プライバシー激辛(Privacy – Scharf wie Chili)
抑圧された自分を解放
性的な趣味、隠したい過去、配偶者への本音―公言がはばかられることを聞いて、イエスと答えた人数を予想するコミュニケーションゲームの第3弾。今度は小箱になり、タイトルのとおり質問が過激になっている。旅行先で開放的な気分になったところで遊ぶ用に作られているのだろう。
「右どなりに座っている人の口に今ここでキスしたい」「自分の〇〇に秘密の名前を付けている」「リビングのテーブルの上で〇〇したことがある」「誰かを〇〇する/〇〇される妄想をよくする」……こんな問題が出される。手元からイエス/ノーのチップを裏にして出してこっそり回答。誰が何の回答だったか分からないようにする代わり、正直に答えなければならない。
次に手元のカードで、全体で何人がイエスだったかを予想。回答チップを箱の中でよく混ぜてオープンし、予想が正解だった人、1つ違いだった人に得点が与えられる。1人だけイエス、1人だけノーだった場合は、回答者が特定されるのを防ぐため、1つ違いだった人のみ公開して得点する。
問題のほとんどは下ネタか、配偶者・恋人への本音を問うもの。作者のシュタウペは、ずっとこんな問題を考えているのかと思うと相当の変態である。出題はランダムに決まるのがルールだが、参加者に合わせて傾向を変える必要がありそうだ。今回は未婚の男性がほとんどだったので最初から最後まで下ネタ全開。規定ポイントが多くて後半はだれてしまったので、ポイントを少し少なくしてもよいかもしれない。
Privacy – Scharf wie Chili
R.シュタウペ/アミーゴ(2010年)
5〜12人用/16歳以上/60分
国内未発売
プゥー(Prrrt…)
おならの犯人は誰か?
密室で起こったおなら事件の犯人をつきとめるフランスのパーティゲーム。昨年のエッセンで先行発売があり、今年から正式発売される予定となっている。ハエを押し付ける『モウ(Mow)』の続編で、箱を開けると早速、「プー」と音がする。
はじめに0〜7の悪臭ポイントが書かれたカードが配られる。この合計が一番多い人(同点の場合は、より臭いカードを持っている人)が犯人ということになる。徐々に公開されるほかの人の悪臭カードから、誰が犯人かを探ろう。でももしかしたら、犯人は自分かもしれない。そうだとしたら、最後まで隠し通すか、早々と白状するか。
スタートプレイヤーから順に、となりの人に「何かくせえぞ、お前が犯人だろ?」(セリフは自由)みたいに尋問していく。しらを切るならば、手札から1枚カードを公開して、次の人を尋問。白状するならば、場札の羞恥カードを受け取って失点となる。
1周して皆がしらを切った場合、羞恥カードが追加される。だから明らかに自分の悪臭ポイントが多いようであれば、早々に白状したほうがダメージが少ない。でもそこは人間の尊厳。自分が犯人だとうすうす気づいていても、しらを切ってしまうものだ。
こうして3周、誰も犯人を名乗り出なかったとき、最後の審判が下される。公開されたカードや言動から、犯人だと思う人を一斉に指さす。悪臭カードを公開して、犯人だと確定した人は場札の羞恥カード(シチュエーションによって増減する)+指さされた分の羞恥カードを受け取る。
しらを切っているうちに状況が変わることもある。悪臭カードには特殊効果があって、悪臭カードを交換したり、押し付けたり、捨てたりできる。悪臭ポイントの強いカードほど効果も強力なので、諦めてはいけない。
尋問は隣の人にしかできず、カードの特殊効果で何とかなることも多いので、ブラフゲームという感じでも、推理ゲームという感じでもない。それでも「やばい、俺かな……」とだんだん焦ってきて、手札を公開するにつれ追い込まれてくる感じは、ほかのゲームでは味わえない独特のプレイ感。エレベーター内、ラブホテル内(ばればれだろうけど)など、シチュエーションに合わせて、皆でクサイクサイ言い合うのは妙に盛り上がる。人数多めでワイワイ遊ぶのがよい。
Prrrt…
B.カタラ、L.モーブラン作/ウリカン(2011年)
3〜7人用/8歳以上/15分
ホビージャパンから限定販売終了、一般販売未定