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マナーは人を排除するためのものではない

このごろよく、ゲーム中のマナーが悪い人の話を聞く。特に過剰・不当なアドバイス(おせっかいや利益誘導)あたりが槍玉に挙げられるようだ。
確かにメンバー次第でゲームの(感情面での)楽しさがずいぶん変わるから、マナーが悪い人と遊びたくないという気持ちは分かる。でもだからといってそういう人を排除するのも大人気ない。マナー違反を推奨するつもりはないが、多少の悪さはポジティブに捉えられるくらいの心の余裕があったらいいのではないだろうか。
以前、「困るんです〜紳士淑女の嗜みとしてゲームを楽しむために〜」という論考を書いたとき、バネストの中野さんから頂いたコメントが印象に残っている。

ただ、これを全部守っちゃった人とも一緒にゲームを遊びたいとは思いません。それに、いずれも軽微ならばそれはそれでその人のアクセントとなります。わたしはこれを、「杓子定規で守らなければダメ」、ということにはならないことを望みます。

マナーに気をつけすぎると、どうしても無口になってゲームが盛り上がらない。気遣いしすぎては思い切った手も打てないだろう。その人その人の素の持ち味が出てきてこそ、ゲームは楽しくなる。 屈託のない会話こそ、ボードゲームの楽しさの大きな部分を占めるものだ。
小さな迷惑はむしろ対人で遊ぶ醍醐味とも言える。「人に迷惑をかけてはいけない」というのを至上命令のように考える人も多いが、世の中はお互い大なり小なり迷惑を掛け合って生きているというのが実情だろう。それなのに自分の迷惑を棚に上げて、人の迷惑を許さないというのはいかにも狭量だ。
アドバイスがおかしいと思ったら「自分はこう考える」と(ケンカ腰でなく)返してみたらどうだろう。ひとつの局面にいろんな見方があることがお互い分かるかもしれない。そしてアドバイス通りにやってもやらなくても、決めるのは自分。王様の命令ではないのだから気にしすぎることもない。
どんな人とでも、どんな場面でも楽しんだ人が勝ちですよ。
(この論考は、マナーの悪い人を排除するような人とは遊びたくないという話ではない。マナーの悪い人を排除するというのも、哀れで愛しいひとつの性格として受け入れたいということである。でも、当然私にも我慢の限界はある。)

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『寺門興隆』に紹介されました

今月1日発売の月刊誌『寺門興隆』に「ボードゲームを日本に広める青年住職の技」という記事で私が紹介された。私の生い立ちから『ウサギとハリネズミ』の遊び方まで詳しく紹介されていて、嬉し恥ずかしである。 もしご興味のある方がいらっしゃったらどうぞ。一般書店では取り扱っていないが、紀伊国屋書店などで入手可能。
http://www.kohzansha.com/jimon.html