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ドイツ年間ゲーム大賞2021ノミネート

ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)選考委員会は本日、3部門についてノミネート作品と推薦リストを発表した。赤いポーンの年間ゲーム大賞、青いポーンの年間キッズゲーム大賞、灰色のポーンの年間エキスパートゲーム大賞の3部門について各3タイトル、合計9タイトルがノミネートされた。ノミネート作品の中から、赤と灰色のポーンは7月19日にベルリンで、青いポーンは6月14日にハンブルクで大賞が発表される。

昨年から続くコロナ禍で、エッセン・シュピールもニュルンベルク・シュピールヴァーレンメッセも中止という中で発売された新作から、例年通り約300タイトルをプレイして評価。審査員はデジタルプラットフォームでプレイを行い、zoomで情報を交換してきた。パンデミックの中で制作されたためかルールブックの不備が目立ったというが、デザイナーや出版社が言語・役割・イラストで人種や性別の多様性を考えるようになったことを歓迎している。

メインである年間大賞(赤)にノミネートされたのは、ストーリーブック付き探索ゲーム『ロビンフッドの冒険』、ウォーリーをさがせ風探偵ゲーム『ミクロマクロ:クライムシティ』(日本語版はホビージャパンから発売済)、レガシー要素のある救出ゲーム『ゾンビティーンズ:進化の鼓動』(日本語版はすごろくやから発売予定)。3タイトルとも協力ゲームとなるのは史上初。コロナ以前からのトレンドではあるが、物語体験を共有できるキャンペーン型の協力ゲームに注目すべき作品が増えているという。

経験者向けであるエキスパートゲーム大賞(灰色)のノミネートには、ワーカープレイスメント&デッキビルドの探索ゲーム『アルナックの失われし遺跡』、ユニークカードのコンボゲーム『ファンタジー・レルムズ』、旧石器時代のサバイバル協力ゲーム『パレオ』の3タイトル。いずれも日本語版が発売されている。キッズゲーム大賞(青)には、タイルをつなげて卵を産む『ドラゴミノ』(日本語版はテンデイズゲームズから発売予定)、ストーリーテリングゲーム『ストーリーテイラー』(日本語版はすごろくやから発売予定)、モンタージュ写真の記憶ゲーム『名探偵ミア・ロンドン』(日本語版はすごろくやから発売済)がノミネートされた。

ノミネート作品9タイトル中、日本語版が発売済み・発売予定のものは8タイトル。推薦リストでは『ポイントサラダ』、『イーオンズエンド』、『バラージ』の日本語版が発売されている。

【年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)ノミネート】
ロビンフッドの冒険(Die Abenteuer des Robin Hood)
ゲームデザイン&イラスト・M.メンツェル
出版社・コスモス、2~4人用、10歳以上、60分


ミクロマクロ:クライムシティ(MicroMacro: Crime City)
ゲームデザイン・J.ジッヒ
イラスト・J.ジッヒ&D.ゴル&T.ヨヒンケ、出版社・シュピールヴィーゼ出版+ペガサス
1~4人用、10歳以上、15~45分


ゾンビティーンズ:進化の鼓動(Zombie Teenz Evolution)
ゲームデザイン・A.ロベ
イラスト・ニカオ、出版社・スコーピオンマスク
2~4人用、8歳以上、20分


推薦リスト:ビス20、チャクラ、ポイントサラダ、スイッチ&シグナル、ザ・キー:ラマランドからの脱出

【年間エキスパートゲーム大賞(Kennerspiel des Jahres)ノミネート】
アルナックの失われし遺跡(Die verlorenen Ruinen von Arnak)
ゲームデザイン・ミン&エルウェン
イラスト・J.クス&O.フルディナ&J.ポリツァー&F.セドラツェク&M.バブロン
出版社・チェコゲームズ出版+ハイデルベアゲームズ
1~4人用、12歳以上、プレイ人数×30分


ファンタジー・レルムズ(Fantastische Reiche)
ゲームデザイン・B.グラスコ、イラスト・オクトグラフィックス
出版社・ストローマンゲームズ
2~7人用、14歳以上、20分


パレオ(Paleo)
ゲームデザイン・P.ルステンマイアー、イラスト・D.マイヤー
出版社・ハンス・イム・グリュック
1~4人用、10歳以上、45~60分


推薦リスト:イーオンズエンド、リフトフォース、グルームヘイブン:獅子のあぎと、バラージ

【年間キッズゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)ノミネート】
ドラゴミノ(Dragomino)
ゲームデザイン・B.カタラ&M.フォー&W.フォー
イラスト・M.ダ・シルヴァ&C.ドゥシャンプ、出版社・ペガサス
2~4人用、5歳以上、15分


ストーリーテイラー(Fabelwelten)
ゲームデザイン・M.フォー&W.フォー、イラスト・E.スモレンセバ&I.ペチェンキナ
出版社・ライフスタイル、2~6人用、5歳以上、20~30分


名探偵ミア・ロンドン(Mia London)
ゲームデザイン・A.ボザ&C.ルブラ、イラスト・ニカオ
出版社・スコーピオンマスク
2~4人用、6歳以上、10分


推薦リスト:ヒップホップヒッポ、探偵ナーゼ、キャプテンクラー、メモフレンズ、スイップシープ、タピケコイ?、ドリームキャッチャー

Spiel des Jahres e.V.: Die Nominierten 2021 

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エイジオブジェントリー(Age of Gentry)

名士の仲に気を遣う

ロンドンで各国から来た名士たちをドラフトで集め、その組み合わせで名声を競うセットコレクションゲーム。「エイジオブ」シリーズ16タイトル目で、ゲームマーケット2021大阪・春で発表された。各1回ずつしか使えない得点パターンの選択が悩ましい。

毎ラウンド、プレイ人数+1列の場札を並べてスタート(一部裏返っているものもある)。イングランド、スコットランド、フランス、プロシア出身の名士がいる。手札から「パワーカード」を1枚ずつ出し、その合計が多い人から場札の1列を獲得できる。この「パワーカード」、数字が強いものほど獲得するときの制限が厳しく、弱いものには特典がついている。欲しいカードがあるけれど、優先順位を高めるとそのカードが取れないというジレンマ。ほかのプレイヤー次第では、棚からぼたもちもある。

獲得したカードは自分の前に並べるが、色も数字も同じカードがあると、ケンカして両方とも帰っていってしまう。ボードゲーム愛好者にもたまに見られる同族嫌悪である。サロンの定員は5人だが、地元イングランド出身の名士がいると、その数だけ定員が増える。

その後で得点計算フェイズとなる。得点パターンは「スコットランドの合計」「5以下のカードの合計」「各地域で最小の合計」など7パターンあり、毎ラウンド1つを選んで得点する。ゲームは6ラウンドで、1度使った得点パターンはもう使えなくなるため、「こっちのパターンにしておけばよかった……」と悶絶することになる。イングランド出身が増えるほどカードも多くなるので、枚数勝負のものはできるだけ後のラウンドに取っておきたい。

イングランド出身がなかなか手に入らず、そのうちにパワーカードの効果で途中で名士がほとんどいなくなるという大失態。どの得点パターンもぱっとせず、最下位に沈んだ。パワーカードの手札運はあるものの、他プレイヤーのサロンをよく見て、どれくらい欲しいかを見極める必要がありそうだ。終盤、残り少ない得点パターンに向けてサロンを整えていくのが楽しい。

エイジオブジェントリー
ゲームデザイン・N2、監修・北条投了
サザンクロスゲームズ(2021年)
1~4人用/10歳以上/30~50分
通販:ディスカバリーゲームズDDTiOGM