追求と言い逃れの応酬『そういうお前はどうなんだ?』11月26日発売
ランダムにめくられる怪しい証拠品から、お互いを追求して最もそれっぽい人をでっち上げるコミュニケーションゲーム。コミュニケーションゲーム『知ったか映画研究家』とマーダーミステリーゲーム『何度だって青い月に火を灯した』をデザインした黒田尚吾氏が、ミステリーとコミュニケーションを融合させた。
「犯人はこの中にいる!……気がする」
ある洋館でパーティーが開かれた。しかしその翌日、凄惨な殺人事件が起こってしまった。しかしその場にいた全員は、妄想力と言い訳だけが達者で、推理能力はゼロ。もちろん犯人が誰かわからないが、次々と見つかる証拠品と被害者の状況をこじつけて、最も怪しい人物を決める。
最初に今回の事件と被害者が明らかになり、各プレイヤーにはキャラクターと性格が割り当てられる。証拠品カードを自分の前に裏にしておく。交替で証拠品カードを1枚めくって、30秒間の追求と30秒間の言い訳を行い、ラウンドが終わるたびに被害者の状況が追加される。2~3ラウンドで投票し、投票を免れ、投票最多の人に投票した人が勝者となる。最後はエンディングカードを引いて事件の結末を見る。
正解もネタバレもないので好き放題に推理でき、「記憶にない!」「これは誰かが仕組んだ罠だ!」といったしどろもどろの言い訳が飛び交う。ゲームのたびに設定が変化するので何度も遊べるようになっている。
そういうお前はどうなんだ(黒田尚吾+グループSNE, 2021(先行体験)) pic.twitter.com/5z4e2Oho34
— Table Games in the World / ボードゲームニュース (@hourei) October 24, 2021
セバスチャン・フィツェックのキラークルーズ(Sebastian Fitzek Killercruise)
迫り来る殺人鬼とどこかに潜むサイコパス
『治療島』『乗客ナンバー23の消失』など、日本語にも翻訳されているドイツの小説家が監修したサスペンス協力ゲーム第2弾。第1弾『セーフハウス』のヒットを受けて2020年に発売された。クルーズ船で暴れまわる殺人鬼から乗客を逃がしつつ、行方不明の乗客を見つけ、どこかに隠れているサイコパスをとっ捕まえる。箱を使った立体の船ボードが目を引く。
手番には手札のカードを出して乗客を移動したり、デッキの鍵を開けて室内に入ったりする。乗客を指定された部屋まで移動させれば助かる。カード補充のとき、山札から殺人鬼カードが出ると殺人鬼が移動し、乗客に襲いかかるので安全に避難させよう。
指定された色のカギを出すとデッキの鍵を開けられる(揃わないときは、カギ置き場に置いて受け渡しできる)。そこにはヒントカード(船の左側にいるとか、○の部屋から○マス以内とか)が入っており、何枚かのヒントカードを総合するとサイコパスの居場所が特定できる仕組みだ。ゲームごとに、ヒントカードの組み合わせが変わると居場所も変わる。
殺人鬼が乗客を全員殺すか5回捕まえると敗北。またサイコパスの居場所を間違ってもゲームオーバーとなる。勝利するには、居場所を正解するしかない。
ヒントカードがうまく噛み合えば、サイコパスの居場所を早期に特定できるが、知っている情報が重複すると進展しないことも。その間に殺人鬼カードが連続すると一気にピンチになる。殺人鬼が背後に迫ってきてあとわずかで乗客が捕まるというとき、サイコパスの居場所がわかってギリギリの勝利。サスペンスドラマのような終盤のハラハラする展開が楽しめた。
Sebastian Fitzek Killercruise
ゲームデザイン・S.フィツェック&M.トイブナー/イラスト・J.シュトロールマン
モーゼス出版(2020年)
2~4人用/12歳以上/30分