自宅ゲーム会
ゲームマーケットでレアゲームをたくさん出展し、会場の話題をさらった輸入中古専門ショップnight flight spiele(ナイトフライトシュピーレ)の三隅さんがご家族で遊びにいらっしゃった。ぶどう狩りをしたり、そばを食べたりしながら、ショップや海外メーカーの話をして、三隅さんが持ち込んだ珍しいゲームを遊ばせてもらう。
三隅さんは古いボードゲーム好きが高じて中古専門ショップを開いたという方で、当サイトでもときどき、古いゲームを紹介したときにコメントを頂いていた。ゲームマーケットでお会いして意気投合し、未知のゲームを持って遊びに来て下さいとお誘いしたところ、このたび実現の運びとなった。night flight spieleのインタビューも行ったので後日掲載予定。
古いボードゲームの素朴なシステムと、コンポーネントの質感。ボードゲームをたくさん集め出したのは、こういった魅力にひかれてのことだった。このところ新作ラッシュで見失っていたものを再発見できたような気がする。
・お祝いしましょ(Wir feiern ein Fest)
タイルの位置を交換して、同じ絵柄がつながるようにするW.クラマーのパズルゲーム。つながればつながるほど得点が高いが、次の番に相手がさらに高得点を取ってしまうかもしれない。そこにゲーム性が生まれる。(Piatnik, 1994)
・アゴラ(Agora)
段差のあるボードで、相手の駒を全て取るフランスの2人用アブストラクトゲーム。上の段からだと無条件で取れるが、下の段からだと下に潜り込んで革命ができるルールのため、近づけば一触即発状態。一回取り始めると一気にゲームが終盤に向かうので、先の先の先を読まなければならない。(Strate & J, 1996)
・フラワーパワー(Flower Power)
囚人のジレンマの原理を使ったレースゲーム。プレイヤーを指名し、2人がそれぞれ太陽か星のカードを出す。太陽と太陽は1マス・1マス、月と月は2マス・2マスだが、太陽と月は3マス・0マスになる。目標は花をたくさん集めてゴールすることなので、止まりたいマス・止まりたくないマスで読み合いがある。さらに順位を予想するので「ここはウィンウィンで」とかいって思惑が全く違うのが面白い。(Glücksritter Spiele, 1998)
十字軍の王国(The Kingdoms of Crusaders)
1本の剣が勝敗を分ける
ロシアのライトゲームズが英語版を制作したカードゲームは、『エボリューション:種の起源』など4タイトルがある。その1つがこの『十字軍の王国』。美麗なカードを使った2人用カードゲームである。
2人は向い合って5つのエリアにカードを出し、相手より強い役を作ることを目指す。『バトルライン』のようなゲームだが、もっと直感的だ。カードには槍、弓、剣、ヘルメット、旗の5つのマークがいろいろな組み合わせでついており、同じマークが揃えば揃うほど強い。
各エリアには4枚ずつ、合計20枚出した時点でゲーム終了。エリアごとに、同じマークがいくつ揃っているかを比べる。4つ揃ったマークの数が多い方、同じならマークの強い方、また同じなら3つ揃ったマークの数が多い方、またまた同じならマークの強い方……というように比べていく。
これだけだが、駆け引きは熱い。相手の出したカードと、自分の手札を見比べながら、1枚1枚、どのエリアに置くか悩む。ときには1エリアを諦めて不要なカードを捨てる場にするのも必要だが、それを相手に悟られないよう、勝つ気を見せたカード配置をしなくてはならない。
康さんと1戦。カードの引きもよくて3対2で辛勝。ライトではあるが、1枚を置くタイミングが勝敗を分けるシビアなゲームだった。2セット買えば、4人まで遊べるという。
The Kingdoms of Crusaders
D.ゴリノフ、S.マーチン/ライトゲームズ(2007年)
2人用/12歳以上/30分
Right Games: The Kingdoms of Crusaders