ビーンストーク(Beanstalk)
落として揃えて建てて
『ぷよぷよ』のような落ち物パズルをもとにした建設ゲーム。昨年のゲームマーケットに『テラフォーマー』で注目を浴びた寺島由人氏が、秋のテーブルゲームフェスティバルに発表した作品である。カードゲームが多い同人ゲーム界において、デビューした年にボードゲームを2タイトルも発表したことから、急激に注目されている。落ち物パズルを建設ゲームにしてしまう発想がすごい。
舞台は地球上のある島。宇宙からの貿易品が落ちてくる軌道エレベータ、ビーンストークがある。ビーンストークでは、落ちてくる商品タイルが4つつながると、各プレイヤーに分配される。商品はそのまま得点にしてもよいが、さらに建物を作ればその効果でゲームを有利にすすめることができるだろう。
手番にはランダムに商品タイルを2枚取り、縦につなげてビーンストークの上から落とす。同じ商品が4枚つながると分配。建物の効果によって取れる枚数が異なり、なくなり次第終了なので全く取れないことも。ビーンストークに残った商品は下に詰めるので、いわゆる連鎖も起こる。分配が起こっても商品をもらえなさそうなときは、わざとタイルを離して置く。
そのあとで建設。コストとなる商品を支払って、建物タイルを取る。以降、取れる商品が増えたり、エレベータや捨て札から取れるようになったり、タイルを交換できるようになったり、得点パターンが増えたりする。建物の種類は17種類。出てくる順番や組み合わせによって戦略も変わるが、建物自体は全く得点にならない。後半になると、建てるか商品を貯めるかが悩ましい。
補充する商品がなくなるか、建物タイルがなくなるか、商品タイルがエレベータの一番上までいったらゲーム終了。この3つの終了条件は、商品集めまくりか、建物建てまくりか、お互い邪魔しまくりかという全く別の展開を生む。最後は、商品4種類1セットで1点、寺院という建物があれば、黄色の商品3枚で1点で、合計点数の多い人が勝ち。
手に入る商品は建物によって決まり、また建設で使ってしまうので、4種類集めることが難しい。どうしても偏ってしまうものを、建物の効果で多種類にできるかがカギ。鴉さんがどの商品でも取れる研究所でリードし、そのまま黄色のタイルを2枚取れるバイオ農場と、黄色のタイルが得点になる寺院のコンボで1位。私は青の商品を2枚にできるナノマシン工場で商品を増やしたが、偏りを解消できなかった。
商品分配を起こすべきか、建物を建てるべきかなど、考えることが結構あって重めだが、建物が増えてできることが多くなっていくのが楽しい。オリジナリティあふれるシステムが印象的な作品である。『テラフォーマー』と共に、海外進出も狙ってほしい。
Beanstalk
寺島由人/遊星からのフリーキック(2010年)
2〜4人用/8歳以上/30分
遊星からのフリーキック:ビーンストーク
『あいどるプロジェクト』発売
アークライトは本日、アイドルスカウト・カードゲーム『あいどるプロジェクト』を発売した。3〜5人用、12歳以上、60分、3800円。
プレイヤーは芸能プロデューサーとなり、アイドルたちをスカウトして最強のアイドルユニットを作り、ドーム球場でのコンサート開催を目指す。でも、彼女たちには「所属するならこんな事務所がいい」という希望があり、気に入った事務所としか契約してくれない。そのため有能なスタッフを雇ったり、レコーディング施設を充実させたりして魅力的な芸能事務所を作っていく。
しかし契約しても、番組アシスタントや野外ライブなどの仕事をこなしてもらわなくてはならない。ときには維持費が高くて放出せざるをえないことも。うまく事務所を切り盛りして、至高の名プロデューサーをめざそう。
アークライトでは萌えイラストのオリジナルカードゲームをシリーズ化しているが、デッキ構築でないのは『けもぱに』に続いて2タイトル目。今回は、138枚のカードのほかに紙幣85枚もついてくる。一方、デッキ構築は7タイトルに達しており、来月には8タイトル目の『くにとりっ!2』も発売予定だ。
・アークライト:あいどるプロジェクト