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フリップ7(Flip 7)

もう1枚行くか、それとも降りるか

同じ数字をめくる前に降りて得点することを目指す運試しゲーム。『テレストレーション』のUSAポリーゲームズ(アメリカ)が2019年に改名したOpゲームズから発売され、コスモス社から発売されたドイツ語版がドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた。ゴールデンギーク賞ではパーティーゲーム部門で大賞、ライト級年間大賞でノミネートされている。

手番には山札から1枚、カードを自分の前にめくっていくだけ。数字カードは0~12があり、12は12枚、11は11枚、10は10枚……1は1枚、0は1枚という構成になっている。めくったカードがすでに持っている数字と同じだったらドボンで0点。その前に降りれば、数字カードが得点になる。得点が高いほどドボンになる確率が高い。

特殊カードは得点を補正するカードと、強制的に降りなければならない「フリーズ」、ドボンになっても復活できる「セカンドチャンス」、3枚連続で引く「テイクスリー」の3種類。誰に対して使っても良いところがポイントで、状況を見てトップを追い落とすのに使える。

全員が降りるかドボンするとラウンド終了。あるいは誰かが数字カードを7枚無事にめくれたらタイトルの「フリップ7」でラウンド終了となり、ボーナス15点がつく。誰かが合計200点になったラウンドでゲーム終了で、合計点の最も高いプレイヤーが勝者となる。

山札がなくなるまでリシャッフルしないので、ある程度のカウンティングはできるが、それでも運と度胸が大部分の坊主めくり。得点が競っているときなど、もう1枚めくるか、アクションカードを誰に使うかで生まれるドラマが楽しい。

Flip 7
ゲームデザイン:E.オルセン/アートワーク:O.メービル
Opゲームズ(2024年)
3~18人用/8歳以上/20分

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ウキヨエ(Ukiyo-E)

溜め込んでいたらラウンド終了

歌麿、写楽、北斎、広重……浮世絵を絵師別に他プレイヤーより多く集めて個展を開くカードゲーム。M.シャハトのデザインでラベンスバーガー(ドイツ)が2003年に発売した『クレイジーチキン』のカード構成を変え、4人まで遊べるようにした。なおシンプリーファン(アメリカ)がテーマを自動車に変えたリメイク『ドライブ』(2005年)も4人まで遊べるようになっている。

7人の絵師が登場するが、カード枚数は絵師によって異なり、枚数が多いほど得点が高い。5枚の手札から始め、手番には捨て札の一番上か山札から2枚引いた後、1枚捨てるか、同じ絵師のカードを公開して個展を開く。同じ絵師の個展を誰かが開いている場合、その枚数を上回らなければならない。上回られたものは捨て札になる。

一度公開したら、後から同じ絵師を引いても付け足せないため、どこまで貯めて出すかが悩ましい。早く出せば枚数が少なくて他プレイヤーに上回られるかもしれないし、いつまでも待っているとラウンドが終わってしまう。ラウンド終了は山札がなくなるか、6人目の絵師で個展が開かれた場合。次の手番は来るのかを考えてタイミングを図る。

ラウンド最後まで生き残れたとしても、得点になるのは絵師ごとに一番小さい数字のカード1枚だけ。枚数をかさ増しするために、得点の小さいカードを入れるべきかどうかも悩ましい。短時間でユーロらしいインタラクションとジレンマが堪能できる。

ウキヨエ
ゲームデザイン:M.シャハト+佐藤敏樹/アートワーク:TANSAN
さとーふぁみりあ(2025年)
2~4人用/10歳以上/20分