ダンジョンデザイナー(Dungeon Designer)
ダンジョンはうまく作れない

『カートグラファー』の世界観でダンジョンを作るドラフト&カード配置ゲーム。最後にできあがった美しさを称え合いたいところだが、そんなにうまくいくはずがない。
最初に地図が配られ、入口と出口の位置、地形(石か洞窟)、配置すべきモンスターが指示される。この他にゲームごとに異なる共通目標と、ラウンドごとに獲得する個人目標があり、4×4枚のダンジョンで得点の最大化を目指す。
まずは入口に近い最上段から。各自に配られた手札から1枚を選んで配置し、残りを隣に渡す同時ピックアップドラフト。モンスターはここにいたほうがよい、トラップはこの種類がほしい、地形はこうなっていたほうがよい、道はつながっていた方がよい、収入は多いほうがよい⋯⋯全部満たすのはどだい無理なので、妥協しながら配置していく。
4枚配置したら、宝箱とコインアイコンから収入を得て、そのお金でモンスターやアイコンを買い足したり、行き止まりに抜け道を作ったりする。買い物はお金の多い順で、先にパスした人から個人目標カードが選べる。序盤は個人目標カードに沿ってダンジョン作りができるが、後半の個人目標はすでにできあがったものに合致するかどうかだ。
これを4ラウンド行うとダンジョンが完成。最後に地図や目標の達成具合、道のつながりに応じて得点計算し、勝敗を決める。道は入口から何マス行けるかと、出口から何マス行けるかの合計なので、入口と出口がつながっていれば2倍の点数が入るが、行き止まりカードが多いため、つなげるのは用意ではない。場合によっては入口からすぐ行き止まりのことも。「何だこのダンジョン(笑)」
同時ピックアップドラフトによってプレイ時間が短く、道がつながるかどうかのスリルや、特定のモンスター数など他プレイヤーとの競争でインタラクションもあり、次はもっとうまくできるのではないかと思わせられるため、何度も遊んでいる(5人まで遊べるのもよい)。
Dungeon Designer(Stonespine Architects)
ゲームデザイン:J.アダン/イラスト:J.アダン&D.マンモリティ&L.リベイロ&D.サー
サンダーワークゲームズ+ペガズスシュピーレ(2024年)
1~5人用/10歳以上/45~60分
ゲームストア・バネスト:ダンジョンデザイナー
フードを高く積み上げ『ぐらぐらビュッフェ』日本語版、11月28日発売
ジーピーは11月28日、『ぐらぐらビュッフェ(Buffet Boss)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:D.チョウ、1~5人用、6歳以上、20分、3520円(税込)。
ビュッフェコーナーに並べられたフードカードから1枚を選び、その木駒をプレートに崩さないように積み上げるバランスゲーム。Saashi&Saashiで作品を発表しているD.チョウ氏のデザインで2023年にオリゲーム(シンガポール)から発売された。
各自がそれぞれプレートをもち、順番に場からフードコマを取って積み上げていく。プレートから落ちても3秒以内に戻せばセーフ。山札がなくなったらゲーム終了で、積み上げたフードカードの得点(大きいものほど高得点)、個人目標の達成、そして一番高く積み上げたプレイヤーボーナスで総合得点を競う(個人目標を使わず、崩したら負けの簡易ルールもあり)。
他プレイヤーの動向を見ながら、欲を出してさらに積み上げるか、堅実に安定させるかの選択が悩ましい作品だ。

