飛行船都市(Airship City)
縦横無尽の建設競争
浮遊する飛行船を巡って資源を集め、新たな飛行船や公共施設などを建設するリソースマネージメントゲーム。ゲームマーケット2018秋でanalog lunchboxから発表され、エッセン・シュピールにも出展された。今年、ポルトガル年間ゲーム大賞にノミネートされている。ほかの4タイトルが『ルート』『ブラックアウト・ホンコン』『アンダーウォーターシティーズ』『テオティワカン』だから、いかに高く評価されたかが分かるだろう。
ポルトガル年間ゲーム大賞にノミネート中
手番には、4×4に並んだアクションタイル上で、自分のコマを移動させてアクションを行う。コマは縦横に1マスしか移動できないが、自分のコマははじめ2個あって、1個を踏み台にしてその先に進めるため、選択肢は結構多い。ただ、次の手番のことを考えておかないと行き詰まることもある。
アクションは資源(木材、鉄材、歯車)をもらうものがアクションタイルの半分で、あとは造船、自分のプレイヤーボードの改築、契約の達成、公共施設の建設、自分のコマの追加という資源を支払って行うもの、あとはタイルの位置を『ラビリンス』のようにずらす灯台と、全員集合する港がある。複雑な効果はないが、集めた資源を何に使うかで戦略が分かれる。
造船すると、すぐに売却して即金を得たり、その後のアクションで資源が割引になったりする。レベル1から建設していって、レベル3まで行ければ強い効果が得られ、またゲーム終了時にボーナスも期待できる。木造船、金属製の船、遊覧船の3種類あるのも面白い。
改築はストックできる資源が増えるほかに、紋章を獲得して、対応するアクションを行うたびに追加の資源などをもらえるようになる。契約の達成は手っ取り早い収入源。公共施設は得点も高いがコストがかなり高いので、終盤までに何とか建設したいところだ。
自分のコマを追加すると、1手番に3アクションができるようになり、しかも踏み台が増えるので遠くのアクションタイルまで手が届く。できるだけ序盤に追加しておきたいところだが、追加するためのコストは10金という大金で金策に走らなければならない。
4ラウンドで1ステージ、5ステージでゲーム終了。建設したものや、飛行船・公共施設・契約を多く行ったプレイヤーにボーナスが与えられ、勝利点で勝負する。
3人プレイで75分。まずはコマの追加だろうということで、造船が出遅れたので契約を細かく達成する作戦。結局追加できたのが中盤ぐらいになってしまい、その分で遅れた改築などで手に入る資源が増えず、船はレベル2まで、公共施設なしという結果に終わって2位。まんべんなく作っていくバランス型と、どれかに特化していく一点突破型のどちらでも勝ち目があり、研究のし甲斐がある作品である。アクションタイルを『ラビリンス』のようにずらす灯台が、飛行船というテーマの雰囲気をよく表しているだけでなく、アクションの効率的な組み合わせを目指すプレイヤー間の位置取りを面白くしている。
飛行船都市
ゲームデザイン・須賀正樹/イラスト・柴田沙央里
analog lunchbox(2018年)
3~4人用/14歳以上/75~120分
ダンジョンを探索してレベルアップ『マッシヴ・ダークネス』日本語版8月8日発売
アークライトは協力型ダンジョン探索ゲーム『マッシヴ・ダークネス(Massive Darkness)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・R.グイトン&J.B.ルリアン&N.ラオール、イラスト・E.グイトン&J.ヘンドリクス、1~6人用、14歳以上、120分、14200円(税別)。
『ゾンビサイド』のデザイナーチームがデザインし、CMON社(シンガポール)からキックスターターを経て2017年に発売された作品。数多くのミニチュアが付属し、それに基づいて同じ年に拡張セットが発売されている。
プレイヤーはクエストを選び、勇者を1人ずつ選んで全員で漆黒の地下迷宮へと降りてゆく。闇の中をさまよいながら、待ち受ける守備隊や徘徊する怪物と戦い、経験点や伝説的な武器を獲得する。クエストをクリアし、経験点を用いて成長させ、ライトブリンガー〈光もたらす者〉と呼ばれる栄えある存在を目指そう。
勇者は、ドワーフ、エルフなど個性豊かな種族とクラスを組み合わせて選ぶことができ、難易度の異なるクエストも10本収録(オリジナルシナリオも作成可能)。精巧で躍動感のあるミニチュアによって、臨場感のある冒険を楽しめる。
内容物:ミニチュア75体、両面仕様の地図タイル9枚、ステータスボード6枚、クラスシート6束、カラーベース6個、特製の戦闘ダイス12個、マーカー18個・トークン類106個、ルール&クエスト集1冊、カード299枚(カードサイズ(mm):89 × 63.5(6枚)63.5 × 89(62枚)41.5 × 63.5(231枚))