マングローブ(mangrove)
美しさの裏に細かい工夫
2009年のゲームマーケットで最も注目を集めたブースといえば、賽苑であろう。その人気は、メビウスママさんも驚きの様子で伝えている(メビウスママのひとりごと:ゲームマーケット 2009 その1)。瞬殺で売り切れてしまったので、お目にかかれなかった人もいるだろう。また来年、同じ作品をもってきても十分売れると思われる。(ちなみに私も所有していない。)
とはいえ、この作品を見ると、手作業でいくつも作るのはたいへんだなと思う。色分けされた棒には、穴を開けてファイバーが通してある。台は彩色した何枚かの木を重ねている。見とれてしまうほど見事なコンポーネントで、どこかのメーカーが権利を買い取って工場で量産してほしいくらいだ。
ゲームは、『スティッキー』のように、一本ずつ抜いていって崩した人が負けというシンプルなもの。でもコンポーネントは見掛け倒しではない。棒を抜くと、下に色がついていて、次の人はその色の棒を抜かなければならない。その色の棒を抜くと、また別の色が現れる。くじ引きのような、しりとりのような楽しみ。ちょっと太い赤い棒は、指定された色がないときに抜くので、後半に出てくる。これに比べると、『スティッキー』で抜く色をダイスで決めるのはちょっとスマートでないかもしれない。
1本抜くたびに全体が動く。崩れるか、崩れないか? このドキドキ感がたまらない。
mangrove
?/賽苑
2〜4人用/6歳以上/5分
2009年8月22日山形ゲームコンベンションにてプレイ
チンチン(Cin Cin)
世界の乾杯がごちゃまぜに
「チアーズ!」(英)、「プロースト!」(独)、「チンチン!」(仏)、「サリューディ!」(メキシコ)、「ザズドローヴェ!」(露)、「カンパーイ!」(日)・・・世界の乾杯を、言葉とポーズを間違わないで素早く行うリアクションゲーム。言葉と仕草の組み合わせがコロコロ変わるので難しい。
各国の乾杯には、言葉のほかポーズがある。ドイツはビアジョッキ、フランスはワイングラスをかかげ、メキシコは杯を床に伏せ、ロシアは投げる。日本は杯を両手でかかげる(三三九度?)。はじめに、自分の出身地を決めてスタート。私はロシアということになった。
カードをめくると、背景・人物・飲物がそれぞれ別の国で描かれている。例えばアステカ遺跡の前で関取がシャンパンを飲んでいる図だったら、メキシコ、日本、フランスの3人がリアクションしなければならない。リアクションは絵に描かれた人物の言葉で、飲物に合わせた仕草。上の図なら、グラスをもつ手で「カンパーイ!」という。最初に正しくリアクションできた人がカードをゲット。たくさんカードを取った人が勝ち。
ほかにも、全員対象で直前に取ったカードのリアクションをやり直すもの、カードをめくった人のリアクションをするもの、両隣がお互いのリアクションをするものという特殊カードがあって、変化に富んでいる。
始まってすぐは、急ぐあまり間違う人が続出。この手のゲームは得意不得意もはっきりしているが、不得意な人でもすぐにコツをつかむ人と、なかなかつかめない人がいる。私は、はじめ調子がいいのにだんだん狂ってくるほう。みんなが慣れない序盤に集めたカードをペナルティで吐き出してしまう。頭をフルで使うゲームだが、変なポーズで変なことを言うみんなを見ているだけで楽しい。
Cin Cin
G.ブロッシア / カクテルゲームズ(フランス)
4〜8人用 / 12歳以上
2009年8月22日山形ゲームコンベンションにてプレイ