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『ドイツゲームでしょう!』補足版

拙著『ドイツゲームでしょう!』の2009年度の受賞作品を紹介した補足版が、グランペールのホームページにて、PDFデータで公開されました。ダウンロードしてお読み頂ければ幸いです。なお、印刷したものを今年のテーブルゲームフェスティバルで配布し、約350枚ほど用意した分は全てなくなっております。
『ドイツゲームでしょう!』は、ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)、ドイツ年間キッズゲーム大賞(Kinderspiel des Jahres)、ドイツゲーム賞(Deutscher Spielepreis)、アラカルトカードゲーム賞(à la carte Kartenspielpreis)という、ドイツを代表する4つのゲーム賞の受賞作を全て網羅して紹介している本です。今年は『ドミニオン』が3つの賞を総なめにしてしまったため、ドイツ年間キッズゲーム賞の『魔法のラビリンス』と2タイトルのみの紹介に留まりました。『ドミニオン』はシリーズ3タイトルが全て日本語版で発売され、今年はドミニオンイヤーだった(発売は2008年ですが)ように感じます。
今年のエッセンで発売された新作は、ワーカープレイスメントを用いた作品ばかりで面白いものが多かったとはいえ同工異曲の感が否めませんでした。来年はどんなゲームが人気を集めるのでしょうか。来年もまた『ドイツゲームでしょう!』のレビューを書いて紹介していきたいとと思います。
グランペール:『ドイツゲームでしょう!』補足版(PDF)

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スープキッチン(Suppenküche)

オレのジャガイモが!
競りで3種類の野菜を集めるフランスのカードゲーム。『リズム&ボール』や『ロボットマスター』といった缶箱入りの手軽なカードゲームを数多く出しているカクテルゲームズがオリジナルだが、フッターからドイツ語版も発売されている。カクテルゲームズが輸出に積極的でないらしく、日本ではなかなか手に入りにくいが、このところ注目しているメーカーだ。
手番には3枚引き、そのうち1枚を表にして、3枚1組で値段をつけて競りにかける。安いカードを見せ札にして安い値段をつけて油断させてもいいし、高いカードを見せ札にして高い値段をつけて期待をもたせてもいい。競り落としたら残り2枚もオープン(何だったかはもろバレ)。手札のカードで支払い、残りの人で均等に分ける。
野菜カードは山札に8枚しかなく、ほとんどがお金カードで、あとはアクションカードが少々。当たりの野菜カードが来たときに、察知して競り落とせるかが第1のポイントである。手札に野菜を3種類集めたら勝利できるから、簡単に人に渡したくない。
アクションカードは、野菜名を指定してほかの人から奪うネズミカードと、手札から3枚引いて好きな1枚を奪うおばあさんカードがある。おばあさんカードはアクションカードの防御にも使える。どの野菜を誰がもっていったかよく覚えておこう。
さらにバリアントルールでは、勝利宣言した人に野菜を捨てさせるカブと、もっていると上がれないハエがある。どちらも上がりにくくするカードだが、いずれにせよ山札がなくなれば終了なので、ゲームは15分とあっさり。これだけ軽い競りゲームもあまりないだろう。競りも順番なしで、3つ数える間に競り上げなければいけないためスピーディーである。
競り落としたばかりのジャガイモがcarlさんにマークされていた。防御するおばあさんもなく、ネズミで持っていかれる。代わりに1枚もらえることになっているが、当然一番安いお金カード。カブカードを手に入れたが、警戒されてしまいそのままゲーム終了となった。上がらずに野菜カードを溜め込んだcarlさんの勝利。
Suppenküche
J.-M.クーティル/フッター(2008年)
2〜4人用/10歳以上/15分