ゲームマーケット、来年の開催決定
ゲームマーケット公式ページは14日、来年の開催決定を日程とともに告知した。今年と同じく5月の最終日曜日(30日)、東京都立産業貿易センターの2フロアで開かれる。
今年10回目を迎えたゲームマーケットだったが、第1回から主宰を続けてきた草場純氏が、「しかし、もともと私と私のゲーム仲間の趣味の延長で始めたような会でしたので、一日の参加者が千人を超えるようになってきた現状では、私がやってきた手法は通用しなくなってきたとの印象を得ています。これ以上続けるならば、スタッフには過重な労力を強い、来場者にも何かとご不便をおかけするのではないかと危惧する次第です。」と規模の拡大を理由に降板を表明。開催が危ぶまれていた。
後を引き継ぐのは、アークライト・グランペールといった企業共同体で、第1回からスタッフを務める山上新介・グランペール代表が中心に準備を進めるという。また、今年から開催された前日のプレ・イベントが、来年も草場純氏の主宰で開かれる予定であることも明らかになった。
ミクシィのゲームマーケットコミュでも同じ告知が行われたが、出展者、来場者から安堵と喜びの声が寄せられている。
国内最大のボードゲーム祭典であるゲームマーケットが、新しい歴史の一歩を踏み出す。今から予定を空けておこう。
・ゲームマーケット公式ページ:次回の開催について
ドイツ語ルールと英語ルール
ヨーロッパでは、ボードゲームの国際展開をにらみ、多言語ルールを付けることが多くなった。かつてはドイツ語オンリーばかりだったドイツメーカーも、大きなアメリカ市場を見据えて英語ルールをつけたり、パッケージの英語版まで作ったりしている。
ドイツメーカーが作る英語ルールは癖があって読みにくい上に、ドイツ語の原文と異なることが書いてある。そういうときはドイツ語ルールの記述を優先するようにしている。ドイツ語がオリジナルで、英訳するときに誤訳があったと考えるのが自然だからだ。
ところが、フランスやイタリアやオランダのメーカーとなると、ドイツ語ルールも英語ルールもオリジナルではないだろう。自国語が読めれば一番いいだろうが、それが無理ならば両方を読んで誤差を探ることになる。
そうして両方を読んでみると、ルールとして信用できるのはやはりドイツ語ルールだ。おそらくこれは、英語ルールがノンネイティブによって作られているのに対し、ドイツ語ルールはドイツ語のネイティブに依頼して作ってもらっているからだと考えられる。
ノンネイティブの英語は、外国人に理解できないことが多い。フランス英語、イタリア英語、オランダ英語は少しずつ異なり、日本英語「ジャングリッシュ」を話す日本人には理解しにくい。それぞれの国の言葉遣いや文法に影響されていているからだろう。
もうひとつ、ドイツ語ルールに軍配が上がるのは、ボードゲームのことをよく知っている人が翻訳しているように感じられるからだ。ドイツ人にルールのドイツ語訳を頼むとき、コアなボードゲーム愛好者に当たる可能性は高いだろう。原文に不備があれば作者に確認したうえで重複も漏れもないように仕立て上げるには、普段から数多くのボードゲームを遊んでいなければならない。
ルールの書き方には世界共通のスタンダードがあり、そのスタンダードを作ってきたのはドイツである。各社が作る日本語ルールで最も定評があるのはメビウスゲームズのルールだが、訳者の手腕だけでなく、メビウスゲームズが主にドイツのメーカーを取引先としており、ドイツのメーカーはもともとしっかりしたルールを作っているという背景もあるだろう。
というわけで、オリジナルが英語版でない限り、一昔前の医学がそうであったように、ドイツ語を参照するのはルールを正確に理解する上で必要なことである。