移動式ボードゲームカフェ、10月からスタート 寄贈資金CFも
愛知県在住のボードゲーム愛好家、稲垣享一郎氏は10月より、アメリカのスクールバスを改造した移動式ボードゲームカフェ「チャーリーズボドゲカフェ」で全国を巡回する。現在、公式スポンサーと、巡回先で子ども向けサードプレイス(フリースクール、児童養護施設、子ども食堂など)にボードゲームを寄贈するための支援をクラウドファンディングで募集中。
1500個以上のボードゲームを所有する稲垣氏が、教員として子どもたちに関わってきた中で、週末にどこにも遊びに行けない子どもたちを目にして「エンタメの格差」を感じたのがプロジェクトのきっかけ。ボードゲームをいっぱい詰め込んだバスがやってくるという非日常感を、子どもたちに味わってもらいたいと全国巡回する。ドイツではコスモス社が2002年にカタンバスで全国PRキャンペーンを行うなどいくつかの事例があるが、日本では初。
一過性のものにならないよう、ボードゲームをサードプレイスに寄贈し、不登校などの子どもに対し、ボードゲームを通して地域やボランティアの人が関わるきっかけ作りにしてもらうことを目指す。小学生が多いところにはキッズゲーム、 中学生・高校生が多いのであれば中量級やコミュニケーション系などを選び、いずれにしてもルール説明が3分以内で終わるようなものにするという。ボードゲーム専門店がスポンサーにつき、ボードゲーム選定もバックアップする。
移動式ボードゲームカフェ自体は大人でも利用可能で、年内から年明けにかけて関西から沖縄まで、来春から夏に東北から北海道を巡回する。現在行われているクラウドファンディングは寄贈するボードゲームの資金で、さまざまなリターンを用意して3000円から受け付けている。
トーナメント(Turnier)
連続撃破で形勢逆転
モジュラーボード上で行うはさみ将棋のようなアブストラクトゲーム。『フォーカス』がドイツ年間ゲーム大賞を獲得した頃のランドルフ作品である。自分のコマ同士だけでなく、第3者のコマや、ボードの縁とはさんでも取ることができ、ダイナミックな展開が楽しめる。
プレイ人数に応じた枚数のボードを自由に組み合わせ、順番に自分のコマを好きなマスに配置し、敵のコマを4個ずつ取り除く。この配置と除去からすでにゲームは始まっており、攻撃されにくく、攻撃しやすい位置取りをどれくらいできるかが重要だ。
ゲームの目標は各ボードで自分の色1色になると立てられるフラグを規定数立てること。4人だとチーム戦になり、チームで合計4つ立てれば勝利となる。そのため敵のコマをどんどん取って独占すると同時に、相手が占領しそうなボードに攻め込む。
コマの移動の仕方はまず1マス移動し、その先に自分のコマでも相手のコマが1個あってその奥が空きマスならば飛び越えることができる。移動先のさらに奥にコマがあれば一直線に連続で何回でも飛び越えることができる。移動終了時に自分のコマ同士、第3者のコマ、自分のコマとボードの縁で敵のコマをはさめば除去。さらに相手のコマを除去できれば追加移動して連続で敵のコマをはさんで除去することができる。
一度に2個取ったり、連続で3個取ったりできるので盤面はどんどんコマがなくなっていく。こうして1枚のボードが自分のコマだけになったらそのコマにフラグを立てる。フラグがついたコマが取られたり、そのボードから外に出るとフラグはなくなってしまうので取ったからといって安心できない(そのボード内であれば自分の番に別のコマにフラグを付け替えることはできる)。
初期配置と除去、そして序盤の乱打戦で大方の形勢が定まるが、縁ではさめることから1個でも残っていれば逆転もできる。チーム戦でパートナーと話し合いながら取れそうな陣地を絞り込んでいくのが楽しい。
Turnier
ゲームデザイン:A.ランドルフ/パーカーブラザーズ(1976年)
2~4人用/30分