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ニュルンベルク’22:コスモス

マイシティ ロール&ライト(My City Roll & Write)
ゲームデザイン:R.クニツィア、イラスト・M.メンツェル、1~6人用、10歳以上、20分、3月発売予定。
2020年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされたタイル配置ゲームが紙ペンになった。ダイスで指定された種類とかたちの建物をシートに記入する。ゲームは4章に分かれ、それぞれ3ゲームずつ行うので合計12ゲームのキャンペーンになり、レガシーゲームだったオリジナルと同様、得点/減点要素がだんだん増えていく。

ロビンフッドの冒険:ピンチのブラザートゥック(Die Abenteuer des Robin Hood – Bruder Tuck in Gefahr)
ゲームデザイン&イラスト:M.メンツェル、2~4人用、10歳以上、50~90分、9月発売予定。
2021年のドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされたタイルめくりゲームの拡張セット。ノッティンガムではリチャード王が郡に戻り、新しい冒険がロビンフッドたちを待ちうける。今回の拡張では、人気のブラザートゥックが特殊能力で力を貸してくれる。未知の戦士が西部を襲い、古くからの敵も再登場する。シャーウッドの森のヒーローたちは、この危険を乗り越えられるだろうか?

アリーゲーター(Allie Gator)
ゲームデザイン:K.クレオウスキ、イラスト・F.シュトレーゼ、2~5人用、8歳以上、25分、5月発売予定。
はらぺこのワニから逃げるカードゲーム。手札にそれぞれ5枚のカードを持ち、順番に1枚をプレイし、1枚を引く。プレイできないと失点。さまざまなスペシャルカードが展開を変える。マグネットで開閉する丈夫な箱で外出先でのプレイにも向いている。

世界をはかろう(Schätz die Welt)
ゲームデザイン:G.ブルクハルト、2~5人用、10歳以上、45分。
どこにたくさんの人が住んでいる? ニュージーランドはパナマより大きい? より大きな森林地帯はどこ? 人口、人口密度、首都人口、GDP、森林面積、国土面積、道路網の長さ、平均気温、降水量という9つのカテゴリカードで各ラウンドのトピックが指定され、プレイヤーは予想してそのカテゴリカードで一番が取れると思う国カードを出す。正解に近いほどコマが進む。

カスカディア(Cascadia)
ゲームデザイン:R.フリン、イラスト・B.ソーベル、1~4人用、10歳以上、30~60分。
フラットアウトゲームズ+AEG(アメリカ)から昨年発売されたタイル配置ゲームのドイツ語版。アメリカ北西部を舞台に、クマ、シカ、サケ、ワシ、キツネに住みよい土地を用意する。ランダムに組み合わせられた地形タイルと動物トークンから1つを選び、地形タイルはつながるように、動物トークンは居住可能な地形タイルの上に配置する。地形タイルがなくなったらゲーム終了で、動物の得点カード、地形の連続などの合計で勝敗を決める。

街コロ:君の出版社の世界を作ろう!(Machi Koro – Bau dir deine Verlagswelt!)
ゲームデザイン:菅沼正夫、イラスト・堀田のぼる、2~4人用、8歳以上、30分。
コスモス社の創業200周年を記念して作られた特別版。建物名が「デザイナー」「開発部」「マーケティング部」などになっており、ボードゲーム出版社の部署を増やすことで収益を上げる。

このほか、『脱出:ザ・ゲーム』をはじめとする謎解きゲームが多数リリースされる。

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アーク・ノヴァ(Ark Nova)

動物園SDGs

動物園を経営して魅力と収入を上げつつ、動物種の保護活動へ貢献するボードゲーム。フォイヤーラントシュピーレ(ドイツ)が昨年のエッセン・シュピールで発表し、スカウトアクションで1位。シュピールボックスやBGGでも高い評価を得ており、今年の主要なボードゲーム賞の受賞も視野に入れる。日本ではテンデイズゲームズが日本語版を発表するや否や、各ショップに予約が殺到し、転売屋が横行するなど狂騒曲の様相を呈した。

ゲームは5つのアクションを回して動物園にタイルを置き、動物を飼い、動物園の魅力を増やしつつ、目標を達成して環境保全を進める。動物園の魅力と、環境保全度はトラックの反対側から進み、交差するまでプレイして、一番深く交差した人が勝者となる。オールユニークな200枚以上のカードの戦略的なコンボとタイル配置パズルの両方を楽しめるゲーマーズゲームだ。

手札に補充されてくるカード、場にあるカードのテキストを見て、コストなどを見ながらどれが一番いいか考える。山や水など入り組んだ地形で、どれくらいの大きさのタイルをどこに配置すれば空きマスが埋められるか考える。アクションは5択とはいえ、考えることはいくらでもあり、しかも2つのトラックが長くてなかなか交差しないのでたっぷり遊べる。プレイ人数×1時間は見ておいたほうが良さそうだ。

初回プレイは『ウイングスパン』のような、楽しい効果を持ったいろいろな動物カードのワクワク感と共に、ゲームメカニクスの既視感(『ガンジスの藩王』『テラフォーミングマーズ』)、カード運の強さ(ほしい系統の動物が引けない)、インタラクションの薄さ(これは流行りか)、プレイ時間の長さが気になったが、シュピールボックスではどのように評価されているのだろうか。


素晴らしいアクションメカニクス。共感を呼ぶテーマ。何ゲームもプレイしてやっと見つかるくらいたくさんのカード。大傑作だが、私には新しいものをプレイしているという感覚はない。(U.バルチ、7点)

さまざまな可能性を秘めた自分の動物園を建設することに心惹かれるのは、カードを発見し、新しいことに挑戦したくなるからだ。しかし、戦略が定まって後半になり、待ち望む動物が212枚の山札に埋もれて出てこないと、いささか興ざめしてしまうかも。1人1時間の時間を確保しておこう。(A.ベッカー、8点)

テーマ性が高く、やる気の出る戦略ゲームだが、カード運がちょっと強い。4人では長すぎ、2人ならいつでもOK!(M.フリッチ、8点)

細かいルールの多さと冗長なルールブックにもかかわらず、驚くほどスムーズにプレイでき、カードの多様性は印象的で、コンポーネントも素晴らしい。(G.ゲルデニッツ、8点)

カードマネジメントとアクション選択の優れた組み合わせで、高いリプレイ性を実現している。(S.ケスラー、10点)

非常に直感的でテーマ性のあるプレイができる。インタラクションはかなり低いが、私は一目惚れした。(M.ペニッシュ、10点)

テーマがよく練られた重いゲームで、その後の展開のために多くのポイントで重大な決断を迫られる。そしてこれらは手札によって、ゲームごと違った展開になる。『テラフォーミング・マーズ』と似ているものの、『アーク・ノヴァ』はより難易度が高く、より熟考させる。そのため、最大人数でプレイすると所要時間は4時間ほどになる。(H.トラチンスキ、9点)


みなさん高得点をつけつつも、完璧なゲームではないことを示している。狂騒曲のあおりで期待度が高まりすぎていたのかもしれないが、面白いゲームであることは間違いない。初回プレイは序盤、アフリカの動物ばかり集めていたが、種・地域の多様性が弱くて環境保全が進まず大失速してしまったので、次回はもっとうまくやれそうな気がしている。

Ark Nova
ゲームデザイン・M.ヴィッゲ/イラスト・L.ビロー&D.ローハウゼン&S.ビーカー&C.ティッシュ
フォイヤーラントシュピーレ+テンデイズゲームズ(2021年)
1~4人用/14歳以上/90~150分
(写真のプレイヤーボードで、「ふれあい動物園」は1人1件まででした)