『ドミニオン』3セットを1箱に
シュピールボックス・オンラインの管理者や国際ゲーマーズ賞の審査員を務めるK.M.ヴォルフ氏が、ホームページで『ドミニオン』3セットを1箱に入れる仕切りを発表した。
基本セット・『陰謀』・『海辺』のカードが、基本セットの箱に収まる。
まずは厚紙で作った4本の仕切りで箱を3×3マスに区切る。仕切りの寸法は下記のページを参照のこと。緑色の部分にカッターで穴を開けて組み合わせる。
次にインデックスを印刷して切り抜き。データは、下記のページの一番下にある「Download」から手に入る。インデックス用の紙も少々厚めのほうがよい。ドイツ語だが、基本セット、陰謀、海辺、プロモカードの印があるのでだいたい分かるだろう。わきに日本語で書き込むこともできる。インデックスで挟んでカードを収納すれば完成。
仕切りの寸法と、完成写真、インデックスのデータダウンロードはこちら。全セットをコンパクトに持ち運びたい方や、収納の都合で圧縮したい方はお試しあれ。
アバンドン・シップ(Abandon Ship)
目立たないように逃げろ
沈没する船から、自分がひそかに応援しているネズミを逃がすゲーム。R.クニツィアの新作で、多人数でも遊べるファミリーゲームである。メーカーはアメリカのアルデラック・エンターティメント・グループ(AEG)。日本では、アークライト、バネスト、プレイスペース広島の3社がそれぞれ別の邦題で販売している。
登場するネズミは7匹。このうち最初に配られるタイルで3匹のネズミを指定される。このネズミを無事に逃がすと得点になり、その合計点で勝敗を競う。
長〜いボードは、妙に縦長の船と海。船がスライドすることで、海に沈む様子を表している。船底近くにネズミを並べてスタート。
ネズミの進め方はダイスロール&ドラフトである。ダイスをジャラ〜っと振って、順番に好きなダイスを1つ選んではその色のネズミを進める。ダイスによって目の構成が異なり、やたら早く進むネズミとノロノロ進むネズミ、気まぐれなネズミなどがいて面白い。
1つ以外全部のダイスが選ばれたら、いよいよ船が沈む。タイルを引いてその数だけズブズブ。ネズミのいるマスが海面まで来ると、そのネズミは哀れドザエモンに。複数のネズミがいる場合、一旦はセーフで、次に移動したときに逃げ遅れたほうが犠牲になる。「ああ、オレのネズミが〜!」とは心の中で思っても口に出してはいけない。
こうしてネズミは1匹、また1匹と脱落しつつも、船の上を目指して駆け続ける。でもここにもうひとつクニツィアの罠があった。それは「1位のネズミは、乗客の混乱に紛れて行方不明になってしまう」というルール。踏み潰されてしまうのだろうか。このルールのおかげで、早ければいいというものではなくなり、ゴール前のけん制が起こるのが楽しい。
得点になるのは2〜5位の4匹のみ。もちろんその前に海に落ちたネズミは0点。結構脱落してしまうので、途中で拾えるチーズも得点は小さいがバカにできない。
序盤はお互いにけん制しながら、満遍なくネズミを進める展開。なのでちょっとの手遅れだけでネズミが死ぬ。ほかの人のネズミを推理する余裕も手がかりも得られず、とにかく自分のネズミを正直に進めるしかなかった。終盤になってどの色にでも使え、しかも何回でも選べる11の目が出た途端、ネズミが飛ぶようにゴールして一気に片がついた。私のネズミは2匹も海に落ちてしまい、残る1匹も下位だったが、1匹も上がれない人もいた。
「クニツィアにしては(以下略)」という声も聞かれたが、クニツィアらしい仕掛けがあちこちにあって、でもあまり悩まずに気軽に遊べるゲームである。
Abandon Ship
R.クニツィア/AEG(2009年)
3〜7人用/10歳以上/30〜45分
アークライト:沈没!
ゲームストアバネスト:沈みゆく船
プレイスペース広島:アバンドン・シップ