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重量級紙ペン『ハドリアヌスの長城』日本語版、8月11日発売

アークライトゲームズは8月11日、『ハドリアヌスの長城(Hadrian’s Wall)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:B.ヒル、イラスト:S.フィリップス、1~6人用、12歳以上、60分、7480円(税込)。

オリジナルは西フランク王国三部作などで知られるガーフィルゲームズ(ニュージーランド)から2021年に発売された。ゴールデンギーク賞でミドル級とソロ部門にノミネートされている。イングランド北部で壮大な長城を築き、襲い来るピクト族からローマ帝国を守る紙ペンタイプのリソースマネージメントゲーム。

プレイヤーは、ローマ皇帝ハドリアヌス(76-138)から長城建設を命じられた将軍の一人となり、6年(6ラウンド)の期間中に、もっとも得点を稼ぎ属州総督の座を勝ち取ることを目指す。

毎ラウンド、全員共通の命運カードに指示された資源と労働力を受け取り、全員同時プレイで、資源を支払って自分のシートのマスを塗りつぶしていく。長城だけでなく、拠点となる砦の各施設(闘技場、市場、裁判所など)も同時に成長させていかなければならない。

各エリアでマスを塗りつぶすことで新たな資源を手に入れたり、施設を建設できるようになったりするなど、シート上の要素があちこちで絡み合っており、どれくらいコンボを作れるかがポイント。

ラウンド終了時にピクト族が襲撃し、長城で守ることができないと得点が大きく減る要因となってしまう。シートの得点と、毎ラウンド、各自のデッキで設定した得点条件で勝敗を競う。ゲーム終了時に長城の強化と、施設の発展をいかに両立できるかが問われる。

ソロゲームでは、歴史に名を残した16の主要な砦を建設する一人用キャンペーンシナリオが楽しめる。

内容物:ルール説明書 1冊、ゲーム用紙 2セット各200枚、プレイヤーボード 6セット各2枚、資源コマ 50個、労働力コマ 90個、命運カード 48枚、プレイヤーカード 72枚(カードサイズ:54mm×86mm)

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テウスフィア(Tevsphere)

あっちにもこっちにも置きたい

4つの惑星から得られる資料(カード)を4パターンでマイボードに配置して探索するリソースマネージメントゲーム。ゲームマーケット2022春で杓子兵器が発表した。資源から得点に至る変換ルートを効率よく、数多く作るにはどのカードをどこに配置するのがよいか悩ましい。

手番には場からカードを獲得したり、獲得したカードをプレイヤーボードに配置したり、酸素を補給したり、他の惑星に移動したりする。どのアクションも時間や酸素のコストが必要で、獲得するカードや配置する場所によってコストが変わる。使った時間はタイムトラックを進め、一番進んでいない人がアクションを行うタイムトラックメカニクス。使った酸素はプレイヤーボードで管理する。

プレイヤーボードの下に配置する「加工」では、利用できる資材が増える。この資材で、プレイヤーボードの左上・右上・右に別のカードを配置できるようになる(「技術習得」「開発」「調査」)。「技術習得」と「開発」は特定のアクションのコストを下げることができ、「調査」は得点になる惑星アイコンを獲得できる。

全員が一定の時間を使うと、母船が次の惑星に移り、その惑星を中心とした探索が始まる。こうして全ての惑星の探索が終わったら得点計算で、調査の惑星アイコン、技術習得と開発に置いたカード枚数の掛け算、加工できる資材の得点を合計して勝敗を決める。

基本的には母船のある惑星でカードを獲得するが、惑星によって産出される資材が異なるため、隣の惑星まで取りに行ったほうがよいこともある。また、みんなが調査した惑星アイコンは希少性が下がって得点が下がるため、みんなが調査していない惑星アイコンを取りに他の惑星まで行くこともある。移動コストがかかる上に、母船まで戻ってこないと酸素補給ができないことから、気軽に移動することはできない。他のプレイヤーを出し抜いてどこで母船から飛び出すか。

手札と並んでいるカードを見比べて、どのカードを取り、どの順番でどこに出すか計画するのが楽しい(欲しいカードを他プレイヤーに取られてしまうことも)。とはいえ「調査」の得点が(希少度が多少下がっても)一番高いので、技術習得や開発ばかりに腐心してもいられない。「技術習得」や「開発」を一切せずに「調査」にすべてつぎ込んだプレイヤーが勝利することもあるが、もっとうまく回せるような気にさせる作品である。

TEVSPHERE(テウスフィア)
ゲームデザイン:雨崎レール/イラスト:さにあ
杓子兵器(2022)
1~4人用/8歳以上/60~90分