スライドクエスト(Slide Quest)
いきなり走り出して焦る
4方向から台を傾けて、ボード上の騎士をゴールに導くアクション協力ゲーム。いつもボードゲームをしている小学生に遊んでもらったところ延々と遊び続け、次に遊びたい子で人だかりができるほどだったため、後日大人だけで遊んでみた。
今回のステージ(1~20面まである)を台に設置し、騎士をスタート地点に置いてスタート。レバーを押すと台がその方向に上がり、中にボールが入っている騎士が滑っていく仕掛けだ。
途中には穴があり、騎士が落ちるとライフを失う。また倒すとライフを失うダイナマイトや、騎士で押し込んで穴に落とす番兵やボスも徐々に登場する。ライフがなくなったら全員が負け。その前に規定ステージをクリアすることを目指す。
ちなみに、キッズゲームとしてありがたいのは、大人が最初のルール説明だけすれば、あとは基本、子どもたちだけで遊べるところにある(ダイナマイトと番兵は、登場したときに説明する)。ルールの運用を間違っていないかしばらく見守らないといけないキッズゲームは意外と多い。子どもたちが自分たちで運用できれば、別のテーブルのルール説明にとりかかることができる。
また、4方向あるので基本的に4人用だが、2人で2方向ずつ担当しても、3人で1人が2方向担当しても遊べる。1人で2方向担当しているからといって、ゲームが楽になるわけではない。
さて、大人だけで遊んだ場合はどうだったかというと、失敗すると思わず声が上がるくらい夢中になれた。まず第一に、第1ステージから結構難しく、子どもだましではない。第二に、チームワークが成否を分ける。斜めに滑るところは2人が息を合わせて同じくらい傾ける必要がある。協力ゲームにありがちな独りよがりや奉行がいると、なかなかうまくいかない。第三に、ゲーム中にどんどんスキルが上がっていく点。ステージが進むにつれて難易度も上がるが、微調整もできるようになってくる。じわっと動かす人や小刻みな振動を与える人など、いろんな技も出てくる。
4人プレイで30分。番兵やボスを穴に落とすクエストが非常に難しく、結構なライフを削られた。スキルが上がって余裕だなと思った途端、何かの拍子に騎士がいきなり猛スピードで走り出して穴に落ちることも。集中力とチームワークが試される作品。ぜひ皆で腕を磨いて最終ステージまでクリアしたい。
Slide Quest
ゲームデザイン・J.F.ルシャス&N.ブルゴワン/イラスト・S.エスカパ
ブルーオレンジゲームズ+テンデイズゲームズ(2019)
1~4人用/7歳以上/15~45分
協力と裏切りの逃走ゲーム『ケルベロスの試練』日本語版、9月12日発売
アークライトは9月12日、『ケルベロスの試練(Cerberus)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・P.ブティ、イラスト・P.プレ、3~7人用、10歳以上、45分、4800円(税別)。
『10ミニッツ・トゥ・キル』のラ・ボワット・ドゥ・ジュ(フランス)から昨年発売された作品。地下世界に迷い込んだ冒険者たちが、地獄の門番のケルベロスから逃れて脱出することを目指す。
手番ではカードをプレイして、自分や仲間の冒険者を進ませたり、後退させたりすることができる。カード効果は自分だけだと小さく、グループ全体だと大きくなるため、協力して生還したいところだが、帰りのボートには全員分のスペースがなく、遅かれ早かれ、誰かが犠牲になることになる。
ケルベロスに捕まってしまった冒険者はケルベロス側に加わり、元仲間たちの逃走を妨害してケルベロスに捕まらせることが目的となる。裏切った仲間へのリベンジが始まる中、極限状況でのドラマを乗り切って勝利をおさめるのは誰か?
ゲームボードのレイアウトは毎回変えることができ、難易度も変えられるので繰り返し遊べる作品となっている。
内容物:ゲーム盤(地獄門ボード1枚、脱出路ボード3枚、脱出口ボード1枚)、アクションカード28枚、サバイバルカード28枚、裏切りカード18枚、冒険者コマ7個、ケルベロスコマ1個、歩数ダイス1個、ボート3艘、吊り橋タイル1枚、早見表カード7枚、「偉業達成」シール1シート(※カードサイズ63mm×88mm)