長崎のボードゲームカフェ「サニーバード」を訪問

今年5月に中心街に移転した長崎のボードゲームカフェ「サニーバード」を訪問。旧店舗時代からずっと行ってみたいと思っていて、行く夢を見るほどだったのが、夢が叶って嬉しい。
とはいえ山形から長崎は1400㎞も離れており、わざわざ行くには遠すぎる。そこにちょうど福岡のアフタースクール「び場」でボードゲームと場づくりについて講演を依頼され、オンラインでよかったものを交通費不要でいいからとお願いして行くことにした。仙台空港まで車で2時間、福岡空港までフライト2時間である。料金は早割で往復23000円。新幹線で東京に行くのとあまり変わらない。

サニーバード店主の平さんは前々日までの静岡ボードゲーム大祭に出店しており、大阪からカーフェリーで福岡へ。講演を見学してもらって、そのまま長崎まで自動車で送って頂いた。福岡から長崎まで2時間、高低差のある地形に住宅が密集する独特の街並みが見えてきたときは心が躍った。
自宅を兼ねているサニーバード旧店舗、倉庫に使っているサニーバード前店舗を見せてもらい、メガネ橋やトルコライス屋さんに寄ってからいよいよ新店舗へ。

繁華街の路面店となったサニーバードは、入口がショップ、奥がボードゲームカフェになっている。待ち合わせしていた赤瀬よぐさんとお話ししながら、カウンター席で「長崎ミルクセーキ」なるものを注文。美味い。



ミルクセーキを食べ終わるとテーブル席に移動し、他のお客さんも交えて3つほどボードゲームを堪能。赤瀬さんのテストプレイ作品と、平さんがボードゲーム大祭から持ち帰った『タクタ』『ぬすっとキャット』である。
ボードゲームカフェのスタイルはJELLYJELLY CAFEのように広い空間にテーブルが並んでいるものが一般的だが、マーダーミステリーのプレイもあって個室を用意するお店も増えている。韓国ではカラオケボックスのように全室個室で動画でルール説明というお店もあるという。今回はオープンスペースで遊んだが、サニーバードにも個室がひとつ、半個室がひとつあって利用しているグループがいた。

前店舗ではユーロゲームがよく遊ばれていたのが、新店舗になって客層が変わり、ほろ酔いで訪れる客などもいて、ルールが一発でわかるパーティー系が多くなったという。そういうゲームを遊ぶのはみんな流動層かというと、中にはルールの多いものも楽しむようになる人もいて、幅広いラインナップが役に立っている。

T斎藤さん、マジ森さんもいらして閉店後はボードゲームポッドキャスト「おしゃサニ」の収録(第489回「ボドゲde遊ぶよ!を語ろう!の巻!」)。楽しいひと時を過ごすことができた。公開をお楽しみに!

パーフェクトワード(Perfect Words)
いい問題を作って回答一致

単語カードを縦横に並べて問題を作り、一列になった単語から連想される言葉を合わせる協力ゲーム。ティキ出版(フランス)から2023年に発売され、ピアトニク社(オーストリア)のドイツ語版がドイツ年間ゲーム大賞で推薦リストに選ばれた。問題を作るところから協力が始まっている。
手番には場札から単語カードを選んで配置する。単語カードが2枚以上つながったら、その横に矢印のついた問題番号タイルを置く。それらの単語から連想される言葉を後で一致させるというわけだ。こうして縦横に単語カードを並べ、問題番号タイルを置いていって10問できたら回答。みんなが書きそうな答えを考えるのも大事だが、それ以前に書きやすい単語の組み合わせにすることがもっと大切だ。絞りきれなさそうな場合は、すでに出来上がった答えに単語カードを足してもよい(かえって混乱を招くことも)。
「パール」+「水晶」→「宝石」、「パール」+「生きている」→「あこや貝」というように各自が回答用紙に記入した後、みんなで相談して自信のある問題にダブルタイル、自信のない問題にXタイルを置いたら、1問ずつ答え合わせ。一致度が高ければ貝殻2枚、低ければ1枚を獲得し、合計枚数で成績を出す。
謎すぎる組み合わせに対し、頭を捻って苦し紛れに出した回答が誰かと一致していると嬉しいが、一致しなくても違う回答を見るとカードを置いた意図に納得することも。協力ゲームの一体感とともに、じっくり考えたりぱっと閃いたりする思考の楽しさもある。日本語版希望。
Perfect Words
ゲームデザイン:P.H.アルジオ/イラスト:C.アルクフ
ティキ出版(2023)+ピアトニク社(2024)
2~6人用、10歳以上、15~30分
