力が求められる。やることは単純だが、考え始めると実に奥が深い。『オイそれはオレの魚だぜ!』や『砂漠を越えて』のようなゲームが好きな方に。
Jäger und Sammler
R.クニツィア/アミーゴ(2010年)
2〜4人用/10歳以上/45分
(写真の上にマウスを置くと、終盤の場面に変わります。)