エッセン2日目
いよいよ今日から会場に入る。重いヤポンブランドのカタログを持って、11時からのプレス会議に出席。終わってから新作プレビューを見て、準備に慌ただしい会場をうろうろする。
ドイツから遠い日本の存在感は確実に強まっている。再版された『ホッサ』(ビーウィッチト・シュピーレ)はさりげなくカードまで日本語化されている。『電力会社』(2Fシュピーレ)はついに細長い日本マップが登場。池田康隆氏の『シャドウハンターズ』はコスモス社からドイツ語版が登場した。各国語版の制作をてがけるルドファクトでは田邉顕一氏の『伊能大図』英語版が机に置かれていた。ヤポンブランドも前日から立ち止まる人が絶えない(荷物はまだ届いていないとのこと)。
またエッセンを訪れる日本人も多くなり、今年は少なくとも30人はいるようだ。ツイッターもエッセンからの投稿をよく見かける。ほとんどが知り合いか、知り合いの知り合いなのは、やはり狭い世界である。
ホビージャパンから翻訳を請け負ったのはローゼンベルクの『メルカトル』(ルックアウトゲームズ)、フェルトの『ルナ』(ホールゲームズ)、『ヴィニョス』(ホワッツ・ユア・ゲームズ)。エッセン渡航前に翻訳を終えた『中世の商人』『グラン・クリュ』(ともにエッガートシュピーレ)と共に、ホビージャパンから日本語ルール付きで販売されるだろう。
ほかにルックアウトゲームズから、レディボーン拡張『ムッターベーンヘン』、アグリコラのゲーマーズデッキ、妖精デッキをゲットしている。
夕方のドイツゲーム賞授賞式まで時間があったので、ずっと気になっていた『七不思議』(レポス)を遊ぶ。全員同時プレイで手札から1枚を出し、残った手札を隣の人に渡すというシステムで、7人まで短時間でプレイできるのが特徴。隣の人としか絡まずソロプレイ感が強いが、テンポよく遊べてよかった。
授賞式は19時半から。今年の入賞作品は多くが外国人の作で、メーカーの社長しか来ていないところも多かった。ベテランデザイナーが少なく、例年より盛り上がりに欠けたかもしれない。
しかし宿に帰ってからは妙に盛り上がった。10人ぐらいが輪になって、ゲームと関係ない笑い話を延々続ける。終わったのは26時。さあ、もう寝ないと。
エッセン1日目
メッセは水曜日からなので、火曜日は休養日である。日本人宿にいた8人は、ケルンでゲームショップ巡り、ヴッパータルでモノレール乗り、近くを散策と3組に分かれた。私は叔父がヴッパータルの大学で教えているというのを思い出して、ヴッパータル組に参加。エッセンからエスバーンという各駅停車に乗って45分。
ヴッパータルにと言い出したのはけがわさんである。1950年、象がこの街の名物モノレールに乗り、暴れて窓を破り、下の川に落ちたという話を聞いて、そのモノレールに乗ってみたいと思ったという。エスバーンを並行して、起伏に富んだ地形をモノレールが走っており、行く前はそれほど乗り気でなかった私も、だんだん楽しみになってくる。
ところが駅を降りて観光案内所に行くと、「モノレールは現在駅のリニューアル中で、来週の月曜まで全線運休している」という衝撃的な事実を知らされた。駅前にあるモノレール乗り場は、確かに扉が閉まっている。がっかりしながら、観光案内所で聞いたおもちゃ屋さんへ行ってみた。
ドイツにはボードゲームの専門店というものはほとんどなく、おもちゃ屋か、デパートのおもちゃ売り場で買う。といっても品揃えは決して悪くなく、思わぬ掘り出し物もある。小さい街ほど、絶版品が売れ残って安売りされていたりするので目が離せないというわけである。
おもちゃ屋さんを見終わってから、デパートのおもちゃ売り場、さらにお昼を食べてトイザらス。半ば予想されたことだが、結局ゲームショップ巡りとなった。コスモスの『羊のショーン:野菜サッカー(Shaun der Schaf: Gemüsefußball、2009年)』とクイーンの『高地の民族(Highland Clans、2009年)』を購入。けがわさんは5タイトル、しかも全部クニツィア。
お昼は屋外の屋台をめぐってカリーヴュルスト、ペキンズッペ、ベルギーワッフルなどをだらだら食い。1品2ユーロくらいなのでお買い得である。
1日リフレッシュして、明日はいよいよプレスの日。ヴッパータルからエッセン中央駅に帰ったとき、毎年来ていると楽しみという感覚もあまりなくなっているような気がした。