タビネズミ開拓記(Lemmings’ Frontier)
それ以上進むのは危険?
ネズミたちが装備を整え、未開の大陸の奥地で最終目標の達成を目指す協力ゲーム。クリッティニアからゲームマーケット2020秋に発表された。一枚一枚描きこまれたカードイラストが冒険のスリルを引き立てる。
ゲームは「調査フェイズ」で探険を進め、装備が切れてきたら「拠点フェイズ」で立て直すというのを繰り返す。「拠点フェイズ」に行ける回数は限りがあるので、どこで引き返すかが重要だ。ドラクエでぎりぎりまで戦って街に戻るみたいな感じ。
調査フェイズは、スタート地点からコマを進め、山札からめくったカードを配置する。モンスターが出てくれば戦闘で、体調から時計回りに手札を出して合計値が生物レベルを上回れば撃退できる。撃退したら資源が手に入り、さらに進むか、拠点フェイズに移るかを選ぶ。撃退できなければ強制的に拠点フェイズとなる。
敵は奥に進むほど強くなる一方、手札は少なくなっていく。まだ行けそうかどうかよく相談しておきたいところだ。一定の条件を満たすと、その生物カードは「調査完了」となり、次回は通過できるようになる。
拠点フェイズでは手札を補充したり、手札上限を増やしたり、特殊能力を獲得したりできる。これで最終目標カードを達成できる力を蓄えよう。最終目標カードは6枚のいずれかで、最後に行ってみるまで分からず、しかも挑戦できるのは1回限り。何が出るかわからないが、手札を満タンにして臨まないとかなわない強敵であることは間違いない。調査フェイズに戻るたびスタート地点からになるので、途中のカードをできるだけ「調査完了」にしておいて手札を節約したい。
3人プレイで40分ほど。手札から出す道具にさまざまな能力があって、うまく使いこなせれば窮地を脱出できた。しかし最終目標はそれでも太刀打ちできず敗北。もう1回拠点フェイズで出直せば達成できただろうか。説明書の最後にある各最終目標ごとのエンディングは読めていない。
タビネズミ開拓記
ゲームデザイン・くりったー/イラスト・木之仔じゅま
クリッティニア(2020年)
3~4人用/12歳以上/45~60分
2021年年明けの新作:コスモス
★ザ・クルー:深海ミッション(Die Crew – Mission Tiefsee)
ゲームデザイン・T.シング、2~5人用、10歳以上、20分、5月発売予定。
昨年のボードゲーム賞を総なめにした協力型トリックテイキングゲームの後継作。今回は任務カードが入っており、ランダムに組み合わせて難易度の合計をだんだん上げていく仕組み。「黄色のカードを青より多く摂る」「5のカードを3枚以上取る」「ピンクと緑のカードでトリックを開始しない」「緑の6を取る」といった任務が各プレイヤーに割り当てられ、全てを達成できればミッション成功となる。
★ロビンフッドの冒険(Die Abenteuer des Robin Hood)
ゲームデザイン&イラスト・M.メンツェル、2~4人用、10歳以上、60分、5月発売予定。
『アンドールの伝説』の作者による協力ゲーム。1193年のイギリス・ノッティンガムを舞台に、ロビンフッドとその仲間たちが邪悪な王子たちの秘密を暴く。ゲームボード上では移動距離測定方式でキャラクターを移動させて、村人に話しかけたり、探索したりすることで盤面が開かれ、変化していく。さらにハードカバーのストーリーブックが同梱されており、適宜参照するようになっている。『アンドールの伝説』と同様、チュートリアルシナリオが入っていてすぐにゲームを始められる。
★ロストシティー:ロール&ライト(Lost Cities Roll and Write)
ゲームデザイン・R.クニツィア、2~5人用、8歳以上、30分、5月発売予定。
昇順に数字を出して探険を進めるシステムでドイツ年間ゲーム大賞『ケルト』にもつながった『ロストシティー』がダイスゲームになる。シンボルダイスで6つの探検コースを選び、数字ダイスをシートに記入することで奥地へ進んでいく。中途半端な探険は失点になってしまうから注意。
★モンスター12(Monster 12)
ゲームデザイン・P.ヴィヒマン&M.ブラハ、2~5人用、7歳以上、12分、4月発売予定。
ダイスを振ってモンスターを捕まえる。手番にはめくられたカードに描かれたカードの色のダイスを3個振って、出目がそれぞれのモンスターの目の数を超えていればダイスをそのモンスターの上に置ける。こうして12匹のモンスターを先に捕まえたプレイヤーが勝利。
★マイゴールドマイン(My Gold Mine)
ゲームデザイン・H.J.ヘー&M.ロート&C.シリング、2~6人用、7歳以上、20分、4月発売予定。
ドワーフとなってたくさんの宝が眠る金鉱に繰り出す。しかし山の底には火を吹くドラゴンがおり、欲張りすぎて一番多く金塊を持っていると捕まってしまう。昨年のシュピールに出展しなかったモーゲル出版との共同作品。
★ラッフィ・ラッフツァーン(Raffi Raffzahn)
ゲームデザイン・G.バース、2~4人用、6歳以上、20分、3月発売予定。
魔法使いに盗まれた王女の宝を取り戻しにドラゴンが出発する。ボードのマスには磁石が埋め込まれており、間違ったマスに止まるとブタに変えられてしまう。どのルートだと無事に宝までたどり着けるか、記憶力が試される。
★ウボンゴブレイン(Ubongo Brain Games)
ゲームデザイン・G.レヒトマン、1人用、8歳以上、5分、5月発売予定。
お題で指示されたピースをぴったりつめる1人用ウボンゴ。15個のピースと200問のお題が入っている。難易度が上がるにつれてエリアが広がり、200問目には6個のピースをぴったり収めなければならない。ピースがずれにくい専用ケース付き。
★シャドウハンターズ(Jäger der Nacht)
ゲームデザイン・池田康隆、5~8人用、10歳以上、30~50分、5月発売予定。
日本発・正体隠匿ゲームのドイツ語版。オリジナルは2005年で、コスモス社が2010年にドイツ語版を発売している。今回はイラストを一新して再版。ほかのプレイヤーの正体を暴き合いつつ、自分の勝利条件を達成することを目指す。
日本では2018年にcosaicが『シャドウレイダーズ』としてリメイクしている。
★カタン・デュエル拡張:恐怖と黄金の時代(Catan – Erweiterung für das Duell – Finstere & Goldene Zeiten)
ゲームデザイン・K.トイバー、2人用、10歳以上、75分。
2人用カードゲーム『カタン・デュエル』の拡張セット。6つのテーマセットが入っている。
★ハリーポッター:闇の勢力を防御(Harry Potter:Verteidigung gegen die Dunklen Künste)
ゲームデザイン・K.マンデル&A.ヴォルフ、2人用、11歳以上、30分。
『ハリーポッター:ホグワーツの戦い』のメカニクスを2人用にしたカードゲーム。
★ハリーポッター:デスイーターの誕生(Harry Potter:Death Eater Rising)
ゲームデザイン・P.マリノ&A.ヴォルフ、2~4人用、11歳以上、60分。
協力型のダイスゲーム。ヴォルデモートの3Dフィギュア付き。
ほかアドベンチャーゲームシリーズ、EXITシリーズもリリースされる。