『砂漠を越えて』日本語版発売
輸入ゲーム販売のホビージャパンは今月、陣取りボードゲーム『砂漠を越えて』日本語版を発売した。アマゾンでは2月13日の発売予定となっているが、ボードウォーク(岡山)やアークライト(東京)が2月5日付で販売を開始している。2〜5人用、15〜45分、10歳以上、4200円。
『砂漠を越えて』(原題Durch die Wüste)は、日本でも人気の高いイギリス在住のドイツ人ゲームデザイナー、R.クニツィア氏によるもので、1998年にコスモス社(ドイツ)から発売された。砂漠を舞台に、ラクダのコマを置いてキャラバン隊を伸ばし、井戸やオアシスを囲んで確保する。囲碁の要素をもった陣取りゲームで、ルールはシンプルながら奥が深い。また、人が乗った色とりどりのラクダがボードに並ぶ様子は美しく、見た目にも惹きつけるゲームだ。
1998年にはドイツ年間ゲーム大賞ノミネート、ドイツゲーム賞4位を獲得し、オランダ、フランスでもゲーム賞にノミネートされている。また、『チグリス・ユーフラテス』、『サムライ』(ボードゲーム)と共に、クニツィア氏のタイル配置ゲーム三部作のひとつにも数えられる名作である。
今回ホビージャパンが発売したのは、ファンタジーフライト社(アメリカ)の英語版を元にしている。アラビア語風のロゴがゲームの雰囲気をよく伝えている。定番ゲームとして、ロングセラーになることが期待される。
4匹をボクに(Vier zu mir!)
チラリとしっぽが見えた
前回のレポートはこちら。タイトルの”Vier”は4という意味だが、発音が似ている”Vieh”(家畜)とかけているのかもしれない。1996年のドイツ年間ゲーム大賞でキッズゲーム特別賞受賞作。
カードに指示された動物を、記憶力を頼りに4匹集める。登場する24匹の動物は、カラフルに整形されたゴムでできており、筒から出てくるとまるで生きているかのよう。子供心を大いにくすぐるコンポーネントである。
配られたカードにはそれぞれ、4匹の動物がかいてある。自分の番には、ほかの人を指名して、その動物を持っているかどうか聞く。持っていればもらってもう1回。当たっている限り何回でも集められるが、外れれば次の人の手番になってしまう。
最初は当てずっぽうだが、次第に誰が何を持ってくるか分かってくるので、よく覚えておかなくてはならない。ところが家畜はたくさんいるので、前に出た家畜は曖昧になってくる。しかも8人で遊ぶとなったら、いったい誰がもっているのやら……。
動物はフィルムケースの筒に入っている。中には筒から尻尾がはみ出していて、どの動物か分かってしまうのもアナログゲームならではのよさ。記憶力だけではなく、観察力も問われるゲームである。子供と遊んで、長女が記憶力の強さを見せ付けて勝利。いろんな動物の名前を覚えられるのもよい。
Vier zu mir!
H.バーン作/ASS(1996年)
3〜8人用/5歳以上
(絶版・入手難)