アラカルト・カードゲーム賞2009も『ドミニオン』、三冠達成
ドイツのボードゲーム専門誌『フェアプレイ』はホームページで今年のアラカルト・カードゲーム賞を発表した。50名の専門家の投票によって選ばれた今年のベストカードゲームは『ドミニオン』。ドイツ年間ゲーム大賞、ドイツゲーム賞1位とあわせて史上初の三冠を達成した。
アラカルト・カードゲーム賞はドイツゲーム賞と同じく1991年から始まり、今年で19回目を迎える。ドイツ年間ゲーム大賞とドイツゲーム賞が大箱のボードゲームに偏るのに対して、安価で小箱のカードゲームに脚光を当てている。過去に1位を受賞した作品では『ニムト』がドイツゲーム賞に選ばれたきりで、ドイツ年間ゲーム大賞はノミネートどまりだった。
『ドミニオン』は500枚のカードが入った大箱ゲームで、ゲームとしての面白さだけでなく、分量の大きさも三冠達成につながったと見られる。また単体でも遊べる拡張セット『陰謀』も3位に入り、今年のドミニオン旋風を物語るものとなった。
【アラカルト・カードゲーム賞2009】
1位:ドミニオン(Dominion / ハンス・イム・グリュック)
2位:ビザンツ(Byzanz / アミーゴ)
3位:ドミニオン:陰謀(Dominion – Die Intrige / ハンス・イム・グリュック)
4位:モウ(Mow / ハリケーン)
5位:ポイズン(Poison / アミーゴ)
6位:モノポリー・ディール(Monopoly Deal / パーカー)
7位:ミステリー・ラミー”ジャック・ザ・リッパー”(Mystery Rummy – Jack the Ripper / ペガサス)
8位:ウルク(Uruk / DDD)
9位:見積もってみて(Schätzen Sie mal / フッフ)
10位:サーカスマキシムス(Circus Maximus / ペガサス)
(リンク先:購入できるサイト、ない場合はレビューサイト)
・Fairplay Online:À la carte Preis 2009
読書の秋、ボードゲーム本続々
今月は久しぶりのボードゲーム関連本の出版が相次ぐ。
『ゲームリンク』(Shoot the Moon)は新しいボードゲーム情報誌。創刊号となる今回の特集「No Game No Life!」では、ボードゲーム業界の有名人やサークルの代表などが自分のメモリアル・ゲーム!を披露する。国内だけでなく、M.シャハト(『ズーロレット』)やB.フェデュッティ(『操り人形』)など海外のゲームデザイナーも登場する目玉記事だ。ほかにも『ル・アーブル』攻略やリプレイコミックなど、充実の内容だが、一番の注目は、川崎晋氏の新作ボードゲーム『マーチャント・ギルド』が付録になっていることだろう。
ボードゲームショップなどで10月20日から発売予定。価格未定。今後は3ヶ月に1号のペースで刊行される。詳しくは公式サイトにて。
『ボードゲーム・ジャンクション』(新紀元社)はグループSNE代表の安田均氏が7年ぶりに発表する書籍。月刊誌『Role&Roll』の人気コーナー「ボードゲーム・ジャンクション」で紹介してきのものを中心に、これまでに発売されたボードゲームの数々を一気に掲載。さらに、「ボードゲームリプレイ」「ウニ頭」「クローズアップ」の中から、それぞれ厳選した15本を収録する。2000年代のボードゲーム事情の総括や座談会など、本書でしか読めない記事も収録する。
アマゾンなどで10月下旬から発売予定。価格2800円。出版元のホームページに近刊として案内されている。
最後に、『放課後の魔術師 (5)スパイラル・メッセージ』(土屋つかさ/角川スニーカー文庫)を紹介しよう。学園を舞台に魔法が繰り広げられるライトノベルだが、『コロレット』が登場した第2巻に続き、今回も作中にいくつかのボードゲームが登場する。タイトルは明かされていないので、いくつ登場するか当ててみたい方は一読を。アマゾンなどで10月1日から発売中。価格580円。
秋の夜長、ボードゲームを遊ぶだけでなく、これらの本を読んで楽しみ方を広げよう。