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重量級ゲーム

近年、ドイツゲーム賞を受賞しているような難易度高め・所要時間長めのゲームを、日本語でネガティブなニュアンスがないようにするには何と呼んだらよいだろうか。
「長時間ゲーム」というと、世の中には5,6時間やそれ以上かかるものもざらにあるから、2,3時間くらいでは短いという人もいる。 また、内容は易しいのに収束性が悪くて長引くゲームもなくはない。所要時間だけで、ゲームを分類することはできない。
日本ボードゲーム大賞の部門名で採用されていたのは「フリークゲーム」。範囲はだいたい合っているものの、英語のfreakが「○○狂」と訳されるように、若干ネガティブなニュアンスが含まれる。
ドイツ語では「要求の多いゲーム(Anspruchsvolles Spiel)」と呼ばれている。手番の選択肢ややることが多く、その分だけ時間がかかり、戦略性も高いという意味だ。ゲーム賞では、オーストリアゲーム大賞で「エキスパートのためのゲーム(Spiele für Experten)」、国際ゲーマーズ賞やゲーム100選で「戦略ゲーム(Strategy Game)」という言葉がある。
『ドイツゲームでしょう!』では極力ニュートラルな表現を心がけて「重量級ゲーム」と呼んだ。重いゲームが好みの人もいれば、そうでない人もいるから、ニュートラルな表現が望ましい。だが、あまり一般的ではない。
みなさんはどんな呼び方をしていますか? どう呼んだらよいと思いますか?

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ペンションとも

ペンションとも看板ボードゲームの遊べるペンションの記事を作っていて、全国に4件しかない「ボードゲームのページがあるペンション」のひとつ、ペンションともを知り、家族と1泊してきた。
裏磐梯高原は、山形県南部から意外に近く、エコーラインを通って自宅からわずか2時間で到着した。都内からでも、東北道―磐越道経由で4時間くらいで着くだろう。1888年に磐梯山の噴火で周辺の河川がせき止められてできたたくさんの湖沼と、それを取り巻く木々を四季を通して楽しめる絶景の地だ(下写真はエコーラインの途中から撮影)。その湖のひとつ、曽原湖の近くにペンションともはある。歩いていけるくらい近くに、同じくボードゲームの遊べるペンションバディがあるが、ボードゲームの交流はないそうだ。もったいない気がするのは、愛好者の視点だからだろうか。
裏磐梯高原
友坂豊
さんオーナーの友坂豊さんがボードゲームを始めたのは、80年代に富士商がペンションを回ってサンプルを置いていったのがきっかけだという。『モノポリー』や『人生ゲーム』などアメリカゲームが殺伐としまうのを感じていたとき、『スコットランドヤード』や『カタン』などのドイツゲームと出会った。現在では100種類以上のボードゲームがあり、ときどきメビウスゲームズで新作を仕入れるなど、ラインナップが充実している。年に1回、ここでボードゲームを遊びに来る家族もいるという。
3階建ての建物の2,3階は寝室になっており、ゲームは1階の食堂(下写真)で遊ぶ。近年、部屋にお風呂や洗面所を入れてホテルのように改装するペンションが増えているそうだが、友坂さんは出会いを大切にして、食堂を夜遅くまで開放している。見知らぬ人同士で会話をするのはたいへんだが、そこにボードゲームがあって、オーナーがちょっと背中を押してくれれば、打ち解けるのは早い。
食堂
今回は『トリビア』と『グローカル・ヘキサイト』を遊ばせてもらった。2人用ゲームからパーティゲーム、子供ゲームからミドルクラスのゲームまでバラエティに富んでいて、遊ぶメンバーに合わせてぴったりのゲームが見つかるだろう。子ども向けのおもちゃや絵本もあって、大人が熱中してしまっても安心。オーナーと、ボードゲーム談義をするのも楽しい。
食事もたいへん美味しく、手製のケーキも絶品。満腹になって、コーヒーや紅茶を飲みながらボードゲームなんて、最高の幸せではなかろうか。
ペンションとも