エドラのドルイド(The Druids of Edora)
食料もダイスも足りねえどら

古のドルイドと神官が森の中で秘儀を行って名声を競うダイスプレイスメントゲーム。『暗黒評議会』以来3年ぶりとなるアレアの新作で、昨秋のエッセン・シュピールで発表された。エリアマジョリティとルートビルディング、セットコレクション、能力のアンロックと、ゲーマー好みの要素をふんだんに盛り込みながら、手番数を絞ってプレイ時間は2時間いかないくらいにまとめたデザインは、アレアで数多くの傑作を発表してきたフェルトの円熟味を感じさせる。
各プレイヤーのダイス13個は最初に振ってセットし、その出目で固定するインプット・ランダムネス。小さい目は配置コストが安く、大きい目はマジョリティが取りやすいというメリットがあるため、ダイス運の良し悪しはない。手番には、コストを支払ってボード上にいる自分のドルイドを移動させ、移動先の空いているマスにダイスを配置し、そのアイコンのアクションを行う。コストとして支払う食料と、配置できるダイスを切らさないことが基本だ(どちらかが切れると1回休みになってしまう)。
アクションは食料やダイスの獲得、タイブレイクで優先される知識トラック、能力をアンロックする鎌トラック、終了時ボーナスを増やす石板、ポーションを作るヤドリギ、宝石をはめ込むアミュレット、ボーナスをもらう石柱とルーンストーンの8種類。最終的な勝敗は名声トラックで付くので、どこまで能力を上げて、どこから得点行動に切り替えるかが問われる。
この他にボード上では、同じ色のドルメンをダイスで接続する競争と、祭壇の火をダイスで囲む競争が早いもの勝ちで行われる。そのためどのアクションを取るかと共に、どのルートでダイスを配置すればボーナスを先に取れるかも考えなくてはならない。これをサポートするのが鎌トラックでアンロックされる12種類の能力で、アクションを強化したり、ボーナスや得点を増やしたりする。アンロックされる順番がプレイヤーによって違うところがまた憎い。
ゲームは誰かがダイスを使い切ったラウンドで終了となる。ダイスは13個なので順調にいけば13ラウンド、1回休んだとして14ラウンドぐらいしかない。気がつけばあっという間に終盤になっている。最後は鎌トラックの進度、石板の条件達成、アミュレットの完成、各祠で最も大きいダイス・祠・ルーンストーンと知識マーカーの進度の掛け算、残った資材の得点を加えた勝敗を競う。
カツカツな食料とダイスの調達に悩みながら、ボード上の先取り競争の駆け引きに焦り、他のプレイヤーが獲得していない能力の駆使で道を切り開いていく。アクションがうまく噛み合って1手番で多くのことが成し遂げられると気持ちよく、疲れきらないうちに終わり、次回はもっとうまくやれそうな気がして、また遊びたくなる作品である。
The Druids of Edora
ゲームデザイン:S.フェルト/イラスト:F.ギスベル
アレア(2025年)
2~4人用/14歳以上/60~90分
ロイヤルターフ(Royal Turf)
馬は馬券購入者の意のままに
3レースそれぞれ、出走する7頭の馬のスペックが発表され、順番に裏向きで応援する馬に1倍と2倍のチップを賭ける。賭けた馬が3位内に入ると賞金がもらえる。
賭けが終わったら、順番にダイスを振って、いずれかの馬をその出目に応じたマス数だけ進める。全部の馬が進み終わるまで、同じ馬を進めることはできない。それならば均等に進むかというと、馬のスペックと、進んだ先に他の馬がいたら手前の空いているマスまでしか進めないルールにより、プレイヤーの思惑に大きく左右されることになる。
馬のスペックで、どんな出目でも安定して進む「オセロ」(黒)は一番人気。よく出る目ではあまり進まないが、特定の目で急進する穴馬「アールグレイ」(灰色)まで各種揃っており、レースごとに少しずつ変わる。しかしどんなにハイスペックでも、応援しているプレイヤーが少なければ、渋滞しているタイミングで選ばれ、足止めを食らってしまう。
誰がどの馬に賭けているかわかるので、ときに協力し、ときに妨害し合って激しいデッドヒートが繰り広げられる。ダイスゲームなのにプレイヤーの思惑がはっきり出るのが面白い。
Royal Turf
ゲームデザイン:R.クニツィア/イラスト:F.フォーヴィンケル
アレア(2001)
2~6人用/10歳以上/60分