アテッコ(Atekko)
分かりそうで分からない
自分からは見えない自分の正体を、質問を通して当てるコミュニケーションゲーム。もとはゲームマーケット2015春に「スヲさんち」から発表された『あてっこついたて』で、少量生産ながらJELLY JELLY CAFEで人気を集め、今年、JELLY JELLY GAMESでリメイクされるに至った。
「スポーツ」「楽器」など今回のテーマが発表され、それに合ったものをボードに書いてほかの人に回す。回ってきたものを皆から見えるようにして立て、自分は見ることができない。順番にイエスかノーで答えられる質問をして、全員から回答をもらい、それをもとに他の人より先に当てれば勝ち。
単純なルールであるが、対象年齢が高いことから分かるように、当てるのは容易ではない。例えば数多のスポーツから、1種目まで絞っていく難しさを想像すれば分かるだろう。ましてやほかのプレイヤーがちょっとひねくれた回答を書いてきた場合には(全員が分かるものという縛りはあるが)頭を抱えることになる。
ポイントは効果的な質問である。スポーツなら室内(屋外)でするものか、ボールを使うかどうかとかいった広いところから始め、イエスの回答が得られたらその中でさらに絞り込んでいく。回答を書いたのが誰かも分かるので、その人の性格や趣味から推理してみたり、質問に対する皆の反応からいい質問かどうかを見分けたりする手もある。つまり、論理的な思考力と共に、ほかのプレイヤーのプロファイリングも問われる。ここが、純粋に数字を当てる『タギロン』との違いともいえるだろう。
テーマカードは難易度が分けられている。写真は「アルファベット」。有限なので、前半か後半かという質問あたりから絞り込んでいくのが効果的だったが、左右対称か、トポロジー的に閉じている部分はあるか、見えている中で同じ答えはあるか(イエスが出ると一気にゲームが進む)といった遊び心ある質問も繰り出されて楽しかった。
ATEKKO
ゲームデザイン・スヲ/イラストとアートワーク・A.ドイッセン&タンサンファブリーク
スヲさんち+JELLY JELLY GAMES(2019年)
2~6人用/12歳以上/20分
『ワンナイトマンション』をリメイク『目撃者たちの夜』8月3日発売
すごろくやは8月3日、すごろくや祭にてカードゲーム『目撃者たちの夜』を発売した。ゲームデザイン・渋江玖琉、3~6人用、8歳以上、10分、1800円(税別)。
ぎゅんぶく屋から2017年に発表された『ワンナイトマンション』のリメイク。洋館内での殺人事件で殺人鬼カードの所在を特定することを目指す。
「人から回ってきた人物カード1枚と山札から引いた人物カード1枚のうち、1枚を自分に、もう1枚を人に回す」を繰り返す。全員に行き渡ったら、どの人物カードが誰のところから誰のところまで移動したか、目撃情報を報告・相談しあい、殺人鬼の所在を推理する。
その中で殺人鬼やその仲間を選んだ人たちは、誰が殺人鬼なのかを当てられないように、ウソの目撃情報を流して他の人が疑われるように仕向けなければならない。投票の結果、殺人鬼は見つかるのか、それとも逃げおおせるのか?
使用する人物カードの組み合わせはレベル1~8で変更可能。メンバーやシチュエーションに応じた楽しみ方ができる。
・すごろくや:目撃者たちの夜