「ボードゲームの普及」が無形文化遺産 ドイツ・バイエルン州
ベルリン応用科学大学ゲーム学研究所は23日、ドイツ・バイエルン州より関連団体が「ボードゲームの普及(Förderung von Brettspielen)」で無形文化遺産(模範的な実践例)認定証を交付されたことを発表した。
登録は2019年12月だったものの、コロナ禍で延期されていた交付式がニュルンベルク玩具博物館でこの日に行われた。ニュルンベルク市長立ち会いのもと、A.フューラッカー・バイエルン州財務内務大臣から、K.ファルケンベルク・ニュルンベルク玩具博物館長と、T.ヴェルネック・バイエルンボードゲームアーカイブ・ハール館長に認定証が渡された。
フューラッカー大臣は「『イライラしないで』『モノポリー』『カタン』など、ボードゲームは老若男女を問わず楽しませ、多くの幸せな時間を提供しますが、単なる娯楽ではありません。あらゆる年齢層の人々を結びつけ、コミュニティを形成します。同時にボードゲームによって、私たちの共存と社会的行動の貴重な原則を遊びながら学ぶことができます。私たちは、バイエルン州で生きるボードゲームの伝統を守り、それを可視化したいと考えています」と関係者に感謝の意を表した。
「ボードゲームは単なる娯楽ではない」という発言は、昨年秋にボードゲーム団体が社会運動で表彰された際にA.メルケル・ドイツ連邦首相が述べた言葉でもある。バイエルン財務内務省のウェブサイトには、「ボードゲームの普及」は以下のように記載されている(原文)。
一緒にボードゲームをプレイすることは広く普及した文化的な実践であり、娯楽に加え、ルールを練習したり教えたりして、社会的な交渉にも関連する。ドイツボードゲームアーカイブ・ニュルンベルク、ニュルンベルク玩具博物館、バイエルンボードゲームアーカイブ・ハールは、ボードゲームの収集・研究だけでなく、ボードゲームとそれに関連する知識の伝達にも優れた努力をしている。さらにこれらの施設は、ボードゲームクラブやボードゲームイベントなど、さまざまな形で組織化されたボードゲーム愛好者のアイデアの源としても機能している。
ユネスコ無形文化遺産は、グローバリゼーションの進展や社会の変容などで衰退・消滅が懸念されるものの保護を目的として2003年から登録を開始。条約締結国180カ国の申請に基づき、専門機関と委員会で審査・採択されている。現在、世界で約500件、日本では能楽・歌舞伎・和紙・和食など約20件が登録されている。
追記:この認定はユネスコによるものではなく、ドイツ・バイエルン州によるものでした。お詫びして訂正致します。
・Institut für Ludologie:Immaterielles Kulturerbe der UNESCO: Brettspiele im Landesverzeichnis Bayern
『ニュートン 偉大なる発見同梱版』日本語版、10月9日発売
テンデイズゲームズは10月9日、『ニュートン 偉大なる発見同梱版(Newton + Great Discoveries Expansion)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・S.ルチアーニ&N.マンゴーネ、イラスト・K.フランツ、1~4人用、14歳以上、90分、7700円(税別)。
クラニオ・クリエーションズ(イタリア)から2018年に発売されたアクション構築ゲームの日本語版が、拡張セット付きで再版される。科学革命と言われた17世紀中盤、プレイヤーは若き学者となり、ヨーロッパを巡って大学や都市を訪れ、新しい理論を発見し、道具を作って、研究者として成功することを目指す。
各プレイヤーは手札をプレイし、そこに指示されたシンボルから選んで業績、技術、旅行、講義などのアクションを行う。それぞれ対応するボードがあり、自分のコマを進めて収入や得点を手に入れたり、新しいカードを手に入れたりできる。条件を満たすと、毎ラウンド得点などが入ってきたり、強力なマスターが力になってくれるようになる。各アクションは密接に関係しており、しかもクイックアクションと呼ばれる調整が可能で、アクションの履歴を踏まえてのアクション選択は戦略性が深い。
拡張セット「偉大なる発見」は2019年に発表されたもので、アクションか収入を選べるカード30枚と、新しいタイルが付属する。拡張セット単体の販売は今のところない。