トーナメント(Turnier)
連続撃破で形勢逆転
モジュラーボード上で行うはさみ将棋のようなアブストラクトゲーム。『フォーカス』がドイツ年間ゲーム大賞を獲得した頃のランドルフ作品である。自分のコマ同士だけでなく、第3者のコマや、ボードの縁とはさんでも取ることができ、ダイナミックな展開が楽しめる。
プレイ人数に応じた枚数のボードを自由に組み合わせ、順番に自分のコマを好きなマスに配置し、敵のコマを4個ずつ取り除く。この配置と除去からすでにゲームは始まっており、攻撃されにくく、攻撃しやすい位置取りをどれくらいできるかが重要だ。
ゲームの目標は各ボードで自分の色1色になると立てられるフラグを規定数立てること。4人だとチーム戦になり、チームで合計4つ立てれば勝利となる。そのため敵のコマをどんどん取って独占すると同時に、相手が占領しそうなボードに攻め込む。
コマの移動の仕方はまず1マス移動し、その先に自分のコマでも相手のコマが1個あってその奥が空きマスならば飛び越えることができる。移動先のさらに奥にコマがあれば一直線に連続で何回でも飛び越えることができる。移動終了時に自分のコマ同士、第3者のコマ、自分のコマとボードの縁で敵のコマをはさめば除去。さらに相手のコマを除去できれば追加移動して連続で敵のコマをはさんで除去することができる。
一度に2個取ったり、連続で3個取ったりできるので盤面はどんどんコマがなくなっていく。こうして1枚のボードが自分のコマだけになったらそのコマにフラグを立てる。フラグがついたコマが取られたり、そのボードから外に出るとフラグはなくなってしまうので取ったからといって安心できない(そのボード内であれば自分の番に別のコマにフラグを付け替えることはできる)。
初期配置と除去、そして序盤の乱打戦で大方の形勢が定まるが、縁ではさめることから1個でも残っていれば逆転もできる。チーム戦でパートナーと話し合いながら取れそうな陣地を絞り込んでいくのが楽しい。
Turnier
ゲームデザイン:A.ランドルフ/パーカーブラザーズ(1976年)
2~4人用/30分
犯人はXXでない?『ミュージアムサスペクツ』日本語版、9月2日発売
すごろくやは9月2日、『ミュージアムサスペクツ(Museum Suspects)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:P.ウォーカー=ハーディング、イラスト:M.サルトゥ、2~4人用、8歳以上、20~25分、3410円(税込)。
オリジナルは今年、ブルーオレンジゲームズ(フランス)から発売されたばかりの作品。ゲームデザインは『クマ牧場』『スシゴー』のウォーカー=ハーディングである。断片的な情報をもとに、16人の容疑者から博物館泥棒の犯人をつきとめる。
手番にはカードを見て、「犯人はニット帽を被っていない」「北西部の4人は違う」など「この要素には当てはまらない」という情報を手元の調査手帳メモに書き込む。自分が見たカードにはチップを置き、それ以降に見る人はお金を払わなければならない。そして犯人の可能性がある人物にチップを伏せて置き、6周の後に真犯人にのせたチップの合計が最も多いプレイヤーが勝者となる。
他のプレイヤーのチップの置き方をもとに帰納的に情報を絞り込む推理力と共に、自分の情報は他のプレイヤーに悟らせないようにチップを置くという心理戦の要素もあり、遊ぶたびに奥の深さに気づける作品となっている。
内容物 :容疑者タイル 24枚、非常口タイル 1枚、手掛かりカード 32枚、調査チップ 48枚、探偵チップ 4枚、調査手帳 4冊、鉛筆 4本、説明書