ニュースの時間です(It’s News Time)
笑ってはいけない
ニュース原稿にところどころ穴が空いていて、そこに他プレイヤーがねじこむヘンテコワードを入れつつ笑わないように読み切るゲーム。ゲームマーケット2021大阪で発表された。写真は北海道ボドゲ博3.0で発表された北海道版。さらにゲームマーケット2021秋に第3弾が計画されている。
交替で1人がニュースキャスター役、ほか全員がAD役となる。今回のニュース原稿を引いて内容を確認したら、AD役は番号の振られたフリップにワードを書き込む。思いつかない人のためにワードカードも付属するが、自分で考えてもよい(自分で考えたほうが楽しい)。その間、ニュースキャスターは原稿読みの練習。この時点で、空欄に何が入るかはわからない。
AD役が全員書き終わったらいよいよ本番。「3、2、1、キュー」と指で合図して、ニュースキャスターが「ニュースの時間です」といって原稿を読み始める。撮影していなくても、全員が聴いていると結構緊張するが、この緊張がゲームの要である。
AD役は、各空欄の少し前で、担当するフリップを掲げてニュースキャスターに見せる。これをさりげなく読んで次へ。もちろんウケ狙いのヘンテコな単語ばかり出てくるが、笑ってはいけない。最後までしっかり読めたら、全員から「いいね」チップがもらえる。さらに、いいフリップを考えた人にも各自が「いいね」チップを渡し、ニュースキャスターを交替。全員がニュースキャスターをしたらゲーム終了で、「いいね」チップの合計数で勝者を決める。
笑って読めなくなるというほどではなかったが、突然出てくるワードに何度か笑いをこらえるのは確かで、ダメージが蓄積してくる。油断すると吹き出しそうになるのを我慢して、読み終わってから緊張が解けると同時に笑いが出た。
拡張「速報ルール」では、指定されたテーマに関連するワードしばりになるが、このルールのほうがフリップが書きやすく、ニュースにも統一性が出て面白いという感想が聞かれた。写真は「コンビニ」しばり。今年で70回目を迎えるサンクス祭りのニュースである。北海道に残っている幻のサンクスを夢想した。
ニュースの時間です
ゲームデザイン・A.I.Lab.遊&ささみ企画/イラスト・有我悟
2~7人用/10歳以上/5~35分
かぶらない組み合わせでスパイを送り込め!『ドン・カルロ』日本語版、9月30日発売
グループSNE/cosaicは9月30日、『ドン・カルロ』日本語版を発売する。ゲームデザイン・W.クラマー&B.ラッハ&U.ラップ、イラスト・O.フロイデンライヒ、2~4人用、8歳以上、25分、2200円(税込)。
オリジナルはモーゼス出版(ドイツ)から2020年に発売された作品。巨匠クラマーが、『シュッテルス』『クウィント』『ドロップイット』のデザイナーコンビと組んで制作し、昨年のアラカルトカードゲーム賞で8位に入賞している。犬の国のマフィアたちが、近隣諸国にスパイを送り込んで影響力を競う。
各プレイヤーは0~6の数字がついたカードから4枚を手札に持ってスタート。中央には「バカバカキスタン」や「トンデモリア」といったおかしな名前の国々が並んでおり、手番には手札から1~4枚を組み合わせ、合計値が等しい国にプレイして、その国に置かれたカード枚数だけ得点する。さらに連番、同じ番号で3枚出せば追加得点も、
後から派遣するほど得点は高いが、昇順に並べて、前に出されたカードと同じ組み合わせ(=コードネーム)では出せないというルールのため、出せる国がだんだんなくなっていく。引き直しても出せる国がなくなったら脱落で、全員が脱落したら、各国でプレイされたカード枚数の多い人にボーナス得点が入って勝者を決める。
最終ボーナスのマジョリティ争いでは、弱小国に大勢送り込むのか、強大国の優位を狙うのかも悩みどころ。ウェブ上で公開された協力ルールも収録し、好みに応じて楽しみ方を変えられる。
(写真はドイツ語版)