リバース~再生~(Rebirth)
スコットランド/アイルランドを舞台にしたクニツィアのエリアマジョリティ(陣取り)ゲーム。マルタの出版社がエッセン・シュピールに出展し、スカウトアクションでも高評価(キッズ・ファミリーゲーム、規定票未満)を得た。コンポーネントの多さから重量級の雰囲気があるが、手札のタイルは1枚だけという思い切りの良さでサクサク、テンポの良いプレイが楽しめる。
手番には自分のタイルをボード上に置くだけ。タイルは3種類あり、家は市街地内に、エネルギーと食料は市街地外に置く。市街地外はエネルギーか食料が指定されているところと、どちらでも置けるところがある。
タイルを置いたら、エネルギーと食料はそのタイルからつながっている同じ色・同じアイコンのタイルの枚数だけ得点。家は市街地内が埋まったら家の軒数のマジョリティ(同数の場合は先に置いていたほうが優先)で得点が分配される。
お城は、周囲のマスのマジョリティ(同数の場合はエネルギーと食料>家、それも同じなら先に置いていたほうが優先)で所有者が決まり、ゲーム終了時に所有していれば5ポイント。最後に取っていればいいが、だんだん場所がなくなっていくので逆転は難しくなっていく。
隣接するマスにタイルを置くと特典が得られる修道院/塔は、マップによって扱いが異なる。スコットランドマップの修道院では個人ミッションカードを獲得し、ゲーム終了時までに達成できればボーナスになる。一方、アイルランドマップの塔では、追加手番やボーナスなどの即時効果がある。1か所につき1人1回まで。
この他に、アイルランドマップでは早い者勝ち・先着2名の共通ミッションカードがある。全員が予め除いていた分以外の手札を使い切ったらゲーム終了で、未完成の市街地などの点数を足して得点の多い人が勝ち。
タイルをつなげれば得点がどんどん高くなるが、そこから離れたところのマジョリティも取りたい。要衝は埋まる前に確保しておく必要があり、さらにミッションカードで指定された条件を満たそうとなると、置く場所にはいろいろな戦術がある。市街地と城の二重エリアマジョリティ、連続ボーナス、接続ボーナス、ミッションカード条件のどれを取ってどれを捨てるか。他プレイヤーが高得点を封じる手はどこにあるかなど、インタラクティブでタクティカルな楽しさがある。
名作エリアマジョリティ『砂漠を越えて』『サムライ』の発売から27年。その発展形がここにある。
Rebirth
ゲームデザイン:R.クニツィア/イラスト:A.プルジビルスカ&K.レデスシウク
マイティボード(2024年)
2~4人用/10歳以上/45~60分
リバース(Rebirth / Knizia / Mighty Boards, 2024)
個人目標のスコットランドマップ。個人目標カードを取るには各地に点在する大聖堂周りにタイルを置かなければならならず、タイルがつながりにくくてマジョリティが取りにくいというジレンマ。タイルは毎手番1択なのでテンポが非常によい pic.twitter.com/A9iUsjgow0— Table Games in the World / ボードゲームニュース (@hourei) January 2, 2025
『クロノロジック:パリ1920』追加シナリオ日本語版、2月22日発売
テンデイズゲームズは2月22日、『クロノロジック:パリ1920(Kronologic: Paris 1920)追加シナリオパックIV オペラ座の大混乱(Panique à l’Opera)&V 呪われた恋人たち(Les Amants Maudits)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:F.グリデル&Y.ルヴェ、イラスト:A.アポラー&Y.ヴァレアニ、1~4人用、10歳以上、30分、2860円(税込)。プレイするためには『クロノロジック:パリ1920』基本セットが必要。
オリゲームズとスーパーミープル(ともにフランス)による推理ゲームの追加シナリオパック。どちらもオリジナルは2024年の発売で、1パックにまとめた。
「IV オペラ座の大混乱」では、爆弾テロを起こした2人の逃亡犯が警察に指名手配されている。警察によると、犯人の男女は2人きりで爆弾を仕掛け、夜が更けてから爆発したという。誰が犯人かを突き止め、爆発の犠牲者を特定する。
「V 呪われた恋人たち」では、パリ・オペラ座管弦楽団の魅惑的な演奏で満たされた楽しい夜、客たちは輝くシャンデリアと金色の装飾の下で楽しむ中、呪われた恋人たちは誰なのか探し当てる。
どちらも難易度が4~5/5で基本セットの3つの事件よりも高め。情報を集め、怪しい人物や被害者の足取りを追い、他プレイヤーよりも先に事件を解決しよう。