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ボードゲームレビュー:テキサス・ホールドイット(Texas Hold It)

仁義なきトイレ争い

高速道路の休憩所で、女性トイレが一杯で人が並び、我慢しきれないおばさんが男性トイレを使ったという話を聞いたことがある。そもそも女性トイレの便器数が少ないのが問題だが、駅などでも女性トイレに行列ができているのを見て気の毒に思う。

エッセン・シュピールの会場でたまたま見つけたこのゲーム(ちゃんとデモプレイまでしていた)、男性用の小便器を男女問わず取り合うというサバイバルゲームだ。日本語版はないが、ドイツ語、中国語、タイ語版などが発売されている。気をつけなければならないのが、隣りのトイレからおしっこやおならをかけてくる悪党がいること。さて安全なトイレはどこか?

プレイヤー用のトイレと誰かが使っているトイレが1枚おきに並べられ、手番には誰かが使っているトイレの内容を1枚見て内容を言うか(嘘をついてもよい)、場所を交換するか、安全だと思うトイレに入るか、我慢してどのトイレにも入らないかのいずれか。なお誰かが入ったトイレの左右は交換ができない、誰かが我慢を選んだら他の人はトイレに入るか我慢するかしか選べない。

誰かが使っているトイレでは、きれいに使っている人もいれば、左右どちらかにおしっこをかけてくる人、さらには左右両側におならをぶっ放す人もいる。安全なトイレはひとつもないかもしれない。全員がトイレを選ぶか我慢したら、全部オープンして、おしっこやおならを引っ掛けられた人はマイナス(左右どちらからもかけられたらマイナス2)、無事に用を足せた人はプラス、我慢した人は、安全な空きトイレがあったらマイナス、安全な空きトイレがなかったらプラスもマイナスもなし。

こうしてマイナス3点になった人は脱落し、プラス3点を取るか、1人だけ生き残ったら勝利。一か八かで選ばないと先に取られて我慢せざるを得なくなるところが漏れそうな感じが出ていてリアル。際どいところでブラフにひっかかり、おまけにおしっこもひっかけられる悔しい。

Texas Hold It
ゲームデザイン:M.ファンタスティック&B.パーソンズ
イラスト:?
ジョーキングハザード(2024年)

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ボードゲームレビュー:魔法の山(Zauberberg)

どっちに転がるかを読む

魔法使いの弟子たちが、妖火のビー玉を転がして魔女よりも先に谷に降りることを目指す協力ゲーム。ドイツ年間キッズゲーム大賞2022受賞作。対象年齢は5歳以上だが、難易度を上げると大人が本気でやってもまずクリアできない(通常ルールでも決してカンタンではない)。

魔法使いの弟子を一番上の段に並べ、魔女たちを規定の場所に置いてスタート。手番には袋からビー玉を引き、一番上に5ヶ所のいずれかから転がす。ぶつかったコマはビー玉と同じ色の一番近いマスへ。コマを取り除くとビー玉はさらに転がり、次にぶつかったコマも同様に同じ色の一番近いマスへ。一番下まで行ったら次の人の手番で、またビー玉を引いて転がす。ビー玉が5色全部出たら回収してまた1個ずつ引いて転がし、こうして魔法使いも魔女も谷に向かってだんだん降りていく。

ビー玉がそれぞれの分岐でどちらに転がるかは読み切ることはできない。魔法使いを素早く動かして再び同じビー玉に当てるという戦法はあるが、魔女を避けて転がすのは至難の業。どれにも当たらなくて下まで落ちると、魔女を1人進めなければならないので、魔女がゴールに近づいたからといって、安全策を取ることができない。

魔女が3人ゴールする前に魔法使いが4人ゴールすれば勝利。魔女が先に3人ゴールしてしまったら負けとなる。難易度は調整でき、最高難度(レベル5)は「魔女が1人でもゴールする前に魔法使い6人全員がゴールすること」で、ほぼ無理ゲーである。

大人気ない研究の結果、最初にビー玉を入れる方向と、コマの抜き方で少しだけ行き先をコントロールできることがわかっているが、それでも何回もやってレベル3が関の山。子どもだけで遊ぶと、意外とあっさりクリアしたりして、魔法がかかっているのかと思う。ビー玉の行方に一喜一憂し、大人気なく盛り上がった。

Zauberberg
ゲームデザイン:J.P.シュリーマン&B.ヴェーバー
イラスト:A.ノラカラ
1~4人用/5歳以上/15分