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アグリコラ―泥沼からの出発(Agricola: Die Moorbauern)

今春に日本語版が発売された『アグリコラ』に、拡張セット『泥沼からの出発』が発売される。日本語版もホビージャパンから同時発売の予定。10月のエッセン国際ゲーム祭でリリースされるが、メーカーから前情報が上がっているので、レビューしてみよう。
ボードゲームの最初にはカードが配られ、指示された通りに自分の農場に泥地タイルと森タイルを並べる。家・牧場・畑を広げるには、まずこのタイルを取り除かなくてはならない。タイルは合計8枚もあり、最初から空いているスペースのほうが少ない。何をするにも、まずタイルを取り除くところから。

特別アクションカードタイルを取り除くのが、特別アクションだ。「泥炭を掘る」、「焼畑」、「木を切り倒す」のアクションでタイルを取り除くことができる。ただ取り除くだけでなく、「焼畑」では森タイルがあった場所に畑ができ、「木を切り倒す」では木材が手に入る。通常のアクションと違って、家族コマは使わないが、いずれにせよ早い者勝ちなのでいつ取りに行くか悩ましい。
「泥炭を掘る」のほか、木材を交換して手に入るのが新たなアイテム「燃料」だ。収穫のたび、通常通り家族に食料を与えるほかに、部屋の数に応じて燃料を支払わなければならない。燃料が足りないと家族は病院行きになってしまい、次のラウンドのアクションが減ってしまう。食料も燃料も心配しなければならなくなって、農業経営はいよいよたいへんだ。
馬特別アクションで、新たな家畜である馬が手に入る。飼い方はほかの家畜と同じだが、1頭につき1点とたいへんお得だ。進歩カードで馬肉にすることもできるが、できるだけ食べないでとっておきたい。
泥地タイル、森タイル、燃料、馬。こうした新アイテムを使いこなすための進歩カードが入ってくる。小さい進歩カードが初心者用と上級者用の2デッキで118枚、大きい進歩カードが14枚あり、また遊ぶたびに新しい展開が待っているだろう。基本セットの職業カードを入れて遊ぶこともできるし、ソリテアルールもある。
泥沼からの出発アグリコラ拡張『泥沼からの出発』、来月発売予定(日本語版は遅れる可能性あり)。
Agricola: Die Moorbauern
U.ローゼンベルク/ルックアウトゲームズ
1〜5人用/12歳以上/プレイヤー人数×30〜45分
Lookout Games:Die Moorbauern

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マングローブ(mangrove)

美しさの裏に細かい工夫
2009年のゲームマーケットで最も注目を集めたブースといえば、賽苑であろう。その人気は、メビウスママさんも驚きの様子で伝えている(メビウスママのひとりごと:ゲームマーケット 2009 その1)。瞬殺で売り切れてしまったので、お目にかかれなかった人もいるだろう。また来年、同じ作品をもってきても十分売れると思われる。(ちなみに私も所有していない。)
とはいえ、この作品を見ると、手作業でいくつも作るのはたいへんだなと思う。色分けされた棒には、穴を開けてファイバーが通してある。台は彩色した何枚かの木を重ねている。見とれてしまうほど見事なコンポーネントで、どこかのメーカーが権利を買い取って工場で量産してほしいくらいだ。
ゲームは、『スティッキー』のように、一本ずつ抜いていって崩した人が負けというシンプルなもの。でもコンポーネントは見掛け倒しではない。棒を抜くと、下に色がついていて、次の人はその色の棒を抜かなければならない。その色の棒を抜くと、また別の色が現れる。くじ引きのような、しりとりのような楽しみ。ちょっと太い赤い棒は、指定された色がないときに抜くので、後半に出てくる。これに比べると、『スティッキー』で抜く色をダイスで決めるのはちょっとスマートでないかもしれない。
1本抜くたびに全体が動く。崩れるか、崩れないか? このドキドキ感がたまらない。
mangrove
?/賽苑
2〜4人用/6歳以上/5分
2009年8月22日山形ゲームコンベンションにてプレイ
マングローブ