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大学でボードゲーム

デジタルゲームを学ぶ大学は数あれど、ボードゲームやカードゲームなどのアナログゲームを取り上げている大学は極めて少ない。しかし、デジタルゲームにはない対人コミュニケーションやライブ感で、教材として優れた価値があると思う。
1番目は授業内容の理解を深める教材。多摩大学のコンビニゲーム大会では、コンビニエンスストアの経営をシミュレートしたゲームを競うことで経営に対する理解を深めている。ジレンマゲームからゲーム理論を学んだり、推理ゲームから論理学(帰納推論)を学んだりする方向性も考えられる。
2番目は子ども向けの教材開発の一例。文教大学の歴史カードゲームは社会科の教材であるが、将来教員になるであろう学生が積極的に教材開発に関わっており、学校現場でもボードゲームの利用が広がっていくことを期待させる。社会科だけでなく、国語や英語でワードゲームを、算数で推理ゲーム(実際『アルゴ』がそうである)を使うなどという方法もあるだろう。
3番目は学生のスキルを高めるための教材。東京情報大学では、ボードゲームをプレゼンするという授業を行っているのは、コンピュータの分野ではプレゼン能力が非常に重要になるからであろう。この方向性では営業スキルを身につける授業で交渉ゲームを用いる方法なども考えられる(えげつない交渉ばかり覚えられても困るだろうが)。
実際にゲームをやってもらうためにはゼミ規模の少人数クラスであることが前提となり、マス授業では扱いにくい代物だが、もっと大学で盛んに取り上げてほしいものである。(ほかにも大学でこんな使い方をしているよという情報がありましたらお寄せ下さい。)
コンビニゲーム大会(多摩大学)
経営情報学部経営情報学科講師で経営コンサルタントの中川理氏がゼミでビジネスゲームを制作、学内生を対象に大会を開催。
「コンビニエンスストアの経営をシミュレートしたビジネスゲームを通じて、「経営能力、コミュニケーション能力、意思決定能力」を競います。」
2007年1月16日の朝日新聞夕刊「就職力」にて紹介された。
歴史カードゲーム制作(文教大学)
教育学部教育専攻科教授の中村修也氏が社会科の教材として考案。『遊戯王』カードゲームをモデルにし、勤皇側と幕府側に分かれて幕末を戦うというテーマ。学生がイラストを手がけ、コナミに許可を得て1000部製作、越谷市内の小中学校に配布した。暗記中心敬遠されがちな社会科が楽しくなると反響が大きく現在再版を検討中。幕末以外のテーマも含めて、商品化される可能性も。
asahi.com、FM Nack5などで取り上げられた。
ボードゲームのプレゼンテーション(東京情報大学)
環境情報学科講師の大城正典氏が1年生対象のゼミでボードゲームを実際に遊んで、プレゼンテーションするという授業を行っている。主な目的はコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力の向上で、戦略を分かりやすく発表することがポイント。
このほかに、授業におそらく関係なく月1回くらいのペースでボードゲームの会を開催しているという。

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ニュルンベルク1週間前

来週の木曜日から、ニュルンベルクおもちゃ見本市が開催されます。
新作情報はこちらにまとめていますが、いつもより情報が上がっていません。アミーゴやシュミット系列(ハンス・イム・グリュック、ドライマギア、シュミット)のように早々と情報を上げるところと、コスモスやクイーンのように当日までのお楽しみにしているところがあるようですね。ところでデイズ・オブ・ワンダーは『バトルロア』で体力を使い果たしたのでしょうか?
発表予定の作品を見るとヒット作のリメイクやシリーズ作品が多いような気がします。『キャントストップ』などのリメイク作品は高騰する中古市場に手をこまねいていた人にとっては朗報でしょうし、『カタン』のシリーズ作品などはファンにとって嬉しいのですが、過去の遺産だけで食いつないでいては未来が明るくないのでは?と心配もしてしまいます。
そんなわけで今ひとつ心躍らない新作ラインナップですが、こういうときは最近遊んで面白いと思ったゲームをもう1回遊ぶのが吉。面白いと思っても2回目あるか分からないという贅沢な時代なのです。昨秋にエッセンで発売された新作は続々と日本に入ってきています。『大聖堂』『イスファハン』『レオナルド・ダヴィンチ』『ヘルマゴール』『アルカディアの建築士』『サラマンカ』……これだけあればむしろ、ニュルンベルクの新作ちょっと待った!なのではないでしょうか。
もう入ってんの?! ニュルンベルク新作リスト(水道橋・メビウスゲームズ)
いただき!
ボーナンザ(缶入り)