ドンキホーテ(Don Quixote)
次はここに来て!
下級貴族だったドンキホーテが、騎士道物語を読んで自分の国の街づくりを妄想する。道をどうつないで、どこに騎士を配置するか? 若手ドイツゲームデザイナーとしてコンスタントに作品を発表してきたR.シュタウペの今年の新作。
マイボードに自分のタイルを配置していくタイプのゲーム(『テイクイットイージー』『シティーズ』)で、ほかの人とは得点だけを競う。タイルは、出てくる順番が異なるだけで、構成はみんな同じ。全体的な計画と、臨機応変な対応でライバルに差をつけよう。
ラウンドの最初に、自分のタイルから決まった枚数をめくる。座標カードを1枚ずつめくると、タイルをどこに置くかが指定されるので、めくったタイルから1枚選んで置く。めくったタイルがなくなったら得点計算。次のラウンドのタイルをめくって、また座標カードに従って1枚ずつ配置する。3ラウンドで全部のタイルを配置し、最後の得点計算をして、得点の多い人が勝ち。
得点パターンはいくつかあって、まずお城からつながっている道に騎士がいれば得点、それと道続きの風車、道続きの教会は多ければ多いほど得点が増える。そして国防。ボードの外縁に騎士を配置していれば、外敵から国を守っていることになる。この騎士が一定数いれば得点。このほかに最終ラウンドには、道続きで一番多くつながっている騎士が得点になる。
できればどのパターンでも得点を重ねたいが、そう上手くはいかない。タイルを配置する座標は完全にランダムだし、めくっているタイルの中から選ばないといけない。「今あの座標が出てくれたら、このタイルを置いて最高なんだけどな」と思っても、全く別の座標が出てくる。座標カードをめくるたびに、小躍りしたりため息をついたりで(ため息のほうが多い)。まるで抽選会のようだ。
序盤はそんなふうに先が読めないけれども、終盤になるほど残りのタイルと空きマスが減ってくるので、ある程度の見通しは立てられる。特に騎士は3種類の得点パターンがあるため、どれがベストかよく考えておきたい(すでに手遅れでなければの話だが……)。
風車が序盤からよくつながったのと、6点の建物と国防の騎士がうまくマッチしたのとで1位。それぞれ別のマイボードに取り組んでいるのに、同じ座標で一喜一憂するところに連帯感を感じた。
Don Quixote
R.シュタウペ作/ペガサスシュピーレ(2010年)
1〜4人用/8歳以上/20分
アンケート:個人輸入
Q.33:ボードゲームを海外から個人輸入したことがありますか?(2010年2月)
A.何度もある 56票(34%) | |
B.1、2度ある 24票(14%) | |
C.ない 85票(52%) |
日本のショップでは手に入らなかったり、入手が難しかったりすることはよくあります。かつては高い手数料で銀行振り込みしかなかった支払い方法もペイパルやクレジットカード決済で簡便となり、さらにドイツアマゾンの登場で敷居はぐっと下がりました。アンケートでは約半数の方が個人輸入経験者で、3人に1人が何度もしていると回答。個人輸入のゲームが広く流通している様子です。とはいえ、翻訳が付かない、欠品や破損などトラブルの対応は自分でしなければならないなどのリスクもありますから、利用の際は十分なご注意を。
3月のアンケートは、ネットオークションの利用についてです。現在ヤフオクなどで盛んにボードゲームが出品されていますが、どれくらい利用されているかをお尋ねします。トップページ右に「Q」というボックスがありますのでこちらから回答をお願いします。