買うべきか拡張
所有ゲームの拡張が発売されると反射的に買いたくなるものだが、未プレイが多い中、本当に遊ぶか考えると、なかなか手に取れないでいる。
拡張というのは、基本セットを何度も遊びこんで多少飽きが来たころに入れてみるスパイスのようなものだと思う。愛好者の中には基本セットが微妙だから拡張を入れてみるという意欲的な人もいるようだが、そんな微妙なゲームだったら、拡張を入れる前に別のゲームを遊びたくなってしまう。
ハンス社が『カルカソンヌ』の拡張を出し続けているのは、箱に入っているアンケートハガキでリクエストが多いからだと、ブルンホファー社長は言っていた。いわば商業的な理由であって『カルカソンヌ』に新しい次元を開くというつもりはあまりないようだ。
この話を敷衍すると、拡張商法とでもいうべきものもあるのではないかと思えてくる。基本セットが売れたから拡張でフォローするのではなく、拡張を出す(出し続ける)ことで基本セットに注目を集めさせる。結局コケたけれども、ムーンの『ウォリアーズ』と同時発売された拡張『ドラゴンホーズ』(フェイス2フェイスゲームズ)にはそんな狙いがあったかもしれない。
拡張が出るのは必ずしも基本セットがヒットした証拠ではないとすれば、「拡張が出ているからひとまず基本セットを買ってみよう」というのも適切でないかもしれない。大事なのは拡張が出ているかよりも、自分の好みやプレイスタイルに合うかだろう。
過去を振り返ると『カタンの開拓者』は相当遊びこんだし、海シナリオも、騎士も、カタンブックも遊んだ。『カルカソンヌ』は川や大人コマを入れたことがあるくらいで、ほとんど基本セット。『ドミニオン』はこれまで全部買って一応遊んでもいるが、『繁栄』はもうどうしようかなと迷っている段階だ。『レース・フォー・ザ・ギャラクシー』は第1拡張を薦める人が多いが基本セットしか遊んだことがない。
このようにだんだん拡張を遊ばなくなっているのは、新作のリリースが相次ぎ、やりこむゲームが少なくなってノンリプレイ派化している状況もある。それどころか、広く浅く遊ぼうとしても、遊びきれないほどたくさんリリースされている以上、絞りこまざるを得ない状況になっている。そんな中で拡張を買っても、いつまでも未開封新品のままになってしまう。
ただ、基本セットに拡張を加えてどんどんパワーアップさせたくなる気持ちもある。なので、拡張はすっぱりと買わないという決断もできず、躊躇している。一度集めだすとコンプリートしたくなる性格も怖いところだ。
TGF2010F、来場者大幅増
11月28日(日)、東京都立産業貿易センター(東京・浅草)にて、第7回となるテーブルゲームフェスティバル(TGF)が開催された。出展団体は74団体で昨年から30団体増、来場者は1500名で昨年の2倍となった。
来年からは「ゲームマーケット秋」と改名されるため、「テーブルゲームフェスティバル」という名称では最終回。略称にもファイナルの「F」が付けられた。はじめは春のゲームマーケットに出展する同人ゲームの試作品テストプレイがメインだったこのイベントも、今回は完成品の販売が増え、名実ともにゲームマーケットに近づきつつある。
来場者増に伴い、子供連れの姿も目立った。すごろくやは「巨大イチゴリラ」の体験コーナーを設け、エッセン国際ゲーム祭のハバ社のブースさながらに、子供たちが楽しむ姿も見られた。この点でも、2200名が来場した今年のゲームマーケットに雰囲気が近い。
会場では恒例のスタンプラリーが好評で、ゲームマーケット秋でも続けてほしいという声が寄せられた。ほかにもホビージャパンで1回500円のくじ引きが行われるなど、お祭りらしいイベントとなった。
参加者によるレポートは下記のブックマークをご覧下さい。
・TGF2010 F公式サイト
・はてなブックマーク:TGF2010