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『アグリコラ』日本語版によせて

先日ホビージャパンから発売発表された『アグリコラ』の翻訳は、私が担当した。〆切までの短い期間、作業かかりっきり。新幹線の中ではノートパソコンの充電が切れるまで、家に帰れば泣き叫ぶ子どもも妻もそっちのけ、家事もすっぽかして没頭。鬼である。
『アグリコラ』とは17世紀ドイツの農業を描いたドイツのボードゲーム。畑を耕し、牧場を作って動物を飼い、家を増築し、家族を増やし、生活を豊かにしていく。世界的に人気の作品で、現在ドイツ語、フランス語、英語、オランダ語、ポーランド語、チェコ語、スペイン語、韓国語の8ヶ国語版が発売されており、さらに今回、イタリア語・ハンガリー語・スウェーデン語版と共に日本語版が作られる。 発売個数は年内に総計60000セットに達するという。
そのきっかけはミクシィのコミュニティ「アグリコラ」。コミュニティ発足記念に、メーカーのルックアウトゲームズ(ドイツ)に問い合わせたところ、忘れた頃にベルギーのカルタムンディから返事が来たのだった。個人では到底資金など出せないので、ホビージャパンにメールを送ったところ、とんとん拍子に話が進み、年内にも発売されるという話だ(同時発売されるイタリア語版のせいで遅れている模様。働け!イタリア人)。
カードは発売当初、知人から頼まれて自力で翻訳していたが(こちらで公開)、このたびルールを別の知人から譲り受け、それを元に練り直した。それにボードから箱裏から、テキストが書いてあるものは全部翻訳である。カードのほうも誤訳や不明瞭な箇所がたくさんあったのでドイツ語の原文と対照しながら全部チェックし直し。何しろ300枚もあるので、1枚2分でも10時間かかる。
ちょうど『翻訳はいかにすべきか』とか『ドイツ語翻訳教室』なんて本を読んでいたので、正確を期しつつ読みやすいような工夫(特に主語と代名詞の省略)をできる限り取り入れたが、結果として出来上がったものを自分で読んでみるとあまり満足の出来とはいえない。ただ、ドイツ語のルールを読む力はずいぶんついた気がする。恩師が以前、語学は毎日怠らないことだと仰っていたのを思い出す。
昨年の『ドイツゲームでしょう!』に匹敵するくらいのエネルギーを費やした『アグリコラ』、発売された暁にはぜひ手にとってみて下さい。
ホビージャパン:特報!! ホビージャパンより「タリスマン」と「アグリコラ」の日本語版が今冬発売!!

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エッセンの人気は『ドミニオン』

10月23日から4日間にわたって、エッセン国際ゲーム祭が開かれた。ボードゲーム専門誌のフェアプレイが毎年行っている人気調査の最終結果によると、『ドミニオン』が一番人気となった。
この人気調査では、フェアプレイ誌のブースで新作リストが配布され、来場者が遊んだゲームを5段階評価する。これをリアルタイムで集計して適宜ランキングが発表される。中間集計で上位のゲームには、試したい愛好者が殺到するほど。
集計では45票以上獲得したものだけがランクインしているが、票数が満たなかったものの高い評価を得たゲームもたくさんある。アメリカのズィーマンゲームズが発売したカワサキ氏のボードゲーム『カルタゴの貿易商』は2.27と、『パンデミック』より高い評価だった。
【フェアプレイ・スカウトアクション2008】
1位:ドミニオン(Dominion / D.X.ヴァッカリーノ / ハンス・イム・グリュック)1.75
2位:マチュピチュの王子(Die Prinzen von Machu Picchu / W.マックゲルツ / PD出版)2.15
3位:コムニ(Comuni / アッキトッカ / テンキゲームズ)2.17
4位:ダイヤモンドクラブ(Diamand Club / R.ドーン / ラベンスバーガー)2.2
5位:スノーテイルズ(Snow Tails / ラモント兄弟 / フラゴール)2.22
6位:パンデミック(Pandemie / M.リーコック / ペガサス)2.33
7位:アイスフロー(Ice Flow / D.コンラート、J.ストリーツ / LG)2.4
8位:エイジ・オブ・エンパイアIII(Age of Empires III / G.ドローバー / プロルド)2.45
9位:城の守り(Im Schutze der Burg / I.ブラント、M.ブラント / エッガートシュピーレ)2.38
10位:ウルク(Uruk / H.クーン、W.クーン / DDD)2.48
Fairplay:Die beliebtesten Spiele der Spiel ’08 – die Top Ten der Scouts
TGW:SPIEL’07閉幕(昨年の人気結果)