18(Ichi Hachi)
されどじゃんけん
10回のじゃんけんでポイントを競う2人用ゲーム。「くだらないもの工房」がゲームマーケット2018春で発表し、話題になっていた作品が、ダイソー出版から110円で発売された。ポイント用のチップと各自18本の棒という、ミニマリズムの極致といえる作品。
じゃんけんをするたびに、使った指の数だけ棒を捨てなければならない。棒は18本で、使い切ったらあとはグーしか出せなくなる。10回のじゃんけんでの振り分けは自由だが、パー2回+チョキ4回+グー4回あたりが基本。最後まで使わないと失点になるが、それを上回る得点が見込めるならば、あえて使わないという手もある。10回の得点2倍になるところが2回あり、それもゲームに変化をもたせる。
お互いの棒の残り本数がわかっているところで、じゃんけんで何を出すか、これほど考えたことがあっただろうか。「じゃーんけーん……!」「ちょっと待って下さい」相手に心を読まれないよう、タイミングをはかったり、直前で出すものを変えたりと心の動きが激しい。ゲームはたかだか5分くらいで終わるが、終わった後の充実感は、1時間級のアブストラクトゲームに匹敵する。
18
ゲームデザイン・くだらないもの工房/くだらないもの工房(2018)+ダイソー出版(2020)
2人用/6歳以上/5~10分
DAISOオンラインショップ:18
オストル(Ostle)
押して、押されて、落とされて
相手のコマを盤外か穴に落とすアブストラクトゲーム。ダイソーから昨年発売された税込み110円で買えるボードゲームシリーズのひとつ。アブストラクトゲームにありがちなうっかり見落としがなく、先の先を考えながらじっくり遊べる。
5×5マスのフィールドの両サイドに5つずつコマを並べ、中央に穴を置いてスタート。手番には自分のコマか穴を1つ、縦か横に1マスだけ移動する。隣り合うコマはいくつでも押すことができ、相手のコマを先に2つ、盤外に押し出すか、穴に落としたら勝利。10秒で説明できるシンプルなルールだが、考えることは多い。
穴に落とそうとすると外側に回り込むことになり、盤外に落とされやすくなるというところがポイント。落とされにくく落としやすい位置取りをしたいが、それは相手も同じである。
押し出される、落とされるというイメージがしやすく、どう動かしたらいけないかわかるため、うっかり見落としはまず起こらない。そのため中盤はやや膠着状態になるが、アンドゥー(一手先に戻す)ができないので収束性は悪くない。2手先は読めるが、3手先、4手先まで読めるかがカギとなる。経験者は、写真のような盤面(次は白手番)ですでに、どちらが勝つかわかるのかもしれない。
Ostle
ゲームデザイン・Masao Fukase/雅ゲームズ(2017)+ダイソー出版(2020)
2人用/6歳以上/5~15分
DAISOオンラインショップ:オストル