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フェデュッティゲーム賞は『スモールワールド』

フェデュッティゲーム賞フランスのボードゲームデザイナー、B.フェデュッティ氏は毎年恒例の「私の年間大賞(Mon jeu de l’année)」を発表した。今年一番の作品として選ばれたのは同じフランス発のファンタジーボードゲーム『スモールワールド(Small World)』。
フェデュッティ氏によると、『スモールワールド』はダイスやカードを使わないシンプルな戦闘システムと各民族のもつ特殊能力によって、戦況や勢力が激変したり、同盟関係が移り変わるほか、戦略的な深みや展開の多様性が魅力的であり、リメイク元の『ヴィンチ(Vinci)』よりはるかに優れているという。ドイツ年間ゲーム大賞には推薦リスト入りもしなかった理由については、ドイツ人はウォーゲームがいまだタブーであることと、リメイクに新しさがなかったことを推測している。
このほかに6つの特別賞が挙げられ、重量歴史ゲームに『孔夫子(Confucius)』、重量得点ゲームに『プラネットスチーム(Planet Steam)』、2〜3人ゲームに『カルタゴの貿易商(Traders of Carthage)』、トリビアゲームに『ファウナ(Fauna)』、カードゲームに『魔法にかかったみたい(Malédiction)』、キッズゲームに『魔法のラビリンス(Le Labyrinthe magique)』を選んでいる。『カルタゴの貿易商』は日本人ゲームデザイナー、川崎晋氏の作品で、アメリカのズィーマンゲームズから発売された。フェデュッティ氏は、「『シャドウハンターズ』と『カルタゴの貿易商』はズィーマンが英語版を出すまで日本語でしか遊べなかった。ゼヴ(ズィーマンの社長)が日本からもっとゲームを見出すのを期待しよう」と日本のゲームに期待を寄せている。
ドイツ年間ゲーム大賞も受賞した『ドミニオン』については、確率計算のゲームで展開の多様性・運の要素・直接攻撃性が欠けており面白くないと切り捨てた。これからの情勢については、経済不況の影響で各メーカーが安価な小箱のパーティーゲームを作るだろうと予想。またテーマとしてはファンタジー、システムとして競りゲームの復権があるのではないかと述べている。
Bruno Faidutti:Mon jeu de l’année 2009

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春の新作は『スルーザエイジ』人気

ドイツのボードゲーム評価サイト「ボードゲームアンケート(Spieleumfrage)」は、2009年春の新作評価アンケート結果を発表した。今年度は昨秋に発売された『ドミニオン』と『パンデミック』が圧倒しているため、2月のニュルンベルク玩具見本市の前後に発表された新作の状況は貴重な情報である。
「ボードゲームアンケート」は、半期に一度、ネット上で新作の評価アンケートを行っている。6段階評価で得点をつけ、ベイズ判定と平均を取る仕組み。今回は277人の有効回答があった。
1位は『スルーザエイジ』のドイツ語版。チェコゲームズから発売された重量級ボードゲームである。2位にはクニツィアの『チグリス・ユーフラテス』第2版、3位は『蒸気の時代』をオランダのファランクス社がリメイクした『蒸気』と続く。上位にはリメイクや拡張が目立ち、純粋な新作としてはイギリス・ツリーフロッグ社の『オートモービル』とセレクタ社の『いかだ動物園』しかない。
評価数が多かったのは『フィンカ』、『賽は投げられた』、『ヴァルドラ』の順だが、それぞれ19位、46位、31位と不振だった。
【ボードゲームアンケート2009春】(評価ベイズ判定・評価数)
1位:スルー・ザ・エイジ(Im Wandel der Zeiten)1.75/111
2位:チグリス・ユーフラテス第2版(Euphrat & Tigris 2. Edition)1.91/73
3位:蒸気(Steam)1.91/39
4位:スモールワールド(Small World)2.02/128
5位:アレアの宝箱(Schatzkiste)2.03/56
6位:レースフォーザギャラクシー拡張2(Race for the Galaxy Rebellen vs. Imperium)2.06/58
7位:オートモービル(Automobile)2.07/29
8位:キューバ拡張(Cuba El Presidente)2.18/63
9位:モダンアート(Modern Art)2.18/60
10位:いかだ動物園(Zoowaboo)2.22/21
Spieleumfrage:Spieleneuheiten Frühjahr 2009