ハンス社、『マルコポーロの旅路』の黒ダイスについて謝罪
ハンス・イム・グリュック社(ドイツ)は8日、同社の製品『マルコポーロの旅路』シリーズに使用されている黒いダイスが黒人奴隷を想起させるという指摘について釈明を発表した。配慮が足りなかったことを謝罪し、再発防止に努めるという。
『マルコポーロの旅路』シリーズはダイスプレイスメントゲームで、ダイスをワーカーに見立てている。黒いダイスを購入するが、これが黒人奴隷の人身売買と解釈される恐れがあったため、釈明を行った。
釈明の中でハンス社は、黒いダイスはどのプレイヤーカラーにも属さないジョーカーであることを表すものだが、これが黒だったのはデザイナーが試作品段階でほかの色のダイスが用意できなかったためだろうと述べている。しかし結局製品段階でも変更せず黒いダイスのままとなったのはハンス社の責任であるとして、配慮が足りなかったことを謝罪している。
『マルコポーロの旅路』シリーズは、デザイナーのひとりであるD.タッシーニ氏が差別発言を行ったとして、同社は今後再版も直販もしないことを発表している。しかし今回は、再版することになったらダイスの色を黒以外にするだろうといっており、再版の可能性を示唆している。
これ以外の製品についても、新作か再版かを問わず再発防止に努めるという。ツイッター上では過剰反応ではないかという声もある。
エイジオブアームズ(Age of Arms)
契約して旅行して商館を建てて
ヨーロッパ中を周る隊商となって、契約を満たし商圏を広げるハンドマネージメント&ネットワークビルドゲーム。イニシャルでA~Zの制覇を目指しているというエイジオブシリーズ14作目で、ゲームマーケット2020春に発表予定だったもの。隊商の移動方法が独特で、安定の作り込み方である。
ゲームボードはヨーロッパを表しており、12の都市がある。プレイヤーは全員リエージュからスタート。手番には手札を補充するか、手札の契約を達成するか、達成した契約の「手形」コマを支払って隊商コマを移動するか。
手札の補充は山札から5枚引いて、そのうち「1色すべてともう1枚」を取る。ほしい色があってもそれがたくさん手に入る限らない。大量のカードが手に入って方針を変えることもある。
契約の達成に必要なコストは、手札から指定された色のカードを支払うほか、山札の一番上に見えているカードも使える。コストとして支払うカードも契約カードなので、どれを達成し、どれを支払うか悩ましい。
契約を達成すると勝利点やボーナスが入るほか、「手形」コマが手に入る。これを使ってリエージュから隊商コマを移動していくが、その契約カードに指示された都市に近づくように移動するという制限がある。このため行きたい都市があっても、反対方向の契約しかないと行くことができない。契約の選択は、隊商の移動まで視野に入れておかなければいけないというわけだ。
移動中には、村に交易所を置いてそれ以降通過できるようにしたり、都市に商館を置いて勝利点にしたり、移動先の都市で「都市アクション」ができたりする。最終的にエリアマジョリティの得点があるので、それも視野に入れて商館を建てていきたい。
序盤に達成した契約によって西へと移動し、パリ周辺を回って商館の建設を進めた。都市アクションの相性もよく、契約の達成も順調。しかしそれ以外にネットワークを広げられなかったことが響いて勝てず。要素が複合的に絡み合っていて手札の補充からもう考えることがあるが、ヨーロッパをぶらり旅している感じが楽しい。毎回楽しませてもらっているエイジオブシリーズでもとりわけ珠玉の作品ではないだろうか。
Age of Arms
ゲームデザイン・N2/監修・北条投了
サザンクロスゲームズ(2020年)
2~4人用/10歳以上/30~60分
入手:ディスカバリーゲームズ:エイジオブシリーズ
DDT:エイジオブアームズ