ゲームマーケット2010:500円ゲームズ
今年のゲームマーケットの目玉は、500円ゲームズというキャンペーンである。発足時に報じたように、ゲーム価格の上昇による弊害を危惧するデザイナーたちが始めたものであるが、たくさんの賛同者が集まり、27タイトルも出展されることになった。通常の新作が60タイトルあるので、新作の実に約3分の1が500円ゲームズということになる。
安価なので気軽に買えるのがよいところだが、注意点を2つほど。まず、ゲームの販売は各ブースで行われており、500円ゲームズのブースでは一部しか手に入らない。どのブースで販売されているかは、新作リストで確認しておこう。次に、製作数が全体に少なめで、中には10個などというところもあるのですぐ売り切れになることが予想される。ほしい方は早めに回ろう。
なお、500円ゲームズのブースでは、参加しているブースの案内図や、500円に収めるために各デザイナーが工夫したことなどをまとめたチラシを無料配布するということなので、もらうのを忘れずに。
参加するのはカワサキファクトリー、カナイ製作所、Hammer Works、操られ人形館などゲームマーケットの常連から、aduさんのように初めてゲームを作るという新人デザイナーまで幅広い。こうした事例を参考に、今後ゲームを作る人を増やすのも、500円ゲームズの目的となっている。
個別のゲーム紹介やコンポーネント画像は500円ゲームズのホームページにて。当日の説明はゲームマーケットのブログにて。
→ゲームマーケット2010:新作リスト(随時更新中)
→ゲームマーケット2010:前日イベント
タクタク・タクシー(Tuk-Tuk Taxi)
その先は通行止めでした
ヤフオクの常連gccw1800ことジョーヤマさんが、どうしようもないゲームがあるので遊んでほしいとサンプルを送ってきた。フィンランドに本拠を持つタクティックというメーカーのタクシーゲームである。しばらく棚に入れたままだったが、夜も遅くなり軽いゲームということで出してみたら、意外にも大盛り上がり。ぽちょむきんすたーさんがどこかで手に入らないかと言うほど。
基本はダイスを振ってタクシーを進め、街の中心で待っているお客さんを載せて帰ってくるレースゲームで、何往復できるかの勝負である。だがはじめは何もなかったボードに次々と置かれる交通標識で足を引っ張り合うのが楽しい。
ダイスを振る前にタイルを1枚めくって、交通標識だったら好きなところに置ける。そこに止まったらもう1回ダイスを振れる「駐車禁止」など有利になる交通標識はわずかで、ほとんどが足を引っ張るものばかり。手前で必ず止まらなければならない「一時停止」、反対方向から入れなくなる「一方通行」、行きたい方向に曲がれなくなる「右折禁止」、そして極めつけは通行ができなくなる「進入禁止」。なお、標識のイラストは日本と同じデザインで分かりやすい。
ちょっとでもリードしているとこういったお邪魔標識がコースにどんどん置かれる。そのたびに置かれた人が「ぐおー!」「なにー!」と身悶えするのが楽しい。なお、標識は上書きできるので、絶対出られなくなるということはない。
タイルは交通標識だけでなく、近くのガソリンスタンドへワープするガス欠、大きい目で通過するとスタートに戻されるネズミ捕りなどもある。袋小路で身動きが取れないときに出ればありがたいことも。
お客さんを乗せてネズミ捕りに捕まるというイリーガルな技で鴉さんが一歩リードした途端、付近のコースはほとんど封鎖されて後退。同じくネズミ捕りで客を乗せて帰ったぽちょむきんすたーさんと、回り道で追いついた私がデッドヒートを繰り広げる中、駐車禁止のリロールでぽちょむきんすたーさんが鼻ひとつ抜けた。
ダイス運と引き運だけのゲームといえばそれまでだが、タクシーのレースという分かりやすいテーマと容赦ない足の引っ張り合いですごく盛り上がった。
Tuk-Tuk Taxi
J.ウェリアス/タクティック(2009年)
2〜4人用/7歳以上/30〜45分
海外で発売中、国内未発売