立ちション、野グソ、絶対ダメ
富士山のトイレは現在、全て環境対応型になっている。かつてはタンクに溜まった排泄物を山腹に捨てていたが、登山者が年間30万人にのぼると、ちり紙などの散乱、沢水の汚染、高山植物への悪影響などの環境破壊が懸念され始めた。そこで静岡県は10年ほど前からバイオ式、水循環式、燃焼式などのトイレ設置を進め、設置が完了した現在も富士山トイレ整備調査会を組織して見張っている。トイレを利用する際、協力金として100~200円をお願いしているが支払わない人もおり、またトイレにゴミを放置するなど、マナー問題もまだまだ改善の余地がある。
登山やハイキングでは少ないトイレをきれいに使おう。くれぐれも立ちションや野糞はしないように。そんな大切なことを教えてくれるドイツのカードゲーム。
もれても並べ
トイレはたったの2つ。ここに毎回、各自1枚ずつ新しいお客さんを加える。全員裏向きに出して一斉にオープン。そのうち数字の一番小さいお客さんと、一番大きいお客さんがトイレに並ぶ。その中間は我慢しきれずに森に行って失禁、もとい失点。
うまくトイレに並べても次の関門がある。それは「同じ列には、同じ数字も同じ色も不可」という制限だ。おそらく似ている人が先に並んでいると恥ずかしいのだろう。どちらの列にも並べないと、森に行かなければならないだけでなく、もう1枚分の失点が加わる。
5枚目に並んだら、前のお客さんがみんな用を足して出ていくので掃除係になる。掃除係カードを取ると、失点が軽減されるのでどんどん狙って行きたい。
手札が全部なくなったら、森に行ったカード枚数で失点を数える。枚数が増えるほど加速度的に失点が増えるので、1枚でも節約したいところだ。
序盤から積極的に小さい数字のカードと大きい数字のカードを出していったが、並べても前に置かれたカードのせいで弾かれる場面が相次ぎ、普通に中間のカードを出したほうがダメージが少ないという展開。1位は、3回掃除係になって失点を帳消ししたtomokさん。
ドイツのレビューでは『ニムト』との類似を指摘するものがいくつか見られたが、何ラウンドかに1人だけ失点になる『ニムト』とは違い、毎ラウンド半数は失点になるのでシビアである。でもトイレに並ぶというテーマに緊迫感があって違和感を感じさせない。選ばれた者しか、トイレに並べないのである。
Lokus
R.シュタウペ/ニュルンベルガー・シュピールカルテン(2012年)
3~5人用/10歳以上/30分
ゲームストア・バネスト:トイレ