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マーチャント・ギルド(Merchant Guild)

勝利への建物選択
今月に創刊されたばかりのボードゲーム情報誌『ゲームリンク』の付録となった川崎晋氏の新作。付録と侮ってはいけない。打ち抜きのチップとカード、美しいボード、そして作り込まれたゲームシステムは単体で売られていてもおかしくない。
資源を集めて建物を建て、その特殊効果でさらに建物を建てるオーソドックスな建設ゲームである。しかし資源の集め方と建物の選択にクレバーな仕掛けがあり、エキサイティングに楽しめる。
毎手番、6種類のアクションから3つを行う。資源は、商人コマを磐面に配置し、それを取り除くことで得られる。ここで、街から商人コマがつながっていないと取り除けないというルールがあり、ほかの人が取り除くとコネクションが切られて資源が手に入らなくなる。コネクションをどう確保するかで、駆け引きが生まれる。
建物は特殊効果があるが得点の低い紫と、特殊効果はないが得点の高い緑があり、手札から選んで出す。補充は公開の場札か山札から選べる。序盤は紫で後半は緑と、状況に応じた建物選択をしなければならないが、ほかの人もいるのでなかなか思い通りにはいかない。
建物が一定数作られたらゲーム終了。終盤は特殊能力が累積されているので建設ラッシュが起こり、収束が早い。
序盤からkarokuさんがどんどん紫の建物を建てて独走気味。資源が1つ少なくなったり、アクション数が増えたりと羨ましい状況に。一方、緑の建物しか来なかった私は、紫の建物を1件にとどめてどんどん商店を建てた。商店は
建てた数が最多だと得点が2倍になる美味しい建物だ。
最後はやることもなくなってカードを引く。この中にも得点が含まれている。負けたかと思ったが、karokuさんと1点差でトップ。karokuさんは紫の建物を建てすぎて緑の建物に切り替えるのが遅れたのが響いたようだ。
これだけのゲーム内容で、所要時間は40分程度。見事なまとめ方である。でも建物の組み合わせによっていろんな戦略がありそうで、またやってみたい。
『ゲームリンク』は、寄稿した海外のゲーム関係者にも配られた。付録ゲームの英訳が公開されているので、海外でも遊んでもらえそうだ。川崎氏が今回、ヤポンブランドで発表しているのは『ガウス』だけだが、このゲームや『賭博英雄伝セブン』、『ワードリンク』など、海外で取り上げてほしいゲームがまだまだある。
Merchant Guild
川崎晋/Shoot the Moon
2〜4人用/30〜40分

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エッセン1日目

今日は何も予定を立てずぶらぶら市内を観光した。これまでエッセンではメッセ会場にこもりきりで、エッセンの街に出る頃にはもう夜。だが去年に世界遺産のツォルフェアライン炭鉱を見て以来、ゲーム以外のドイツの魅力に気づき、今回は1日早めた次第である。
まずは宿の近くの散策から。火曜日に開かれているという朝市を回って焼きたてワッフルを食べ、ショッピングセンターを歩いてココアを飲み、教会を見学してフェアトレードのクリスマス置物を買う。午後からは地下鉄でエッセン中央駅付近へ。デパートの売場を回って昼食を取り、旧市街を歩きに歩いてゲームを探査する。最後に地下鉄でメッセ会場へ。すぐそばにあるグルーガ公園を散策してお茶を飲んだ。
5,6時間歩き回って訪れたのは玩具店・書店・デパートなどゲームを売っているお店7件、教会2件。足が棒になる。
夕食をとって宿に戻るとタナカマさん夫妻がちょうど着いたところだった。shokoさんがゲーム愛好者にいろいろ興味をもってくれたのもとで話が弾み、ついでにゲームをしましょうということに。宿にはちょうど6,7人で遊べる部屋もある。会場まで地下鉄一本でいける便利さといい、もうシュピールのために特別に作られた宿かと思うくらいだ。
2ゲームほど遊び、さらにボードゲーム談義に花を咲かせて0時過ぎ。終わった頃に、ヴァイスさんとストーンRさんが帰ってきて、宿はゲーマーで埋め尽くされた。明日にはさらにけがわさんがくるという。
明日はプレス会議でいよいよ本番が始まる。
朝市に並ぶ野菜