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協力ストーリーゲーム第2弾『アドベンチャーゲーム:モノクロームINC.』日本語版、2月19日発売

グループSNE/cosaicは2月19日、『アドベンチャーゲーム:モノクロームINC.(Adventure Games: Die Monochrome AG)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・P.ウォーカー=ハーディング&M.ダンスタン、イラスト・M.シラー、1~4人用、12歳以上、90分、3000円(税別)。

昨年夏に日本語版が発売された『アドベンチャーゲーム:ザ・ダンジョン』に続く第2弾。コスモス社(ドイツ)の人気シリーズ『脱出:ザ・ゲーム』に続く新しい謎解きゲームシリーズで、デザイナーには前作同様ウォーカー=ハーディングとダンスタンが担当した。2019年に発売された初期シリーズ3タイトルのひとつで、原語版はすでに5タイトル発売されている。

画面上に映し出された場所を調べ、入手したアイテムを組み合わせたりコマンドを入力したりすることでストーリーを読み進めていく「アドベンチャーゲーム」をアナログでプレイする。「フロアカード」の気になる場所を探索し、指定された番号を「ストーリーブック」から読み上げる。アイテムが見つかったら「アドベンチャーカード」を獲得し、アイテムとアイテム、またはアイテムと場所を組み合わせて、物語の秘密を解き明かしていく。

今回の舞台は近未来で、プレイヤーはさまざまな犯罪のプロとなり、とある研究所に侵入する。しかし目立つ行動をとると「アラームレベル」が上昇し、調査がやりにくくなってしまう。果たしてあなたは謎めいた巨大企業の真の姿を明らかにすることができるだろうか?


(写真はドイツ語版)

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ウィキッド・フォレスト(Wicked Forest)

運試しの後に

リスクを冒して続行するか、それともパスするかでという「プッシュ・ユア・ラック」メカニクスの名作『インカの黄金』は、定番ゲームといってよい地位を確保している。しかし何度も遊んでいると気になることがないだろうか。持ち帰った宝石を、何に使うんだろうか? 自慢して終わり?

本作品は、そんな疑問に答える。場に並んだ9枚の森カードを1枚めくるたびに、進むか引き返すかを選んで、引き換えした時点で「穢れの花」(宝石)がもらえる。森カードの中に魔女が潜んでおり、2回出るとバーストで手ぶらで帰らなければならない。しかし複数の人が同じタイミングで引き返すと分け前が減る上に、最後の1人まで残るとボーナスタイルがもらえる。もしかすると、9枚の森カードには魔女が1枚もないかもしれない。ここまでは『インカの黄金』と同様の楽しさがある。

しかしここから異なるのは、引き換えして確保した「穢れの花」でお買い物ができるところ。特定の色が毎回降ってきたり、ジョーカーにできたり、保有できる個数を増やしたりといったスキルと、得点があり、いずれも早い者勝ち。得点のほうは、同じ色の「穢れの花」を相当数集めないと獲得できないようになっていて、スキルを前提としている。

このように獲得したその先があるために、ほしい色が出るまで我慢して探索を続けたり、逆にほしい色が出たら深追いせずに引き返したりといった行動が生まれる。これがまたプレイヤー間のアヤとなる。「この人はここでは引き返せないだろうから、今のうちに引き返して独り占めしよう」

「プッシュ・ユア・ラック」は運試しが楽しさの源泉なので、序盤に紙一重で何も得られず、挽回するために無理をしてドツボにはまる人と、運良くがっぽり稼げた人の差が出るのは致し方ないかもしれないが、他のプレイヤーが楽しそうにお買い物をしているのを指をくわえて見ているのはちょっと悔しい。しかし「魔法少女まどか☆マギカ」の異空間設計を担当した劇団イヌカレー氏のサイケデリックなイラストも独特の世界観を引き立てて、『インカの黄金』にはない独特なプレイ感を生み出している。

ウィキッド・フォレスト
ゲームデザイン・アダチジュン/イラスト・劇団イヌカレー・泥犬
タクティカルゲームズ(ゲームマーケット2020秋)
3~5人用/14歳以上/30~40分