2024年の日本語版ボードゲーム発売、過去最高タイトル数に
今年1年に発売された海外ボードゲームの日本語版は237タイトルであることが当サイトの調べでわかった。落ち込んだ昨年から40タイトルも増加し、過去最高となった。
一昨年までの水準に回復した背景として、コロナ禍とウクライナ侵攻による流通の混乱が収まったこと、物価高や円安による価格上昇にユーザーが慣れてきた(麻痺してきた?)こと、世界各国でレベルの高い作品がリリースされるようになったことなどが考えられる。ゲーム賞を受賞したタイトルばかりでなく、小箱から重量級まで幅広く会社が拾い上げられている。
昨年200タイトルを割り込んだ際、流行り廃りが激しい中での在庫リスクや、ロングセラーや定番の人気による新規注目度の低さを原因として考察したが、それらが解消されたとは言えないだろう。新作のヒットは少なくなり、値崩れや在庫処分を多く見かける。フランスのゲームデザイナー、B.カタラ氏は、35ユーロ前後(日本円で6000円+α)のゲームは近年すぐに遊ばれなくなりがちで、出版社が消極的になっていると述べている(ソース)。
一方でリリース数の増加は多様性をもたらし、誰でも遊んでいるタイトルや、誰にでもおすすめできるタイトルが減る一方、各グループの好みに応じて好きなものを取り上げられるようになった。15分クラスの軽量級は物足りないが、3時間クラスの重量級はきつくなってきた管理人としては、中量級のユーロスタイルの選択肢が広がっていることが嬉しい。購入を絞ることで積みゲーを出さないだけでなく、同じタイトルを繰り返し遊ぶよう心がけている。
1万円以上のボードゲームも29タイトルと過去最高を記録。ぎりぎり9900円で踏みとどまっているものも少なくない。8タイトルに1タイトルの割合で1万円を超えている計算だ。
バッグビルドで患者治療『クアックサルバー ザ・デュエル』日本語版、2月7日発売
アークライトゲームズは2月7日、『クアックサルバー ザ・デュエル(Die Quacksalber von Quedlinburg: Das Duell)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:W.ヴァルシュ、イラスト:D.ローハウゼン、2人用、10歳以上、45~60分、4620円(税込)。
2018年にドイツ年間エキスパートゲーム大賞を受賞したバッグビルドゲームを2人専用にアレンジし、今春発売された。クエドリンブルクの魔法医師たちが、ギルドマスターの跡目を競って患者を治療する。
毎ラウンド、まずコインを振ってボーナスを選んだ後、薬袋から薬材チップを1枚ずつ引いて薬ビンボードに配置する。薬材チップは9色あり、さまざまな効果を持っている。白以外の薬材を3枚引くか、白い薬材がたまって爆発するか、適度なところでやめたら薬づくりフェイズ終了で、薬剤をアップグレードしたり、新しい薬剤を仕入れたりする。
効果の中で11人の患者を自分の側に移動させるものがあり、2人のプレイヤー間で取り合う。こうして先に6人の患者を治療するか、7ラウンドでより多くの患者を治療したプレイヤーが勝者となる。患者を手固く進ませるか、それともリスク承知で一気にゴールさせるのか、度胸と冷静な判断が求められる。
内容物:マーケットボード 1枚、薬材解説カード 15枚、材料チップ 170枚、ラウンドカード 23枚、ボーナストークン 5個、ボーナスコイン 3枚、診療テント 2枚、患者コマ 11個、市長コマ 1個、金トークン 25個、5金トークン 5個、薬袋 2枚、薬ビンボード 2枚、ルール説明書 1冊、解説シート 1枚(カードサイズ:75mm×105mm)