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独ゲーム誌に日本のゲーム紹介

今月発売されたドイツのボードゲーム専門誌『Spielbox』で、10月に行われたエッセン国際ボードゲーム祭のブース別レポートが掲載されている。日本からいくつかのゲームを携えて出展したヤポンブランドの欄は以下の通り。

すでに05年4号で紹介した『グラグラカンパニー』に続いて日本のブースでは、同じ作者の川崎晋氏による『カルタゴの貿易商』が少部数で販売されており、もっと大きい出版社を探していた。手札のカードはお金の役割を持っているとともに、購入したカードは品物になる。購入のたびに対応する船が地中海を通ってカルタゴに向かって進み、そこで買い取った品物が売られる。その際、価値の高いカードとカード枚数によって品物の収益を決める。

今回ヤポンブランドが出展したゲームは13タイトルに上ったが、ボードゲームは『カルタゴの貿易商』と『グラグラカンパニー』のみ。あとはカードゲームが10タイトル、パズルが1タイトルとなっている。その中で真っ先に取り上げられたのは、ボードゲームの『カルタゴの貿易商』だった。

3年連続で出展した遊宝洞はカードゲーム『妖精奇譚』などで十分な話題に上ったが、カードゲームは評価されにくいのが現状だ。カードゲームしか発売しないアドルング社が、出口調査で上位になることはまずない。

一方、近年エッセンから知名度を上げたフランスのイスタリ社(『イス』『ケイラス』)にせよ、イタリアのマインド・ザ・ムーブ社(『オルトレマーレ』『君主論』)にせよ、たった1つだけ出展したボードゲームが注目された。昨年出展したグラパックジャパン社もボードゲーム『ワルモノ2』がドイツ国内外で一定の評価を得ているし、韓国のフーウィン社が出展したボードゲーム『トリプラ』はアミーゴ社から『スカイライン計画』として発売されるまでに至った。

こうした事情を考えると日本ももっとボードゲームに力を入れたほうがいいのではないかと思う。製作コストや輸送費も高いが利率も大きいから、日本人も納得のしっかり作りこまれた作品ならばきっとペイするはずだ。ヒッポダイスで優勝した澤田氏の『スクウェア・オン・セール』とか、リピート率が高い池田氏の『シャドウハンターズ』あたりはどうだろうか。

来年のゲームマーケットで出展を予定している方はボードゲームに挑戦してみることをオススメしたい。

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カタン・大キャラバン

2006年のエッセンでコスモス社から無料配布されたシナリオ。ルールのみ、ホームページでダウンロードすることができます。

大キャラバン

(『カタンの開拓者たち』シナリオ、3?4人用)

用具:オアシスタイル1、キャラバンマーカー22

ゲームの概要:オアシスに遊牧民がすんでいます。遊牧民は羊毛と小麦を緊急に必要とし、その代わり砂漠の交易品を提供します。カタンの民はいつもヒツジと穀物の束を少し余計に持っているので、遊牧民にキャラバンを送り必要な資源を交換しようとします。

キャラバンマーカーによって、ゲームが進むにつれて3つのキャラバンルートが作られます。キャラバンルート上にある開拓地や都市は勝利点が1増えます。また平行に走る街道は交易路2本分として数えます。

ゲームの準備:オアシスタイルを砂漠タイルと交換します。オアシスタイルに描かれた3本のキャラバンマーカーによって、3本のキャラバンルートの始点が決まります。オアシスタイルは島の一番真ん中に置いてください。向きは任意でかまいません。キャラバンマーカーは脇に置きます。

ゲームの進行:基本的に『カタンの開拓者たち』のルールで勧めます。これに以下のルールを追加します。

初期配置フェイズの後、手番に開拓地を建設したり、開拓地を都市に変えたら、手番が終わってから、投票(下記参照)をしてキャラバンマーカーを置きます。

・キャラバンマーカーの配置

オアシスから始まって、ゲームが進むにつれて相互に独立したキャラバンルートが3本作られます。

キャラバンマーカーは、2つの地形タイルが接する辺に沿って置きます。前に置かれたキャラバンマーカーの矢印の向きに従って、一番先に置いてください。したがってキャラバンルートをふたまたにすることはできません。街道が建設されているところでも置くことができますし、逆にキャラバンマーカーが置かれているところに街道を建設してもかまいません。ただし、すでに別のキャラバンマーカーが置かれているところに置くことはできません。最初のキャラバンマーカーは、オアシスタイルに描かれた3本の矢印のうちいずれかの先に置きます。

重要:各ルートで最初に置かれるキャラバンマーカーは、オアシスタイルの辺に置くことはできません。矢印の方向のまま直進します。

各ルート2本目以降のキャラバンマーカーの方向については、1つか2つの選択肢があります。したがって3つのルートで最高6つの選択肢があることになります。どこにキャラバンマーカーを置くかは、投票で決めます。

・投票

今の手番に開拓地か都市を建設した人から全員、時計回りに羊毛か小麦のカードを表にして出します。1枚以上出した人だけで、どこにキャラバンマーカーを置くか話し合います。その際、出したカードの数が持ち票となります。1人だけでほかの人よりも多い票数があれば、1人で決めてください。2人以上で意見が一致して多数派になったならば、そこに置きます。

票がタイで分散したり、意見が一致しなかったら、出したカードが単独で最多の人が決めます。単独最多の人がいなければ、今の手番だった人が決めます。誰もカードを出さなかったときも今の手番だった人が決めます。続いて全員が出した羊毛と小麦を捨てます(山札に戻します)。

重要:カードを出せるのは各自1回だけです。後で付け足したりすることはできません。

・キャラバンルートの終了

キャラバンルートが袋小路(それ以上キャラバンマーカーを置けないところ)まで来たら、そのルートは終了です。またキャラバンマーカーを使い切った場合は、全ルートが終了します。キャラバンルート同士がつながるのはかまいません。

・最長交易路

キャラバンマーカーと平行に走る街道は、街道2つ分に数えます。したがって街道が5本未満でも、2本分に数えた街道を含めて「5本」になれば最長交易路を取れます。

・都市と開拓地の価値アップ

2本のキャラバンルートの間にある開拓地や都市は勝利点が1増えます。

ゲームの終了:手番に勝利点が12点以上になった人が現れたら、その人の勝利でゲーム終了となります。

例1:最初のキャラバンマーカーは、オアシスタイルの辺に置くことができません。したがって最初の選択肢は3つだけです(赤枠の箇所)。

例2:最初のキャラバンマーカー(A)が置かれ、2つ目の選択肢は4つになりました。

例3:さらにゲームが進んでそれぞれのルートが長くなってきました。白の開拓地と、青の開拓地2つは勝利点が1点増えます。また青の街道3本と白の街道2本は2倍に数えます。現在、キャラバンマーカーを置く選択肢は6つあります。

(C)Catan GmbH 2006