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ボードゲームサイト史(-2000)

伝説のボードゲームブログmoon Gamerが復活した。現在、過去のエントリーを復元しているところだという。そこで、ブログ復活を祝って、お気に入りだったボードゲームサイトを時系列にまとめてみた。
その第1回、2000年までに立ち上がったインターネット黎明期のボードゲームサイト。*印のあるURLは現在なくなっているが、インターネットアーカイブに入力すると見られるものもある。
名古屋EJFURL) 1996-現在
国内最多数レビューサイト。ゲームストアバネストの中野将之店長が制作しており、ゲームの流れを詳しく説明している。聞いたことがないゲームを調べたり、レビューを書くときゲームの流れを確認したりできる便利サイト。
The Game Gallery(*http://www2b.biglobe.ne.jp/~game/、現URL) 1996-2008
ボードゲーム愛好者のポータルサイト。はてなアンテナが始まる前からアンテナを設置したり、レビューをデータベース化したり、共同輸入ゲーム会を開催したり、先進的な試みが行われていた。長らく閉鎖状態にあったが、徐々に再開しつつある。管理人HAL99さん。
Table Games in the World(*http://www1.u-netsurf.ne.jp/~hourei/game/、現URL) 1996-現在
当サイト。新作リリース、イベント、受賞など、国内外のニュースを届けている。現在は毎日更新しているニュースサイトだが、最初は大学サーバ内に管理人の所有ゲームをリストアップしているだけのサイトだった。
ボードウォークコミュニティーURL) 1997-現在
インターネットが広がる以前、80〜90年代の貴重な資料を収蔵するサイト。管理人の高橋浩徳氏(現在、大阪商業大学アミューズメント産業研究所研究員)は書籍やテレビ番組制作にも広く関わっている。
CAZMANI(*http://www13.cds.ne.jp/~cazy/) 1997-2004
ネットレビューサイトの先駆者的存在。文字だけなのに読んでいるだけで遊びたくなるレビューがあり、購入欲に火をつけまくった。レビューを読んでから、購入するというスタイルができた。
ファミリーで子供と遊ぼうURL) 1998-現在
子供と大人が一緒に楽しめるゲームを追求してきたサイト。お子さんは大きくなりましたが、管理人の不破さんはゆうもあで普及活動に活躍しています。
実録:食卓遊戯密着大本営発表廿四時(*http://toccobushi.at.infoseek.co.jp/、現URL) 1998-現在
ルールの和訳公開をいち早く始めたサイト。その成果は『古代ローマの新ゲーム』ルール出版などに結実している。創作ゲームは『スクエア・オン・セール』がヒッポダイスコンテストで1位となった。現在は鋭いゲーム批評が読める。管理人は澤田大樹さん。
B級SFゲーム分科会URL) 1999-現在
ウォーゲーム、ファンタジーゲームを中心とするレビューサイト。取り上げるゲームは独特で、ほかでは読めないものが多い。
Hammer’s PageURL) 2000-現在
『カタンの開拓者たち』をはじめとするゲームの戦略研究で注目。後にHammer Worksを立ち上げてひねりの効いた同人ゲームを発表している。管理人Hammerさん。
たのしくあそぼうてーぶるげーむ/The Table Game which plays happilyURL) 2000-2006
新作をいち早く、網羅的にレビューしていたサイト。ゲームの内容紹介だけでなく、評価や攻略まであり、短所にも丁寧に踏み込んでいて、大いに参考になった。管理人は鷹村ナクトさん。
(続く)

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アンジェレイド(Ungerade)

裏を書いて陥れる
Ungerade
ペアをめくって得点するカードゲーム……と聞いて、私は神経衰弱(メモリー)のバリアントだと思っていた。しかし遊んでみると、記憶の要素は少なく、それよりも読み合いとブラフのゲームだった。タイトルはドイツ語の奇数(ウンゲラーデ)から。
手番には場札を1枚めくって、その後で手札から1枚、伏せて場に出す。めくったときに、ペアがなければそのまま裏返さずに表にしておき、同じ数字のペアが出ればゲットできる。
ほかの人が出したカードをめくってもよいところがこのゲームのポイントその1。最初から置かれている場札と違って、ほかの人が伏せて出したカードは、すでに表になっているカードと同じ数字である可能性が高い。1周の間、そうやって出したカードがめくられなければ、自分でめくって悠々とペアを確保できる。しかし、出す方もそれが分かっているから、わざと別のカードにするかもしれない。
プレイヤーが出したカードは、手元に並べておくので、「この時点では6があったから、6を出していたかも」「ここで5が取られてなくなったので、布石として5を置いたかも」という推理ができる。「これ、6でしょう?(ニヤリ)」「えっ、違いますよ」「いいや、6に違いない、ほら!」「……1でした−!」1のカードを仕込んで、6を狙うほかのプレイヤーがめくってくれたときの快感ったらない。
数字は1〜6まであるが、点数が高いほど枚数が少なくペアが揃いづらいのがポイントのその2。手札にある数字の大きいカードをどのタイミングで出すかも悩ましい。そしてタイトルが示すとおり、どの数字も枚数は奇数であるところがポイントその3。終盤は、1枚だけ残るカードをめくらないよう、競争が激しい。「その4のカード、狙ってたのに〜!」
ポーカーフェイスで読ませなかったcarlさんが1位。1をめくってくれたと喜びすぎると、ほかのカードに6があるんじゃないかと怪しまれるなど、『ドメモ』のように、ほかの人の言動やちょっとした仕草もヒントになる。「ゲーム会の最初に毎回やってもいい」とくさのまさん。単純なルールが推理やブラフを生み出す、絶妙なゲームである。
Ungerade
杉岡一樹/青い街(2011年)
2〜5人用/8歳以上/20分
青い街:Ungerade