ゲームマーケット2010:前日イベント
ゲームマーケットの前日となる5月29日(土)、午前10〜17時に同会場にて拡大ゲーム会が開かれる。一般に行われているゲーム会のように、参加者が自由にゲームを持ち寄り、テーブルを囲んでゲームを楽しもうというもの。参加費300円。事前申込不要。
主催するのはゲームマーケットの元主宰・草場純氏。テーブル80台、椅子400脚が準備される。前日イベントは昨年に続き2回目で、昨年はゲームマーケットで出展される新作のデモプレイなどが行われ、300名ほどが参加した。
当日のゲームマーケットでもデモプレイはあるが、時間が限られている上に混雑しているため、前日に遊べるものは遊んでおくのが吉。デザイナーからゆっくり話を聞くこともできる。販売はないが、予約できることもある。
会場へのアクセスはこちら。ぜひ行ってみよう。
・ゲームマーケット2010:拡大ゲーム会のお知らせ�@
・spielplatz:ゲームマーケット 事前情報中間まとめ
・TGW:昨年のプレイベントレポート
→ゲームマーケット2010:新作リスト(本日更新しました)
三頭政治の終焉(Das Ende des Triumvirats)
カエサルを帰さぬ
西暦前60年、元老院と対立したポンペイウスがカエサル・クラッススと密約し、実力による支配を強行。ポンペイウスはヘレニズム地域を、クラッススはエジプトを除くアフリカ北岸を、カエサルは未平定のガリアを担当し勢力圏とした。前53年カエサルの台頭を危険視したポンペイウスが、元老院と妥協、結託したため解消した。(山川出版社『世界史用語集』)
このゲームで3人のプレイヤーはそれぞれカエサル、クラッスス、ポンペイウスとなり、地中海沿岸を舞台に勢力を広げる。勝利条件は3つのうちいずれか。ローマ市民の支持を上げ執政官に2回選出されるか、14地域のうち9地域を征服するか、軍事・政治の権限を両方最大にするかである。お互いに牽制し、裏をかいたり、漁夫の利を得たりして、勝利を狙う。
手番にはまず自分の領地からお金や軍隊が出る。しかしそのまま手に入らないところがポイント。自分のコマをその領地まで移動して回収しなければならない。移動は1回に4エリアまでで、海も含まれる。その際に軍隊を同行させたり、途中で置いて行ったりすることで、軍備を固める。
移動中にほかのプレイヤーが支配する地域に入れば戦争。袋から武器コマを引いて、自分の色のコマだったら相手の軍隊を除去できる。その上で残った軍隊を相殺し、攻撃側が残れば征服となる。
そして最後にアクション。お金を払って権限を上げたり、支持を増やしたり、袋に武器を入れたりできる。権限が低いと、支持を増やしたり袋に武器を入れたりするのに余計にお金がかかる。
全体で7手番終わると1回目の選挙。このとき支持が最も多いプレイヤーが執政官に選ばれ、1エリアのお金や軍隊の補給を上げることができる。次も選ばれれば勝利となるが、1回選ばれると支持が減るのでまた地道に上げなければならない。でも支持を上げるのにばかり力を入れていると、その間に自分のエリアを征服されるかもしれない。偏りすぎてはいけないのである。
私はクラッススとなって民衆の支持集めに走る。鴉さんはポンペイウスで権限を上げ、ぽちょむきんすたーさんのカエサルは軍備を増強。はじめに与えられる土地で、こういう展開になるのである。私が1回目の執政官が目前というとき、軍備増強の弱いところを一気に攻め込んでカエサルが電撃勝利。9地域も取るのは無理と高をくくっていた矢先のことだった。お見事。
プレイヤーだけでなく、勝利条件も三つ巴になるように作られていて面白い。お互い牽制すると長引くかなと思ったが、どの勝利条件も確実に取りやすくなっていくので、スピーディな展開だった。ルールも例外処理がなくて見通しがよい。ルックアウトゲームズ(ドイツ)が『アグリコラ』でブレイクする前の作品だが、ドイツメーカーらしいゲーム哲学を感じさせるゲームである。
Das Ende des Triumvirats
M.ガブリアン、J.アクヴァ/ルックアウトゲームズ(2005年)
2〜3人用/10歳以上/80分
国内品切れ、海外で販売中